「ひとつ上の治療家を目指すサイト 腱鞘炎のリハビリ治療」
「古東整形外科 橈骨神経麻痺」
「日本整形外科学会 肘部管症候群」
「日本整形外科学会 頚椎症性神経根症」
「脳神経外科山本クリニック」
「関西医科大学総合医療センター ギラン・バレー症候群」
「神経内科・内科氷室クリニック 運動ニューロン病」
「東北大学プレスリリース」
急に手に力が入らなくなることはありませんか?
また、力が入らなくなっただけでなく、しびれたりすることはありませんか?
実はそれには重大な病気の可能性が隠れているかもしれません。
ここでは、手に力が入らなかったり、手が痺れる原因またそんなとき病院は何科に行けばいいかなどご紹介していきたいと思います。
手に力が入らなくなる8つの原因
手を使いすぎると力が入らなくなることがありますが、もしかすると病気の可能性で力が入らなくなることもあります。
手に力が入らなくなるのには色々な原因があります。ここでは、どんな原因で手の力が入らなくなるのか見ていきましょう。
腱鞘炎
手を使いすぎると次第にだるくなっていきます。
腕がだるい、指が開きにくい、握力が少し弱くなってきた、などと感じたら腱鞘炎の始まりです。
その後も無理して使い続けると、重度の腱鞘炎となり、強い痛みが出てきてますます手に力が入らなくなります。
ちなみに腱鞘というのは、腱の入っている鞘(さや)。
腱鞘炎による痛みは腱が腱鞘に引っかかり摩擦が起こることで生じます。
炎症がひどくなると手首を切開して、中の腱鞘も切開する手術をするケースもあります。
参考文献「ひとつ上の治療家を目指すサイト 腱鞘炎のリハビリ治療」橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)
腕の付け根から肘、手首、甲、人差し指、親指とつながっている長い橈骨神経がどこかで圧迫されることで起こります。
そして、指や手首が伸ばしにくくなると同時に手に力が入らなくなります。
橈骨神経や麻痺する理由は二の腕の圧迫によるものが多く、長い間腕枕をしているとなりやすい症状です。
参考文献「古東整形外科 橈骨神経麻痺」尺骨神経麻痺
尺骨神経は腕の付け根から肘、手首、甲と走り、薬指と小指につながる神経です。
尺骨神経が慢性的に圧迫されたり牽引されたりすることで薬指と小指がしびれたり、握る力が低下したりします。
尺骨神経麻痺が進行すると薬指と小指の変形(かぎ爪)が起きてきます。
参考文献「日本整形外科学会 肘部管症候群」頸椎症(頚椎症性神経根症・頚椎症性脊髄症)
高齢者で多く出てくる病気です。
加齢により頸椎という首回りを形成する骨が変形していくことで、頸椎に近接している神経や頸椎の中を通っている脊髄が圧迫されたり、ぶつかって刺激を受けたりすることで、腕に力が入りにくくなったり、痺れたりします。
顔を上に向けたり、首を後ろにそらせたりすると神経が刺激され痛みがさらに強く出るのが特徴です。
基本的に痛みが強いときに炎症を抑える薬を飲みながら数カ月かけて治療していきます。
あまりに痛みが強いときは骨を削り、圧迫された神経や脊髄を開放するといった手術が行われます。
参考文献「日本整形外科学会 頚椎症性神経根症」うつ病や自律神経失調症
手に力が入らない状態が長く続く場合は、うつ病や自律神経失調症などの精神的な病気が原因になっている場合があります。
この場合症状を放っておくと更に精神状態が悪くなるので、早目に精神科のある病院に行き医師に相談するようにしましょう。
脳梗塞の起こしかけ
左右どちらかの手に力が入らなくなるのと同時に、言葉が出なくなったりする症状があるときは、脳梗塞を起こしかけている可能性があります。
この症状を「一過性脳虚血発作」といい、たいてい10分前後で症状が治まりますが、決してこのまま放置していてはいけません。
この時点で医療機関を受診し、適切な治療を受けることで脳梗塞の発生を防ぐことが可能です。
あるいは脳梗塞を起こしていても、後遺症にかかることなく症状を改善することができるので、とにかく一刻も早く病院に行くようにしましょう。
参考文献「脳神経外科山本クリニック」ギラン・バレー症候群
ギラン・バレー症候群は、ウイルスや細菌に感染することにより神経細胞に支障が出て、手足に力が入らない、ものが飲み込めない、眼や口が閉じられないなどの症状が出てくる病気です。
風邪や下痢の後手に力が入らなくなる場合はギラン・バレー症候群の可能性があります。
この場合長くても半年ぐらいで治りますが、後遺症が残る場合もあるので早めに病院に行くようにしましょう。
参考文献「関西医科大学総合医療センター ギラン・バレー症候群」筋委縮性側索硬化症(ALS)
50~70歳で多く発生し、どちらと言うと男性に多く見られる病気として「筋委縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosi:ALS)」というものがあります。
ALSの症状は「片方の腕に力が入らない」状態から始まり、やがてもう一方の腕、足へと力が入らない状態が広がっていき、やがて動けなくなる病気です。
脳神経の細胞が異常をきたし信号をうまく送れなくなる病気です。
ALSの治療法は残念ながらまだ開発されていませんが、iPS細胞や遺伝子などの応用技術の進展により少しずつ解明されてきています。
参考文献「神経内科・内科氷室クリニック 運動ニューロン病」
「東北大学プレスリリース」
手が痺れる4つの原因
手に力が入らなくなるのと同様に手が痺れるのにも色々な原因があります。
その原因の中には恐ろしい病気が潜んでいる場合もあります。
では、手が痺れる原因をいくつか見ていきましょう。
血行不良
手の平の上に額をつけてしばらく寝ていると、起きたときに手が痺れます。
腕を枕にして寝ているときも、起きたときに手が痺れます。
肩こりや筋肉痛など、筋肉が凝り固まることで血液の流れが悪化することで手が痺れることもあります。
これらは、血行不良により起こる手の痺れです。
この場合筋肉が凝ったところをほぐすことで、症状が改善されることがあります。
脳の病気
脳出血や脳梗塞など脳の病気になると、脳血管がつまったり出血したりします。
そのせいで脳細胞の血流が途絶えてしまい、脳が強いダメージを受けます。
ダメージの受ける場所によって手が痺れることがあります。
この場合、手のしびれのほかに頭痛や吐き気などをともなうので、これらの症状が出た時は一刻も早く病院に行くようにしましょう。
早けれ早いほど脳のダメージが軽度ですみ、後遺症も軽くなります。
参考文献「脳神経外科山本クリニック」脊髄(せきずい)の病気
脊髄は脳から受けた指令を伝える神経の束、脳と併せて中枢神経とも呼ばれる大切な組織です。
脊髄腫瘍や脊髄損傷などで、脊髄が傷害される病気では手が痺れることがあります。
神経の圧迫
頸椎椎間板ヘルニアなど脊髄や近くを通っている神経が圧迫されると、手が痺れることがあります。
また、手根管症候群など末梢神経が圧迫されると手が痺れることがあります。
これらはその部分をよく動かすことでなりやすいですが、加齢によって骨が変形して神経を圧迫してもなることがあります。
手が痺れる原因は神経の圧迫による場合が多く、年齢とともになる可能性が高くなっていきます。
痺れるを放っておくと症状が悪化する可能性があるので早目に病院に行くようにしましょう。
手の脱力や痺れが発生したら何科に行けばいい?
手の脱力や痺れがある場合病院に行きますが、何科に行けばいいのか悩みますよね。
もしかしたら病気の可能性もあるかもしれないと考えると、なおさら難しいかもしれません。
ここでは、手の脱力や痺れを診てくれる診療科をご紹介します。
まずは整形外科の受診を
通常神経が圧迫することで手の脱力や痺れが起きている場合は整形外科に行くのがいいと思います。
整形外科は全身の運動器官を構成する骨・関節・筋肉・靭帯・腱・脊髄・神経の病気、外傷による損傷などの治療を行います。
手の脱力や痺れの他に頭痛、嘔吐などある場合は?
手の脱力、痺れの原因が筋骨格や神経圧迫が原因でない場合もあります。
その場合、手の脱力や痺れ以外にどんな症状が出ているかが判断材料になります。
例えば激しい頭痛や吐き気などある場合は脳の病気の可能性があります。
この場合、整形外科よりも脳外科や脳神経外科の方が適切な治療を速やかに行ってくれます。
脳の病気は骨や神経の病気に比べると、一刻一秒を争うケースが多いので、早く受診すればするほど後遺症のリスクが低くなります。
長期間、手の脱力や体の倦怠感が続く場合は?
手の脱力や体の倦怠感が長期間続いている場合は、うつ病や自律神経失調症などが考えられるので精神内科に行くようにしましょう。
できればいろいろな科がある病院の受診を
手の脱力や痺れが起こった場合、さまざまな病気の可能性があり、しかも脳梗塞という命の危険すらある重篤な病気である可能性もあります。
素人判断は危険です。
もし、症状だけで迷う場合は個人病院などに行かず、市民病院などいろいろな科がある総合病院に行き診てもらいましょう。
いろいろな科がある総合病院に行けば、症状によって手の脱力や痺れの原因が分からない時は、考えられる病気を専門的に見てくれる科を紹介してくれて診てくれます。
まとめ
手に力が入らなかったり、手が痺れたりする場合、手の使いすぎだけが原因ではありません。
もしかすると病気になっているサインかもしれないので、放っておくことはせず病院に行くようにしましょう。
また、何科に行けばいいか迷った時は総合病院に行き、原因が何なのかきちんと調べてもらうようにしましょう。