ガングリオンという聞き慣れない名称を耳にすると、何のことか解りにくいかもしれません。
ガングリオンとは、体の関節付近にできるグリグリとしたできもののことを指す言葉です。
手首や足首などの関節に良くあらわれ、特に症状もありませんが、放置しておくことで何か弊害はあるのでしょうか?
今回は、気になるガングリオンの原因や治療法についてご紹介します。
ガングリオンのできる原因とは?
ガングリオンとは、ゼリー状の物質が中に詰まっている腫瘤(しゅりゅう)のことを言います。
ガングリオンのできる原因について、いくつかの仮説はあるようですが、実際にはどうしてできてしまうのかはまだはっきりと解明されていません。
しかし、ストレスや衝撃、関節の酷使によってできるのではないか?と言われています。
体の関節周辺や腱鞘(けんしょう)にできますが、好発部位は手の親指の付け根です。
ガングリオンは米粒大からピンポン玉ほどの大きさで、柔らかいものから硬いものまで大きさや状態は様々です。
殆どの場合自覚症状がありませんが、神経付近にできてしまうと神経を圧迫することでしびれや運動障害を起こしてしまうこともあります。
ガングリオンを放置しておいても大丈夫?
ガングリオンは良性腫瘍ですので、がんなどとは違い放置していたら命に関わる事態に発展するということはまずありません。
それどころか、放置している間に自然治癒してしまうこともあります。
しかし、逆にガングリオンが大きくなり悪化することもあるので、良性腫瘍だからと言って何もせずに放置し続けるのは得策とは言えないでしょう。
特に手首周辺にできたガングリオンは、頻繁に手首が使われることで刺激を受け徐々に大きくなると、神経や血流を圧迫することで腱鞘炎を起こしてしまうこともあります。
ガングリオンのようなものを自分で発見した場合には、自己判断で放置せずに必ず医師に診てもらうことが大切です。
ガングリオンによって痛みが生じている場合には、手術が必要となるケースもありますのでしっかりと病院で検査を受けましょう。
ガングリオンの治療法
ガングリオンにより病院へかかると、次の4つのうちのいずれかの治療法が行われます。
経過観察
ガングリオンは良性腫瘍であり、自然治癒することも多い腫瘍です。
そのため、まず初めは経過観察をとることが多いようです。
注射器による吸引
注射器を使い、腫瘍の中身を吸い出し治療する方法です。
一度の治療では治りきらず、何度か吸い出す必要があります。
腫瘍の中身が吸い出されればガングリオンは治りますが、再発の可能性もあります。
圧坐(あつざ)
皮膚の上から直接腫瘍を押しつぶすという治療法です。
ガングリオンは体内で潰れても特に影響はないため、このような治療法も可能です。
こちらも再発の可能性がありますので、何度も再発を繰り返すようであれば最終的に手術を行います。
手術
ガングリオンは、内視鏡で体に負担をかけずに手術によって取り除くことが可能です。
但し、ガングリオンは神経や血管の近くにできるものなので、手術の際に誤ってそれらを傷つけてしまう可能性もあります。
手術を検討する際には、医師からそのリスクについてもしっかりと説明を受け、納得の上で行うようにしましょう。
ガングリオンを自力で治したい!
病院で治療してもらうのが一番なのですが、経過観察中であれば自然治癒の手助けとなる方法があるのなら是非とも試してみたいですよね。
いくつか簡単なものをご紹介しますので実践してみてくださいね。
ガングリオンのある関節はなるべく使わない
ガングリオンのできている関節部分は、なるべく使用を控えるようにしましょう。
サポーターなどで動かないようにしてしまうという方法でもOKです。
体を温める
ガングリオンが出来る原因の一つに、老廃物の滞留や血液循環の悪さなどがあると言われています。
体を温め血行が促進されることにより、老廃物の排出も早まるのでガングリオンが大きくなったり再発するのを防ぎ、さらに自然治癒を促進するという効果が期待できます。
マッサージ
入浴中などの体が温まっている時に、ガングリオンが出来ている部分の周辺を優しくマッサージするのも効果的です。
あくまでも優しく、ガングリオンを刺激しないようにしてマッサージしてくださいね。
まとめ
ガングリオンを治すために自分で潰してしまう人もいるようですが、できている場所によっては神経や血管に影響を及ぼしてしまうこともあります。
ガングリオンの治療法である圧坐は、必ず専門医に行ってもらうようにし、自己判断で誤った治療法を行わないように注意しましょう。