胃の痛みに異常な便、毎日忙しく働いているといつの間にか体が蝕まれ、気が付けば十二指腸潰瘍になっていた・・・という方も少なくないでしょう。
十二指腸潰瘍と聞くととても恐ろしい病気に感じてしまいますが、早期に適切な治療を受けキチンと治すことが大切です。
今回は、十二指腸潰瘍の治療法と、入院について詳しく解説していきます。
十二指腸潰瘍の治療法
十二指腸潰瘍の治療法は主に5つあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ピロリ菌除菌
十二指腸潰瘍や胃潰瘍の主な原因はピロリ菌によるものです。
ピロリ菌は将来的に胃がんのリスクも高めてしまいますから、存在が解ったらすぐに除菌するのが望ましいでしょう。
ピロリ菌の除菌は3種類の薬を1週間毎日飲み続けるだけで完了します。
服薬後は、ピロリ菌が除去できたかどうか再び検査で確認し、終了です。
安静療法
薬の治療と併せて必要な治療法として、「体をキチンと休ませる」安静療法が多く取られます。
十二指腸潰瘍の原因にはストレスからくる自律神経の乱れもありますから、心身ともにゆっくりと休ませるのは治療にとても大切なことです。
また、安静にすることで回復力と自己治癒力を高める効果も期待できます。
食事療法
十二指腸潰瘍は、食事によって悪化してしまうことがあります。
十二指腸潰瘍だと診断されると、医師から食事についての指導を受けることになるでしょう。
飲酒と喫煙、暴飲暴食などをやめるようにする必要があります。
薬物療法
胃の粘膜機能を正常に戻す、胃酸の分泌を抑えるといった薬を服用する薬物療法も行われます。
これにより潰瘍を治すだけではなく、その後の再発を抑制することを目的としています。
手術
潰瘍部分から出血が認められる場合には、手術を行うこともあります。
出血を止めるためにまずは内視鏡を使用し止血剤を注射する、血管をレーザーで焼くといった方法が用いられます。
これでも止血できない、何度も再発する、潰瘍から穴が開いてしまっているといった場合には、開腹手術が行われることもあるようです。
完治まではどのくらいかかる?
十二指腸潰瘍の完治には個人差があり、一概に「これだけの期間治療したので完治しました」とは言えないのが現状です。
但し、十二指腸潰瘍に使われる治療薬である「プロトンポンプ阻害薬」を6週間飲み続けることで、9割程度の患者に症状の改善が認められます。
この薬は6週間飲み続ける必要がありますが、その前に十二指腸潰瘍の症状が治まってしまう人も多いようです。
しかしこの薬で症状が改善しても、自律神経を乱す元となるストレス源を無くさないことには再発してしまう可能性もあります。
ピロリ菌による十二指腸潰瘍の場合には、ピロリ菌を正しく除菌できれば再発の可能性はグッと低くなります。
入院の必要はある?
十二指腸潰瘍での入院は開腹手術が必要な緊急時が殆どで、十二指腸潰瘍の患者のうち1割程度だと言われています。
多くは内科的治療で治癒するため、入院の必要性が出てくることは稀です。
万が一入院が必要と言われたら、その期間と費用については以下を参考にしてください。
入院期間
開腹手術を行う必要がある入院が殆どですので、入院期間は少し長くなります。
平均で20日前後と考えてください。
入院費用
手術を含むことが多いため、退院時に窓口で会計するときに意外にも多くのお金が必要となります。
全額負担なら70万、三割負担なら20万円程度が平均のようです。
高額療養制度の要件を満たす方は、市町村の窓口で申請しておいた方が良いでしょう。
まとめ
十二指腸潰瘍には様々な治療法がありますが、早期発見・早期治療を行うことで、金銭的にも身体的にも負担をかけることなく治療が行えるようです。
十二指腸潰瘍が心配な方は胃の痛みをいつものことと放置せず、なるべく早く病院で検査を受けることをお勧めします。