インフルエンザにかかって困惑してしまうのは、何も病状に限ったことではありません。
インフルエンザにおける外出に関する知識は、意外と曖昧な方も多いのではないでしょうか。
今回は、これまで「グレー」で済ませてきたインフルエンザに関する外出の疑問を徹底的に解決していきます。
これから紹介する11個の疑問の中には、今まで知らなかった意外な真実もあるかもしれませんよ?
インフルエンザに外出許可証は必要?
インフルエンザに感染するということは、誰もが嫌がるものです。
インフルエンザに感染している方が外出すると、他の人にうつしてしまう可能性が出てきますので、医療機関で診断された後は外出を躊躇してしまうかも知れません。
体調も悪く高熱も出ているでしょうし、早く治すためにも感染の広がりを防ぐためにも、出来れば外出は控えた方が良いです。
しかし、だからといって特に決められた外出許可証などはありません。
外出許可証の代わりになるような物がもしあるとすれば、それは医師の出す治癒証明書になるかもしれません。
インフルエンザで外出したら法律的には違法?
日本国内でインフルエンザにかかっている場合の、外出に関する法律は特に定められていません。
ですから外出をしたら法律に違反するというわけではありません。
そのような法律があるとするならば、医療機関でインフルエンザと診断された時点ですぐに隔離病棟に入り、治癒するまで家には帰れない、ということになってしまいます。
子供の外出禁止期間は?いつから登園・登校できる?
子供がインフルエンザにかかった場合も、大人同様に外出自体が禁止になるということはありません。
ただ、学校保健安全法ではインフルエンザの出席停止期間としての基準を設けており、インフルエンザが発症し発熱後5日、なおかつ解熱後2日(幼児では3日)と定めています。
この間のお休みは欠席とみなされません。
この期間が過ぎれば登園、登校出来ます。
学校や園によってはインフルエンザの診断書や治癒証明書の提出を必要とするところもあるようです。
医師や校医が認めた場合はこの限りではありません。
子供としては、熱が下がっても登園や登校できないのは辛いかも知れませんが、こればかりは仕方ありませんね。
学級閉鎖期間に外出しても大丈夫?
学級閉鎖というのはクラス内でインフルエンザなどの感染がまん延してしまい、欠席者が増え、これ以上の園や校内での感染者を防ぐための処置です。
ですから、学級閉鎖期間中に外出自体が禁止というわけではありません。
感染せずに健康な子供たちもいるわけですから、外出できないのは可哀想ですものね。
しかし、このような時期にはインフルエンザなどが他でも流行している可能性もあります。
学級閉鎖によってクラス内での感染を防いでも、他のところで感染してしまっては意味がありません。
できるだけ外出は最低限に抑え、人の多い場所に出掛けるのは控えたほうがよいでしょう。
大人の外出禁止期間は?いつから出勤できる?
大人がインフルエンザにかかっている場合でも、外出自体が禁止されている期間はありません。
高熱が出ている間は本人も苦しいので、家で安静にしているでしょう。
しかしその後、熱が下がって体が楽になったからと言ってすぐに出社してしまうと、職場の他のスタッフに感染させてしまうかも知れません。
ですから、各職場においては独自の取り決めをしている場合もあるでしょう。
先ほどご説明したように、学校保健安全法では「熱後5日、なおかつ解熱後2日」を出席停止期間としています。
ですから、会社などでも同じ期間を出勤停止期間としているところもあるようです。
インフルエンザにかかってしまったら受診した医療機関で診断書を作成してもらい、治癒証明書ももらって職場に提出すると良いでしょう。
そうすれば、一緒に働く他のスタッフに対して安心感を与えますし、エチケットとして失礼がないでしょう。
特に出勤停止期間を設けていない職場でも、インフルエンザで仕事を休んだ場合に診断書があれば欠勤扱いにしないところも多いようです。
インフルエンザの予防接種を受けたら外出禁止?
「インフルエンザの予防接種を受けた」ということは、その時に熱などがなく健康だから受けることが出来たということです。
インフルエンザの予防接種を受けたら、その日の激しい運動などは控えるべきですが、外出しても影響はありません。
学校や会社でインフルエンザの予防接種が受けられるところもあるくらいです。
その後は普段通りに勉強や仕事が出来ます。
ただ、インフルエンザの予防接種を受けてから2週間経たないと体に免疫が出来ません。
せっかく予防接種を受けたのに、免疫が出来る前に感染してしまうことも充分に考えられますので気をつけましょう。
インフルエンザの潜伏期間に外出したらウイルスをまき散らす?
インフルエンザは、発症する前日から発症後3日から7日間は、感染者の鼻や口からウイルスを排出するといわれています。
ですから潜伏期間中にもウイルスを排出しているということになります。
潜伏期間中はまだ自分がインフルエンザに感染していることを知りません。
ですから、潜伏期間中に咳やくしゃみによってウイルスを放出してしまう可能性はあります。
しかし、ウイルスが排出される量は高熱が出ている時が最も多く、熱が下がっていくと排出される量も少なくなります。
したがって、潜伏期間中のまだ高熱が出ていない時期のウイルス量は、まき散らすというほど多いものではないでしょう。
一般的にインフルエンザなどが流行している時期は、エチケットとして、また予防として、マスクを着用することが望ましいでしょう。
その結果、潜伏期間中の感染を防ぐことにつながります。
解熱剤で無理やり熱を下げての外出は危険?
インフルエンザに感染すると高熱が出ますので、医師から抗インフルエンザ薬と共に解熱剤が処方されることが多いです。
解熱剤だけではインフルエンザの熱はあまり下がりませんが、抗ウイルス薬を服用すればみるみるうちに回復し、熱は下がってくるでしょう。
抗ウイルス薬で熱を下げた後の外出がいけないわけではありませんが、解熱剤には眠くなる成分が含まれていることが結構多いです。
出先で眠気がしたり、電車でウトウトする程度ならいいですが、車を運転するようなことは危険です。
インフルエンザで体力が落ちているときに、さらに薬を服用しての外出は出来れば控えた方が良いでしょう。
感染者である子供や家族を残して外出しても大丈夫?
乳幼児だけを家に残して外出することはないと思いますが、5~18歳前後の子供を一人にする場合には違った危険性が出てきます。
そのくらいの年齢の子供がインフルエンザに感染し、抗インフルエンザ薬を服用している間に、異常な行動や危険な行動を起こしたという報告があります。
薬との因果関係は定かではないのですが、子供が抗インフルエンザ薬を服用している間は家の中であっても目を離さないようにしましょう。
ですから、他に大人が家で付き添えない場合には、子供を守るためにも外出しないことが賢明です。
大人が感染者である場合はそのような報告はありませんが、老人が感染者である場合は、インフルエンザ発症時に肺炎などを併発する可能性が高いので気をつけます。
できるだけ、外出は症状が安定してからが望ましいでしょう。
インフルエンザで買い物に行く時に必要な気配りとは?
自分がインフルエンザに感染していても、買い物に行かなくてはいけない場合もあるかもしれません。
その際には、咳エチケットを忘れずにしましょう。
マスクを着用して、くしゃみや咳などでウイルスを排出しないようにします。
出来ればインフルエンザに感染している時には、外出せずに安静にしているほうが良いということは言うまでもありません。
油断禁物!インフルエンザ回復期の外出時の注意点は?
インフルエンザに感染して、苦しかった高熱が治まると外出したくなるかもしれませんが、まだ油断は禁物です。
インフルエンザウイルスは、高熱が出ることで発症したとされることが多いです。
しかし感染者は、インフルエンザの潜伏期間中にも、熱が下がって回復している間もウイルスを排出しているとされています。
ですから高熱が出る前日から鼻やのどからウイルスは排出されてしまい、熱が下がっても5日間くらいは排出が続くということです。
そのためにウイルスを排出している間は、できるだけ外出を控えて人との接触を少なくしたほうがよいです。
咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、不織布製のマスクを着用して咳エチケットを心掛ける等、周りの方へうつさないような配慮をしましょう。
まとめ
インフルエンザに感染していても、外出許可証はありません。
そのため外出は個々のエチケットにゆだねられます。
インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみによる飛沫感染です。
感染者が咳やくしゃみをした際に排出された小さな水滴にはたくさんのウイルスが含まれています。
ですから感染者が外出しなければならない場合には、飛沫感染対策として咳エチケットを心掛けましょう。
また、インフルエンザに感染するのは1シーズンに一回とは限りません。
一度感染したインフルエンザの型と違う型のウイルスに感染すれば、またかかってしまいます。
インフルエンザが流行している時期には、特にマスクの着用や手洗いを心掛けましょう。