お宅ではお正月に鏡餅を飾っていますか?
鏡餅を飾っているなら、必ずセットになるのが鏡開きですね!
ただ、ちゃんとした作法をご存知の方は多くないのが現状です。
今回は、鏡開きの正しい方法と、その周辺知識まで解説いたします。
是非参考にしてみて下さい!
鏡開きの由来とは?
お正月が明けてから、鏡餅をみんなで分けて食べる鏡開き。
そんな鏡開きの由来とは、一体何なんでしょうか?
鏡餅の起源
鏡餅は、平安時代にはすでにあったんですよ。
文献としては「源氏物語」にも登場しているのですが、実際に正月に供えられるようになったのは室町時代より後のことです。
鏡餅という名前の由来は、この餅の形状が日本神話に出てくる「八咫(やた)の鏡」という神器を形どったものだからなんです。
そんな神聖な鏡をかたどったこの餅は、神様へ捧げる供物として大事な役割を果たしていました。
もともとは武家の行事
鏡開きとは、もともとは武家の伝統行事でした。
新年に具足(=鎧や兜のこと)にお供えしていた「具足餅」を、1月20日に雑煮などにしていただいていたものが、鏡開きの由来です。
お供え物を分け与えて食べることには、意味があります。
これは、「神様の力を戴く」という行為なんですよ。
「割る」ではなく、「開く」と呼ぶ理由
ところで、「鏡開き」ってなんだかおかしな言葉と思いませんか?
これはお餅を割って食べる行事ですが、「割る」とはバラバラになるという意味合いがあり、慶事にはふさわしくない言葉です。
ですので、「運が開ける」という言葉になぞらえ、「鏡開き」と呼ぶようになりました。
鏡開きを行う日にちはいつ?
鏡開きは、関東と関西では日にちが違います。
・関西をはじめとした松の内が1月15日の地域は、同日1月15日
…に、鏡開きをします。
ちなみに、昔は1月20日に鏡開きをしていました。
しかし徳川家3代目・家光がなくなったのが4月20日で、将軍の月命日に慶事である鏡開きをすることは良くないとのことから、日程が変わったんです。
鏡開きのやり方
さてそれでは、具体的に鏡開きのやり方を見てみましょう!
手順1
まずは、鏡餅を下げます。
神様に感謝の祈りを捧げながら、ありがたく戴きましょう。
手順2
パックされていない鏡餅の場合、表面にホコリなどが付いているので、固く絞った清潔な濡れ雑巾でしっかりと拭き取りましょう。
手順3
正式な方法では、そのあと木槌などを上から振り下ろして鏡餅を割っていきます。
ただし、鏡餅はなかなか固く、思うように割るのは難しいです。
ですので、ご家庭で安全に鏡開きするときは、以下の方法をオススメします!
②そのあとクッキングシートで鏡餅を包み、さらにラップで覆い、電子レンジで軽く温めます。
③鏡餅の大きさによって温める時間は変わってきますので、様子を見ながら調節してください。
④柔らかくなったら、火傷に気をつけて手でちぎり分けましょう。
樽酒による鏡開き
鏡開きといったら、餅だけでなく酒樽のものもありますよね。
こちらはお正月だけでなく、お祝いごとの場で振舞われることが多いです。
こちらの鏡開きは、武士が出陣の際に気持ちを鼓舞させるために、酒樽を割って酒を飲み交わすした行事が由来となっているんですよ。
手順1
まずは、樽酒を縛っている縄を、カッターで切っていきます。
ふたの上部にかかっている部分を切っていきましょう。
手順2
切った縄と樽側面のふちからはみ出ている布を、邪魔にならないように側面の布の内側に折り込んでいきます。
手順3
蓋を開けます。
蓋の両ふちの木目に沿ったところにバールを入れ、トンカチで叩いて少しずつ開けていきます。
手順4
蓋を外したら、一度また被せておきましょう。
これで、鏡開きの準備は完了です。
手順5
いよいよ鏡開きです。
掛け声とともに、載せた蓋を勢いよく割りましょう。
あとは杓ですくって、お酒をふるまいます。
鏡開きでやってはいけないこととは?
鏡開きでやってはいけないことは、包丁で鏡餅を切り分けることです。
ご家庭で鏡開きをする際、包丁を使う方も多いでしょう。
しかし、本来の鏡開きは刃物を使わず、木槌などで餅を割るものです。
これには理由があります。
餅を刃物できることは、武士の「切腹」を連想させて縁起が悪いと考えられていました。
また、鏡餅は神様の力が移った特別なものですから、それに刃物を入れることはとても悪いことです。
ですので、できれば刃物を使わない方法で鏡開きを行いたいですね!
まとめ
鏡開きをする時期は、松の内の日程の違いにより地域で異なります。
お住まいの地域の松の内はいつなのか、一度調べてみてくださいね。