お盆飾りの意味や飾り方を、正しく理解されている方はとても少ないのではないでしょうか。
神仏に関する形式やルールは、「知りませんでした」では済まないことも多いです。
今回は、お盆飾りの意味や、飾り方についてのルールをご説明いたします。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
お盆飾りのそれぞれの意味とは?
お盆には、お位牌の周りに果物やお菓子だけでなく様々な飾りを用意します。
もちろん、それぞれにちゃんとした意味がこめられています。
それぞれのお飾りの意味について、一つ一つ説明していきましょう。
盆提灯の意味
お盆には、ご先祖さまがあの世から帰ってくると言われていますね。
その際に、自分の家を間違わずに帰って来られるよう、目印として提灯を燈します。
盆提灯を飾る場合、初盆だけは「白提灯」にするそうです。
盆花の意味
盆花はその名の通り、盆棚に備えるお花のこと。
- ききょう
- おみなえし
- みそはぎ
- はぎ
- ゆり
- なでしこ
などが使用されます。
昔は、山に入って秋草の花を摘んで来たそうです。
でも、お盆は8月なので秋の花は手に入りにくいかもしれません。
そのような場合は、亡くなった方が好きだったお花などを飾るとよいでしょう。
ほおずきの意味
ほおずきの赤い実は「赤い灯火」です。
亡くなった方の霊が帰ってくる時、足元を照らす灯や目印となる火として飾られます。
形が似ていることから、「提灯に見立てている」とも言われますね。
なすの牛・きゅうりの馬の意味
なすやきゅうりに、割りばしなどを刺して作る馬と牛ですが、これらは亡くなった方の霊のための乗り物です。
きゅうりの馬は「馬の背に乗って早く帰ってきてください」
なすの牛は「牛の背に乗り、景色を見ながらゆっくりとお帰りください」
という意味をもっています。
これらのお飾りは「精霊馬(しょうりょうま)」と呼ばれるそうです。
そうめん・うどんの意味
そうめんやうどんを飾る意味は諸説があるようです。
- ご先祖様が帰る時のお土産を背負う紐
- 荷綱や手綱になる
- 喜びを細く長くという縁起をかついだもの
- 七夕にお願い事で使われていたそうめんが、お盆のお供え物として引き継がれた
などの説があります。
また、地域によって「そうめん」か「うどん」で異なるようです。
さやつき豆の意味
お盆飾りに使われる「さやつきの豆」とは、枝豆などではなく十六ササゲを指しています。
これには2つの説があります。
1つは、お土産を結わえる紐がそうめんだとすれば、それを背負うための網が十六ササゲというように、「丈夫な網
にたとえられているという説。
もう1つは、キササゲの木の代用という説です。
キササゲの木は非常に高く育つので、天国から帰ってくる霊の依り代となったと言われているのですが、このキササゲの実が十六ササゲにソックリなんですね。
あかみず・みそはぎの花の意味
閼伽水(あかみず)とは、器に入れたきれいな水のこと。
仏教では、供養のために供える水を「閼伽」と呼び、穢れをはらうとされています。
閼伽水(あかみず)のそばには、悪霊をはらうという意味がある禊萩(みそはぎ)の花を添えます。
水の子の意味
水の子は、はすの葉の上に「なす」や「きゅうり」をさいの目に切り、お米を洗ったものに混ぜて盛りつけたものです。
水の子には、お盆に帰ってくる霊全てに食べてもらえるようにという思いがこめられていて、お布施の心を持ったお飾りとも言えます。
お盆飾りの飾り方解説
盆棚に位牌を安置し、亡くなった方の好物やお供え物を飾るのがお盆飾り。
飾り方は、宗派や地域によって異なります。
お盆飾り自体をしないという宗派や地域もあります。
以下では、一般的なお盆飾りの方法についてご説明します。
fa-angle-double-right机の四隅に葉のついた青竹を立てて、上部にしめ縄をはります。
fa-angle-double-rightお位牌を仏壇から出して、机の中央に安置し、故人の好物や季節の果物、お菓子、盆花、精霊馬、水の子、閼伽水・禊萩などをお供えします。
fa-angle-double-rightそうめんやほおずき、さやつきの豆は、しめ縄にかけます。
fa-angle-double-right最後に、盆棚の脇に盆提灯を燈します。
大体はこのような感じですが、細かい部分は各地域の宗派や風習によって異なるので、確認してみてくださいね。
お盆飾りはいつからいつまで?
お盆は大体8月13日~16日ですが、地域によっては15日までというところもあるようですね。
地域や宗派に関わらず、13日を「迎え盆」、16日を「送り盆」といいます。
盆棚はお盆の期間に飾るので、「迎え盆」の前日の12日にはお供物やお花、ろうそく、お線香など必要な物を揃え、遅くとも13日の朝には飾り付けましょう。
16日が「送り盆」なので、盆棚は翌日の17日に片付けるようにしましょう。
お盆に供えた物や初盆に使用した白提灯の処分に困る人もいるかもしれません。
ご先祖さまにお供えしたものを、普通のゴミと一緒にするのもなんだか気が引けますよね。
昔は川に流したりお焚き上げをしたりしていましたが、現在は環境上そのような処分の仕方はできません。
そんな時は、半紙にくるんでお塩をまいてから、ほかのゴミとは別の袋にまとめて、可燃ごみとして出すとよいでしょう。
初盆に使った白提灯以外の提灯は、翌年のお盆にまた使いますので、ほこりをはらってきれいにしてから保管しましょう。
何かわからないことや困ったことがあれば、仏具店やお寺に相談するとよいでしょう。
仏具店の方は、職業柄いろんな宗派や地域それぞれの風習についても知っていますので、心強い味方になってくれます。
用意するものについても、どんどん相談してみて下さい。
まとめ
一言に仏教と言っても、宗派や地域による違いは本当に大きいです。
お盆飾りだけではなく、お参りの仕方一つとっても、全く違いますよね。
私の夫の実家では、お線香を三等分して火をつけたら寝かせるのですが、「お線香を立てない」宗派があるなんてビックリでした!
間違える人も多いようで、結婚してすぐに教えてもらいました。
これだけ違うと、間違えて恥ずかしい思いをするよりも、はじめからどんどん聞いてしまった方がいいと思います!
仏具店やお寺さん、親戚など、聞ける人にどんどん聞いて覚えていきましょう。