自覚症状がないだけで、実は胆のうに胆石を持っている人が意外と多いこと、あなたは知っていましたか?
痛みが出るまでは殆ど自覚症状がない胆石症ですが、一度痛みが出ると入院や手術が必要になることもあるようです。
今回は、知っているようで知らない胆石症のアレコレについて詳しく説明していきます。
胆石症とは?
胆石症とは、胆のうや胆管に胆石が出来てしまうことにより、激しい痛みを起こす病気のことを言います。
肝臓で作られた消化液の一種である胆汁は、胆管を通って十二指腸へと放出されています。
しかし、この胆汁が何らかの原因で固まることで胆石となります。
胆石は、胆のうで出来ると胆嚢結石、胆管で出来ると胆管結石と呼ばれ、それぞれ特徴が異なります。
胆嚢で出来る結石は白く、いくつもできますがあまり痛みを感じません。
胆管にできる結石は黒く、例え1個しかできなくとも激痛を伴うことが多い結石です。
胆石ができやすいのは、肥満気味の中年女性であると言われています。
胆石の多くはコレステロールの多い食生活によって出来るので、食の欧米化によって近年患者数は増加傾向にあります。
どのような手術をするの?
胆石症では、症状によって行われる治療法が異なります。
体外衝撃波結石破砕療法
こちらは、体に衝撃波を与えることで結石を砕くという方法です。
手術とは異なり、麻酔もせず短時間で治療できる方法ですが、衝撃波によって強い痛みを感じ内出血を起こすこともあります。
胆嚢摘出術
自覚症状が強く、合併症が懸念される場合には胆嚢を摘出する手術が行われます。
胆石症は再発率が高く、現段階では合併症が起きていなくとも再発後に合併症が起こることがある為、激しい痛みがある場合には胆嚢自体を摘出することが多いようです。
摘出術は必ずしも開腹を必要とせず、腹腔鏡でも行えます。
体の負担を減らすことを考えると、腹腔鏡手術を行える病院にて治療することをおすすめします。
但し、腹腔鏡手術が行える病院であっても、病状によっては開腹術へと変更されることもあります。
手術での入院期間は?
胆嚢を摘出する手術を受けた場合の入院期間は、腹腔鏡手術の場合は平均4日、開腹手術の場合は平均12日です。
腹腔鏡手術と開腹手術では、体への負担が違うだけではなく、入院期間もかなり差があることが解りますね。
腹腔鏡手術では、入院したその日に手術を行い、その後回復するまで3~4日入院するというのが一般的なようです。
開腹手術では、手術までに2日を要し、手術後は10日ほど入院している必要があります。
術後の傷の状態によっては入院が伸びてしまうこともありますが、意外と短い入院期間で退院することができます。
手術費用は?
胆嚢を摘出する手術は、それなりに高額の費用が掛かります。
腹腔鏡での入院・手術でトータル約10~15万円、開腹手術での手術・入院は15~20万円が平均費用となっています。
どちらのケースでも高額療養制度が適用されることが多いので、緊急の手術でなければ事前にお住いの自治体にて手続きをしておくと医療費の負担を抑えることができます。
また、個人で生命保険や医療保険に加入しているのであれば保険金の支払い対象となります。
こちらも事前に加入している保険会社へ問い合わせ、スムーズに保険金の支払いをしてもらえるように手続きしておくと良いでしょう。
生命保険や医療保険は加入している契約によっては、手術分だけ、手術分と入院分、通院特約を付けていれば術後の通院分まで支払い対象となることもあります。
まとめ
胆石症は食の欧米化が進む中で患者数の増えている病気で、胆嚢を除去する手術を受ける人も増えてきています。
意外と簡単で、そして安全に手術を受けることができますし、費用の面でも高額療養制度や生命保険を使えば家計に負担をかけることもありません。
胆石が見つかっても、慌てずに治療に専念していきましょう。