お中元の「のし紙」の正しい書き方、きちんと覚えている人は少ないんじゃないでしょうか?
今回は、のし紙の書き方を徹底解説するとともに、名入れの見本まで紹介していきます。
完璧に覚えるのが面倒な方は、この記事をお気に入りに保存していただいて、毎年これを見ながら書いて下さいね^^
のし紙の名称
掛け紙
贈答品を巻くようにして包む紙のことを掛け紙と言います。
現在では、熨斗(のし)や水引(みずひき)が印刷されている掛け紙が多く見られます。
熨斗(のし)
熨斗鮑(のしあわび)のことです。
具体的には、アワビの肉を刃物で薄くそいで干し、青竹の筒などで伸ばしたものを指します。
熨斗(のし)は「伸し」につながるので、縁起の良いものとされていて、紅白の紙で包んで水引で結び、おめでたい時の贈答品につけるようになりました。
日本では、仏事の際には生臭物を贈り物にしないという慣習があり、これに対して慶事の贈り物には、凶事ではないことを強調するために、あえて生臭物を添えていました。
生臭物の中でも、熨斗鮑を一片添えることが最も一般的であり、これが「のし」という名前の由来になっています。
従って、熨斗鮑を紙に包むところから発展して、近年は、紅白の紙に雛包みにして、熨斗鮑の上の端をのぞかせる形となり、ついには、「のし」の文字だけを書くことも行われるようになりました。
現在では、熨斗と水引が印刷された包み紙や熨斗袋もあり、本来の意味が忘れられて形骸化しています。
ちなみに、魚・鰹節・鳥などを送る際には、熨斗を用いないのが普通です。
水引
贈答品を結ぶ飾り紐のことを水引と言います。
良質の和紙を紙縒(こより)にして水糊に浸し、手巾で引き絞って日に干して固めたもので、用途に合わせて、数条合わせて中央から染め分けました。
一般的に、吉事の時は関東では紅白または金銀の染め分け、関西では紅白または金紅のものを用い、凶事の時は関東・関西ともに黒白・藍白・全白のものを用います。
いずれの場合も、色の濃い方を右にします。
近年は自分で水引を結ぶことはかなり稀になっており、商品化されて熨斗と水引が印刷されたものが多くなっています。
表書き
贈答品の表面に書かれた、贈答の目的や送り主のことを表書きと言います。
名入れ
贈答品に、会社名や個人名を入れることを名入れと言います。
表書きや名入れの書き方
個人名のケース
水引を境にして、中央に名目、中央下に自分の名前を書きます。
名前を書く代わりに名刺を貼る場合には、下の中央か少し左に寄せて貼ります。
先方の名前を書く時は、左肩に書くようにします。
連名のケース
2人以上の名前を連名で書く場合、普通は右側に目上の人が来るようにします。
一般的には、連名は3名までとなります。
代表者のみのケース
代表者の名前を書く時は中央に書き、左下にやや小さく「他一同」と書きます。
会社名を入れるケース
代表者の名前を中央に書き、名前の右側に少し小さめの文字で会社名を書きます。
短冊のしとは?
通常の熨斗を短冊状にした略式のものを短冊のしと呼びます。
短冊のしを貼り付ける場合は、贈答品の右肩に貼りましょう。
「内のし」「外のし」の違いとは?
「内のし」は、贈答品に直接のしをかけたものを包装紙で包むことを言い、「外のし」は包装紙の上にのしをかけることを指します。
どちらにすべきか特に決められていませんが、宅配便で贈る場合には、配送中にのし紙が破損したり汚れたりしないように、「内のし」にした方がよいかもしれません。
「内のし」は包装紙で表書きが隠れてしまうので、控え目に送りたい場合に適しています。
引越しやお年賀などの場合は、一目で贈り主が分かる「外のし」の方が一般的です。
のしを書くときの筆は何を使う?
黒墨の毛筆で書くことが正式ですが、筆ペンを用いても構いません。
楷書で丁寧に書くことが大切です。
サインペンではなく筆ペンを使いましょう。
ボールペンは使わないでください。
喪中時はどのようなのし紙を使う?
喪中に贈る際は、紅白の水引は掛けず、白地の短冊に「御中元」と記します。
まとめ
熨斗や水引の由来や意味を知れば、たとえ印刷された熨斗紙であっても、絵やデザインの一つ一つに意味が込められていることが分かります。
正しく熨斗紙を完成させて、素敵な贈り物にしましょう。