体のある部分が急に激しい痛みに襲われ、しばらくは動くことすらままならない…。そんな状態を「つる」といいますね。
ふくらはぎがつるという経験をしたことのある方はたくさんいるのではないでしょうか?
同じように急激で激しい痛みが脇腹に起こることがあります。なぜ脇腹がつってしまうのでしょうか?
つってしまった時の対処法と合わせて見てみましょう。
脇腹がつる6つの主な原因
筋肉の痙攣
これはふくらはぎや足裏がつる時と同じような理由で起きる脇腹の痛みです。
脇腹周辺の筋肉が様々な理由で痙攣を起こす時に「つった」状態となります。
筋肉疲労
急な運動後、筋肉が固くなっている状態で無理な体制を取った時などに急激な筋肉疲労が起き、脇腹がつります。
血行不良
女性に多いのが血行不良による脇腹のつりです。
筋肉量が少なく、冷え性だと筋肉が凝り固まりやすいため筋肉の疲労を招きます。
栄養不足
食生活が乱れがちな方、汗を多量にかく機会の多い方は要注意です。
ミネラル分(カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)には筋肉の収縮を調節する働きがあり、不足すると筋肉の痙攣の原因になります。
ホルモンバランス
妊婦に多いのが、ホルモンバランスの乱れにより起こる筋肉の痙攣(けいれん)です。
生活リズムの乱れやストレスによる自律神経の不調も、ホルモンの働きを乱す原因になります。
笑いすぎて筋肉疲労が起きた時、食後に血流不足となり内臓筋が疲労した時、ホルモンバランスの乱れた妊娠中に栄養不足になった時、など様々な要因が重なって起こることも珍しくありません。
脾臓の収縮
病気ではありませんが、左脇腹がつったように痛むときは脾臓(ひぞう)が急収縮していることがあります。
特に、急に激しく運動した時は脾臓が血流を急激に増やそうとするために収縮が起きます。
肋間神経痛
深く呼吸をした時やくしゃみをした時など、ふとした瞬間に脇腹や肋骨の下、みぞおちの辺りにつるような痛みがチクッ!と走る。それは肋間神経痛かもしれません。
肋骨に沿って伸びる肋間神経が、ストレス、運動不足、骨折の後遺症などと言った原因で痛みを生じます。
ガスによる圧迫
脇腹の辺りには腸の中でもガスが溜まりやすい結腸部分があります。
便秘や下痢で腸内のガスが増えすぎると腸を圧迫し、ガスが留まり続ける間ズキズキ痛みます。
痛みをとるには排便をすることやオナラでガスを排出することが大切ですが、出ない時は腸をマッサージして活動を促すことも効果的です。
左側の内臓疾患
左脇腹が慢性的に痛い時は、左側にある内臓(膵臓、脾臓、胃、十二指腸など)の異常の可能性があります。
いつ、どのような痛みが出るのかを詳しく医師に話して原因を解明しましょう。
右側の内臓疾患
右脇腹が慢性的に痛い時は、右側にある内臓(肝臓、胆のう、腎臓など)の異常の可能性があります。特に胆石症(胆嚢炎)のケースは多く、激痛の他吐気や発熱も生じます。
この他、婦人科系疾患、腹膜症、尿路結石といった左右どちらにでも痛みが現れる病気もあります。
脇腹がつってしまったときの対処法
安静にする
つってしまった時はまず安静にして痛みがなくなるのを待ちましょう。
筋肉の痙攣の場合は、筋肉を伸ばすように体を横に倒すと効果的です。
患部を温める
血行不良により筋肉が冷えて脇腹がつってしまう時は、カイロや温泉で温めるのが効果的です。
気候にあった服装で体を冷やさないことも大切です。
ストレッチ
運動不足の方や日頃同じような姿勢を取りがちな方は、ストレッチを習慣付けることで筋肉が固まるのを防ぐことが出来ます。
また筋肉量の増加から血行改善も期待できます。
もちろん毎日の適度な運動を心がければなお良いですね。
食事を見直す
ミネラル分の多い食材(納豆、アーモンド、キノコ類、バナナ)などと、筋肉回復効果のあるビタミンB1を含む食材(豚肉、レバー、豆類)を意識して摂りましょう。
サプリメントで栄養補給するのも一つの方法です。
病院へ
あまりに痛みが続くようなら内臓の病気や骨折も疑った方がいいかもしれません。
無理をせず、早めに病院での診察を受けて下さい。
まとめ
脇腹がつる、といっても「つったように感じる」別の病気が隠れているかもしれないことが分かりました。
内臓に異常がある場合は吐気、発熱など別のサインが現れることもあります。
悪化する前に早め早めの受診を心掛けて下さいね。