本記事は、下記の医学書などの確かなエビデンスに基づき、医師が執筆いたしました。
「アメリカ心臓協会(AHA) ACLS(二次救命処置)プロバイダーマニュアル」

なるべくなら想像したくはないですが、家族などの身近な方が突然「くも膜下出血」を発症してしまったら、あなたは冷静に対応できますか?

くも膜下出血の救急医療は、一刻を争います。

そこで普段から「くも膜下出血」の前兆とチェック方法を理解していれば、いざという時の対応速度に差が出てきます。

今回の内容を気にとどめておき、万一の場合には冷静な対処ができるようにしておきたいものです。

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くも膜下出血の7つの前兆

くも膜下出血の自覚症状は見つけにくいことがあります。

しかし下記の様な症状が現れた場合、くも膜下出血をはじめとする脳卒中の前兆かもしれません。

これを警告徴候といいます。

 

こうした症状に本人もしくは家族などの周囲の人が気がついた場合は、ただちに119番に連絡するべきです。

実際、脳卒中で搬送された患者さんのうち、およそ50%が家族や友人からの通報がきっかけといわれています。

迅速に119番に連絡するためにも、前もって脳卒中の自覚症状について理解しておいた方がいいでしょう。

 

顔や腕、足の状態

突然に顔面や腕、足に脱力感とよばれる力が入らない状態が生じます。

また、感覚のしびれ感として現れてくることもあります。

 

意識状態

突然に意識が低下します。

 

会話状態

急に言葉を発することが難しくなったり、もしくは相手の言うことが理解出来なくなったりします。

 

視力状態

片側、もしくは両側の視力が突然低下します。

 

歩行状態

突然、歩けなくなる、もしくは歩きにくくなってしまいます。

 

ふらつき

突然、めまいが襲ってきたり、平衡感覚がおかしくなりふらつき始めます。

 

頭痛

原因不明の頭痛が、激しく、しかも突然に生じます。

くも膜下出血のチェック方法

くも膜下出血に限らず、脳卒中とよばれる脳血管障害すべてに対応出来るチェック法として、「シンシナティ・プレホスピタル脳卒中スケール(CPSS:Cincinnati Prehospital Stroke Scale)」があります。

 

シンシナティ・プレホスピタル脳卒中スケールとは、病院の外で脳卒中が起きたのかどうかを簡単、そして迅速に判断するために評価するために考案されました。

この評価方法では、顔面・腕・言葉の3つの身体的な所見に基づいて脳卒中かどうかを判断します。

 

正確な診断にはCTなどの画像検査が必要ですが、医療スタッフであれば1分未満での脳卒中を起こしたかどうかの判断が可能です。

また、正しく訓練を受けた救急隊員であれば、およそ86〜97%の確率で脳卒中患者を特定することが出来ると言われています。

 

なお、この評価方法を用いない場合の救急隊員の脳卒中の特定確率は61〜66%です。

シンシナティ・プレホスピタル脳卒中スケールの有用性が理解出来ると思います。

 

顔の状態

歯を見せたり、笑顔を作る様に指示したりして、顔の表情をみます。

正常であれば、顔の両側を同じ様に動かすことが出来ます。

 

しかし、くも膜下出血など脳卒中を起こしていれば、顔の左右を同様に動かすことが出来なくなります。

顔面の片側の動きが反対側と比べて悪くなります。

 

腕の状態

目を閉じた状態で、左右の手のひらを上に向けながら、まっすぐに前に伸ばします。

このままの状態を10秒間保ってもらいます。

 

正常であれば、左右の腕を同じ様に動かすことが可能です。

ところが、脳卒中を起こした場合ですと、片側の腕が動かなくなりあげることが出来なくなったり、同じ様な高さに腕を上げ続けることが出来なくなったりします。

 

言葉の状態

脳卒中かどうかを調べたい方に、「瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る」などのフレーズを話してもらいます。

正常であれば、明瞭にしっかりと発音することが出来ます。

 

しかしながら、脳卒中の場合は、一言一言に発音が不明瞭になったり、正しく発語できなくなり間違った言葉を発したり、もしくは言葉を話すこと自体が出来なくなったりします。

 

シンシナティ・プレホスピタル脳卒中スケールの判定方法

上述した3つの身体所見のうち、ひとつでも当てはまる項目があれば、くも膜下出血をはじめとする脳卒中を起こしている可能性は70%ほどになります。

3つ全てに異常が認められれば、脳卒中の可能性が85%以上に高まります。

つまり、どの項目にも該当しないのが正常で、そうでないならくも膜下出血など脳卒中の疑いありとみなされます。

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まとめ

くも膜下出血の自覚症状は見つけにくいこともあるのですが、警告徴候とよばれる前兆がいくつかあります。

こうした症状に気がついた場合は、迅速に119番に電話をかける必要があります。

早期に119番に連絡するためにも、本人だけでなく家族や友人など広く周囲の人々が脳卒中の警告徴候についてあらかじめ理解しておいた方がいいでしょう。

 

また、脳卒中を起こしたかどうかを調べるにはCTなどの画像検査が必要ですが、病院にしかそういった器材は備わっていません。

そこで、病院外でも脳卒中の評価をする方法として、シンシナティ・プレホスピタル脳卒中スケール(CPSS)があります。

この評価法の対象はくも膜下出血に限りません。脳卒中かどうかを評価するために用いられます。

これを利用すれば、いつでもどこでも脳卒中の評価が出来ます。

 

方法は簡単に顔・腕・言葉の3つの身体所見を評価して行なわれます。

簡単ですが、高い確率で脳卒中を特定することが出来るので、とても有用な評価方法といえます。

参考文献:
「アメリカ心臓協会(AHA) ACLS(二次救命処置)プロバイダーマニュアル」

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