いつも鼻の奥にある不快感に悩んでいませんか?
鼻の奥が痛くなるのは季節的なものも関係していますが、慢性的な病気である可能性もあります。
今回は、鼻の奥が痛い8つの原因と5つの対処法について解説していきます。
鼻の奥が痛くなる原因
では早速、鼻の奥が痛くなる8つの原因とその症状について詳しく見ていきましょう。
風邪の前兆
風邪のひきはじめに、のどの痛みだけではなく鼻の奥に痛みを感じる方も多いようです。
この痛みは、鼻の粘膜が風邪によって炎症を起こし、鼻の奥が腫れるために起こります。
体の抵抗力が弱っている間に、鼻水によって体からウイルスを排出させようとする働きが強くなると、ウイルスによって鼻の粘膜が傷つけられてしまったり、たまりすぎた鼻水が詰まって痛みを感じてしまうようです。
気温差
屋内から寒い外へ出た時に、時々鼻の奥がツーンと痛むこともあります。
これは鼻から吸い込んだ空気が冷たいことで、冷たさを痛みと勘違いするために起こります。
氷などを触ると痛みを感じるのと同様のメカニズムで、冷たさと痛みを感じる感覚が同一なことが原因です。
痛みは一時的なもので、放っておくとすぐに治まるでしょう。この場合には病気などの心配はありません。
間違った鼻のかみ方をしている
風邪や花粉症、鼻炎による鼻水に悩まされている間は頻繁に鼻をかみますよね。
しかし、鼻のかみかたが間違っていることで鼻の粘膜に負担がかかり、鼻をかむ回数が増すごとに痛みを感じやすくなってしまうこともあります。
一番鼻の粘膜に負担をかける鼻のかみかたは、両方の鼻の穴から同時に、力任せに鼻水を出そうとするやり方です。
鼻をかむときには、なるべく力を入れずに片方ずつ鼻水を出しましょう。
乾燥
常に鼻の奥がかゆく、痛みも感じるという方は、鼻が乾燥することによってドライノーズになっている可能性もあります。
ドライノーズになると、風邪や花粉症の季節でもないのに鼻の奥がムズムズと不快な状態が続きます。
また、鼻のムズムズが気になって触ってしまったり、鼻をかみすぎることで粘膜が傷つき痛みが出やすくなるようです。
ドライノーズのままでいると、鼻の粘膜が常に傷つきやすい状態となる為、細菌やウイルスの体内への侵入を容易にしてしまうという問題点もあります。
花粉症
花粉症の場合は、自覚症状が多いため気づきやすいかもしれませんね。
季節的に鼻炎になる、大量の鼻水とともに涙や目の充血、目のかゆみがあるといった時には花粉症である可能性が高いでしょう。
花粉症を引き起こす花粉は様々ですので、スギ花粉の季節だけではなく一年間の間で長い期間花粉症に悩まされてしまう人もいます。
花粉症で鼻が痛くなるのは、アレルギー反応により大量の鼻水が出ることで、急性副鼻腔炎となってしまうためです。
副鼻腔炎の詳しい内容については、副鼻腔炎の項目で説明いたします。
上咽頭炎
咽頭の中で一番鼻に近い上咽頭が、ウイルスなどの侵入によって炎症を起こしている状態を上咽頭炎と言います。
鼻に近い上咽頭が炎症を起こすと、鼻の奥の痛みだけではなく一般的な風邪の症状や発熱も見られるでしょう。
また、分泌しすぎた鼻水が喉へと流れていく後鼻漏も併発することが多く、発症すると完治までには時間がかかることもあります。
副鼻腔炎
花粉症の項でも出てきた副鼻腔炎、これは鼻の奥にある副鼻腔という広い空洞部分で炎症が起きている状態のことを言います。
風邪などをきっかけに発症しやすい急性副鼻腔炎は、鼻の痛みだけではなく発熱や頭痛といった症状も見られます。
風邪の他の症状は治まったのに鼻水だけ治らないという時には、急性副鼻腔炎となっている可能性があります。
この急性副鼻腔炎は、通常であれば治療を始めて2週間ほどで完治します。
しかし稀に慢性化してしまうこともあり、慢性副鼻腔炎になると鼻水ではなく次第に膿が鼻の奥に溜まり、痛みとともに嫌な臭いを感じるようになります。
3か月以上副鼻腔炎の症状が治まらない場合には、耳鼻科で治療を受けるようにしましょう。
悪性腫瘍
最後に、最も恐ろしい悪性腫瘍の可能性についてお話します。
鼻の奥に痛みを感じるがんは、副鼻腔や上咽頭、上顎洞に悪性腫瘍ができた場合が多いようです。
がんの場合には初期ではあまり症状がなく、腫瘍によって目や鼻の周りが圧迫されることにより涙が出やすくなったり、鼻詰まり程度の自覚症状しかありません。
がんが進行し腫瘍が大きくなると、歯や口の中に痛みが広がり、目が飛び出たようになってしまうこともあります。
鼻の奥が痛いときの対処法
鼻の奥が痛くなる原因は軽いものから重い病気まで様々でしたね。
ここからは、がんなどの病気ではなく、乾燥や風邪からくる鼻の痛みに有効な対処法についてご紹介します。
保湿
特にドライノーズからくる鼻の不快感に悩む方は、保湿が最も効果的です。
マスクをする
乾燥した空気に粘膜をさらさないために、マスクで乾燥を防ぎます。
さらに使用するマスクを濡れマスクにすることで効果が上がります。
ワセリンをぬる
意外ですが、鼻野中に直接ワセリンを塗って保湿するのも効果的です。
朝仕事に行く時や、入浴前にワセリンを塗ってしっかり乾燥を防ぎ保湿しましょう。
保温
寒暖差による鼻の痛みや、風邪の予防に役立つのが保温です。
保温の際にも、マスクは有効です。
外出する前にはマスクをして、鼻の粘膜を外気にさらさないようにしましょう。
また、蒸しタオルを鼻に当てるというのおおすすめです。
風邪や乾燥が気になる季節には、入浴の際や朝の洗顔の際に蒸しタオルを試してみてください。
鼻うがい
うがいは喉だけではなく、鼻も行うことができます。
あまり一般的ではないですし、慣れるまでは難しいのですが、ウイルスの除去にとても効果的です。
風邪の予防だけではなく、風邪のひき初めにも鼻うがいをするととてもすっきりしますよ。鼻炎の方にもおすすめです。
正しい鼻のかみ方をする
正しい鼻のかみ方で、鼻の粘膜への負担を減らしてあげましょう。
ポイントは次の四つです。
- リラックスした状態で、力を入れすぎないように
- 必ず片方ずつかむ
- 焦らずゆっくり、小刻みに
- 口から息を吸う
耳鼻科に行く
最後に、一番大切な耳鼻科に行くタイミングについてですが、特に注意したいのは副鼻腔炎と悪性腫瘍です。
次のような症状があれば、迷わず耳鼻科を受診してください。
- 高熱
- 頭痛
- 倦怠感
- 顔の腫れがある
- ドロッとした鼻水が出る
- 鼻の奥から嫌な臭いがする
など。
中でも副鼻腔炎は慢性化すると、完治が難しく長い期間治療を行わなければいけなくなります。
症状を放置し悪化することで、最悪内視鏡による手術を行わなくてはいけないことも。
鼻に感じる痛みなどの症状が長引いている時は、しっかり専門医による検査を受け、異常があれば進んで治療を受けましょう。
まとめ
近年ではドライノーズによる不快感を訴える人や、アレルギーによる鼻炎に悩んでいる人が多くなり、薬局でも鼻炎に関する市販薬をよく見かけます。
しかし、いつも市販薬に頼っていると重大な病気を見逃してしまうこともあります。
鼻の不快な症状が長引いている方は、一度専門医に診てもらうようにしてくださいね。