節分に鬼が登場する由来と意味とは?鬼の苦手なものとは?

節分といえば何と言っても「鬼」の存在は外せないでしょう。

そこで今回は「鬼」にフォーカスを当ててみましょう。
節分に鬼が登場するようになった由来や意味とは。
そして鬼が苦手なものも紹介して、鬼の全貌を丸裸にしてみたいと思います^^

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なんで節分には鬼が登場するの?

節分はもともと季節を分ける行事でした。
古くは春夏秋冬のそれぞれで行われていましたが、厳しい冬から心躍る春への季節の変化が最も喜ばれたのでしょう。
次第に他の季節の節分は姿を消し、立春の前日を祝う今の節分だけが残りました。

さて、季節の変わり目と言えば皆さんどのようなことを思い浮かべますか?
私はまっさきに「風邪」が思い浮かびました。
「季節の変わり目は風邪をひきやすい」なんて言いますよね。
誰もが耳にし、そして実感したことがあるのではないでしょうか。

医学の発展した現代の私たちは、風邪と聞いてもあまり重大な病気だとは思いません。
しかし、科学や医学の知識がなかった昔の人々は違いました。
冬から春への変わり目は風邪などの病気が流行るだけでなく、突然ドカ雪が降ったり、雪解けによる鉄砲水に襲われることもあります。

こうした病気や災害、飢饉などは、全て人知を超えた存在「邪気」によるものだと思われていたのです。
そしてこの邪気を具現化した姿として、しきりに鬼の逸話や絵が生まれ、季節の変わり目である節分に払うべき存在として登場するようになりました。

いったい鬼はどこからやって来るの?

鬼門という言葉を聞いたことがあると思います。

鬼門は、まさしく鬼の出入りするところ。
鬼の出入りする方角のことです。

中国から伝わった陰陽道では、方角に十二支を当てはめ占いなどに活用していました。
鬼門は陰陽道でいうところの、丑寅の方角のこと。
鬼が牛のような角を生やし、虎のような牙をもって、虎柄の腰布を付けているのは「丑寅の方角から来る」ことを表しているのです。

ちなみにこの鬼門、現代の方位でいうと北東を指します。
北と西は陰、東と南は陽とする陰陽道では、その境目である北東は不安定な方角とされているのです。

豆まきで徹底的に鬼をやっつけるのであれば、入って来る北東から追い立てるように、北東→南東→南西→北西へと豆を撒きましょう。

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鬼の苦手な物はコレ!

それでは、鬼の嫌いなものは何でしょうか?
2つの代表的な鬼の苦手をご紹介します。

大豆

古代、穀物には生命力 と魔除けの呪力を持つ穀霊が宿ると考えられていました。
また豆は「魔目」に通じ、炒るが「射る」に通じることから「魔の目を射る」として節分の鬼を払うのに、炒り豆が用いられるようになりました。

豆は「魔滅」とも読み取れ「魔目を射って、魔(を)滅する」意味も備えていたようです。
豆を炒る音や、豆が落ちる音を鬼が嫌うという説も。

面白いのは、豆が他の米や粟などの穀類に比べ、大きさや撒いた時の音がほどよく、収穫も安定していたから節分に使われたという説。
なんだか神事の割に現実的で興味深いですね。

イワシ

柊鰯といって、柊の枝に焼いた塩鰯の頭を刺して玄関先に飾るのが一般的ですが、地域によって様式に違いがあります。

鰯を焼く臭気と煙で鬼を寄せ付けないという説と、鰯の匂いで鬼をおびき寄せるという両方の説がありますが、柊の葉が鬼の目を突くというのは共通。
鬼の弱点は目のようです。

古くは平安時代に書かれた土佐日記にこの柊鰯が登場します。
当時は、しめ縄に柊の枝とボラの頭を刺したものが用いられていました。

西日本には節分に鰯を食べる習慣もあり、栄養のある青魚を摂ることで季節の変わり目の不安定な気候を乗り越える意味もあったようです。

節分の鬼はもともと「隠(オヌ)」だった

現在、鬼と言えば角に細かく縮れた毛髪、虎柄の腰布に大きな金棒という恐ろしげな姿が一般的です。

しかし、昔の鬼は姿が見えないものでした。
「隠」には目に見えないという意味の他に、この世ならざるものという意味もあり、日本書紀では怨霊や邪悪な神と混同されていたような記述もみられます。

こうして目に見えない、人知を超えた存在として恐れられていた「隠」は、仏教が伝来し一般に浸透するにつれ、閻魔や地獄で人々に罰を与える獄卒のイメージや、中国の死者の魂を表す「鬼(き)」と融合し、現在の鬼の姿になっていきました。

五色の鬼の意味とは

色による鬼の意味の違いは、仏教の五蓋(ごがい)に由来します。

五蓋とは、仏教の修行である瞑想を邪魔する5つの煩悩のこと。
5色の鬼に五蓋を当てはめた上でこれを退治し、煩悩を払う意味があります

赤鬼

貪欲(とんよく)

強い欲望を意味し、全ての悪の象徴とされています。
一般的な赤鬼ですが、全ての悪の象徴ということで、払っておけば間違いありません。

青鬼

瞋恚(しんに)

悪意や憎しみ、怒りを象徴します。
許す心を持ちたい人は青鬼を退治しましょう。

黄鬼

掉挙(じょうこ)・悪作(おさ)

心の動揺や後悔の象徴。
心の安定を得たい人は黄鬼を払います。
あまり見かけない色ですから、黄鬼の面を自作してみるのもいいかもしれません。
地域によっては白鬼とされていることもあります。

緑鬼

惛沈(こんちん)・睡眠

怠惰や眠気、不健康を表します。
はつらつとした日々を求めている方は緑鬼を退治しましょう。

黒鬼

疑(ぎ)

疑心暗鬼、疑う心の象徴です。
疑う心を払い、平安な生活を送りたいなら黒鬼を標的にするといいでしょう。

まとめ

鬼の語源や、五色の鬼にそれぞれ違う意味合いがあることが分かりました

豆まき以外にも、柊鰯などを駆使して、払いたい煩悩を無事退治できるといいですね

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