時々、鼻の中の違和感とともに訪れるかさぶた。
鼻の中がムズムズしたり、痒くなったりとちょっとやっかいですよね。
今回は、鼻の中にかさぶたができる6つの原因と対処法、さらに予防法までを徹底解説いたします。
鼻の中にかさぶたができる原因
鼻の中にかさぶたができる大きな要因は、粘膜の乾燥からくるものがほとんどのようです。
しかし、中には治療が必要な病気が原因となっていることもありますので、詳しくその内容を見ていきましょう。
ドライノーズ
ドライノーズの特徴的な症状の中に、鼻の中にかさぶたが頻繁にできるというものがあります。
その他には、常に鼻に異物感があり気になる、鼻の奥に抜けるようなツーンとした痛みを感じるといった症状も見られます。
ドライノーズにより鼻の粘膜が常に乾燥している状態にあると、粘膜に少しの刺激があるだけで傷が出来てしまい、その為に繰り返しかさぶたが出来てしまうのです。
鼻前庭炎
鼻前庭とは、鼻の入り口のごく近くの部分のことを言います。
ここに刺激を受け、多くの場合はブドウ球菌などの細菌感染により炎症を起こすことで鼻前庭炎となります。
鼻の中を過度に触ることで鼻前庭炎となりやすく、鼻毛を切らずに抜くと毛穴から雑菌が入り込み炎症を起こします。
鼻の中にニキビのような痛みを伴う炎症を起こすこともありますし、酷い時には出血し、後にかさぶたができます。
萎縮性鼻炎
慢性鼻炎の一つである萎縮性鼻炎は、鼻の粘膜が萎縮し薄くなることで鼻の中が広がってしまい、鼻の中が乾燥することで起こる鼻炎です。
高齢者に多く、悪臭やかさぶたの少ない単純性萎縮性鼻炎と、大量のかさぶたが出来悪臭を伴う悪臭性萎縮性鼻炎の二つがあります。
悪臭性萎縮性鼻炎の場合、とても強い嫌な臭いが特徴で、その他には大量のかさぶたで鼻詰まりを起こし匂いに鈍くなるといった症状も見られます。
萎縮性鼻炎は、甲状腺やホルモンの異常、副鼻腔炎の手術後、鉄欠乏性貧血や自律神経の障害によって起こりやすいとされいますが、今現在はっきりとした原因は解っていません。
鼻への過剰な刺激
当たり前のことですが、鼻の中を刺激しすぎることでもかさぶたができます。
鼻の中にゴミがたまっている感じがして不快な時など、指やティッシュで鼻の粘膜を刺激しすぎることで傷つき、出血した後にかさぶたが出来てしまうのです。
鼻の中のゴミは無理に取ろうとせず、鼻の中を直接触りすぎないようにしましょう。
点鼻薬の過剰な使用
アレルギー性鼻炎の方が気を付けたいのが、点鼻薬の過剰な使用によるかさぶたです。
鼻水を抑えてくれる点鼻薬は、その性質上から過剰に使用することで鼻の中の潤いを奪い、乾燥状態にさせてしまうことがあります。
かさぶたが気になる方で、点鼻薬を使用している場合には用法用量をきちんと守って正しく使用するようにしましょう。
ヘルペス
唇周辺にできることが多いヘルペスですが、実は鼻の中にもできてしまうことがあります。
鼻の中にヘルペスのようなできものができると、その違和感から触って確認してみたくなりますが、その刺激によってヘルペスから出血し、かさぶたとなります。
ヘルペスに刺激を与えると痛みを伴いますので、鼻の中に何かできものが出来た時はなるべく触らず放っておきましょう。
鼻のかさぶたの対処法
鼻の中にかさぶたが出来た時、軽いものであれば自宅で対処することも可能です。
しかし、症状によっては病院での診療が必要となるものもあります。
自宅でできる簡単な対処法と、病院で行われる治療内容についてご紹介します。
自宅での対処法
自分で行える対処法は、主に軟膏などを鼻の中に塗るという方法になります。
ドルマイシン軟膏
ドルマイシン軟膏は、毛嚢炎などの化膿を伴う皮膚炎に有効な軟膏です。
薬局などで簡単に買うことができます。一日数回、鼻の中に適量を塗り込んでください。
ワセリン
ワセリンは、皮膚のただれの際の保護に有効です。
乾燥肌の手指に使用する印象が強いですが、鼻の中の保湿・保護にも役立ちます。
馬油
馬油はその名の通り馬の油からできたクリームです。
天然の馬セラミドが主な成分ですので、鼻や口の中にも安心して使用できます。
あらゆる肌のトラブルに有効と言われており、鼻の中の皮膚トラブルにも効果が期待できます。
オロナイン軟膏
傷口に使える軟膏の代表格と言えば、オロナイン軟膏です。
ステロイドは入っておらず、子供でも安心して使用できます。
但し、皮膚に湿疹やアレルギーがある方は使用に注意が必要です。
微粒化ミスト吸入法
専用の機器を用いて、生理食塩水をミスト化したものを鼻と口から吸入するのが、微粒化ミスト吸入法です。
咳の酷い風邪などの時に主に使用されますが、鼻の中のトラブルにも有効です。
微粒化された水分が、鼻や口の粘膜の隅々まで届き細部まで潤してくれます。
専用の機器が必要となりますが、小さいお子様がいるご家庭では重宝する機器です。
病院での診療
鼻の中と言えば耳鼻科のイメージが強いですが、皮膚科でも鼻の中のかさぶたについて効果的な治療を行ってくれるようです。
耳鼻科
耳鼻科では、主に軟膏と飲み薬での治療が行われます。
鼻の中の状態によっては、強い作用のあるステロイド入りの軟膏が処方されることもあります。
飲み薬では、抗生物質などで化膿を予防したり、毛細血管の出血を抑える作用のあるビタミン剤などが処方されることもあります。
皮膚科
鼻の中のかさぶたは、皮膚科でも治療してもらます。
特に、皮膚を傷つけて細菌が侵入することによって起こる「とびひ」には、皮膚科での治療の方が向いているでしょう。
主に抗生物質を10日間ほど服用する薬物治療になりますが、皮膚の状態を見て亜鉛華軟膏などの適切な塗り薬が処方されます。
鼻のかさぶたの予防法
最後に、鼻のかさぶたの予防に効果的な方法をご紹介します。
加湿器の使用
特に乾燥が気になる季節には、加湿器を使用し、お部屋の湿度を一定に保ちましょう。
睡眠時にも必要です。
マスクの着用
平素からマスクを着用し、睡眠時の乾燥が気になる方は寝ている間にもマスクを着用しましょう。
濡れマスクだとより効果的です。
水分をしっかり摂る
体の内側から水分を補給することも大切です。
粘膜を潤すためには、体内の水分量も必要になります。
意外と普段の生活の中で摂取する水分は、全体的に不足しがちであると言われています。
意識的に水分を摂取しましょう。
お風呂
シャワーだけではなく、ゆっくりと湯船につかるお風呂は、鼻やのどなどの粘膜を潤すのにとっても効果的です。
湯船から出る蒸気を鼻から吸い込むことで、しっかりと鼻の粘膜を潤してくれます。
ドライノーズスプレー
ドライノーズか気になる方は、市販のドライノーズスプレーもうまく活用しましょう。
鼻洗浄ができない新幹線や飛行機での移動中や、ホテルでの宿泊時には心強い味方です。
鼻うがい
古典的な方法ですが、鼻の中の違和感によって辛い時には鼻うがいが最も有効でしょう。
但し、鼻うがいをし過ぎると逆効果になってしまうこともありますので、どうしても気になるときにだけ行った方が良いでしょう。
まとめ
鼻の中のかさぶたは、軽度なものであれば多くの方が日常的に経験していることだと思います。
但し、毎日鼻の中が気になってしまったり、かさぶたがどんどんできて臭う、そんな場合には病院で治療を受けるようにしましょう。