辛いインフルエンザを素早く治すためには、勿論病院で処方される治療薬は欠かせませんが、正しい自宅での自宅療養方法を知って実践することで完治が早くなる可能性もあります。
今回は、インフルエンザを自力で治すために必要な栄養素や療養方法、すぐに病院へ行くべき注意点などを徹底解説していきます。
インフルエンザを自力で治すのに必要なこと
インフルエンザを自力で治すためには、まず自己治癒力を高めていくことが大切です。
とにかく安静にする
インフルエンザにかかると、高熱と併せて辛い頭痛や関節痛、人によっては歯が痛むこともあります。
体を動かすとあちこちが痛くなりますし、熱も上がりますからまずはとにかく安静にしてください。
静かな部屋で、熱がある場合は頭部を冷やしながら横になり眠りましょう。
体を温めて免疫力アップ
熱が出ている時、頭やわきの下は冷やさなければいけませんが、寒気がある場合には体を温める必要があります。
また、解熱後症状が落ち着いた後でも、体を温めるようにしていると免疫力を上げる効果が期待できます。
お腹や腰などにカイロを貼るのも効果的です。
水分補給
熱がある間はとにかく水分補給を心掛けましょう。
解熱のための発汗で大量の水分が失われる他、下痢症状のあるインフルエンザでは脱水になりがちです。
経口補水液や水分と一緒に塩を摂るなどして、こまめに効率よく水分を補給しましょう。
室内環境を整える
インフルエンザの療養中には、室内の環境を整えることも大切です。
具合の悪い時には難しいですが、体調が落ち着いてきたら以下のことに注意してみてください。
温度の管理
インフルエンザのウイルスは、温度が高いと活動しにくくなります。
室温の温度は21℃~24℃を目安にしてください。
湿度の管理
温度と併せて、湿度にも気を配りましょう。
インフルエンザウイルスは、室温24℃、湿度50%以上に保つと、6時間後は数%のウイルスしか生き残れないことが解っています。
湿度は常に60%を目安にしてください。
空気の浄化
インフルエンザウイルスを保菌している状態では、咳やくしゃみなどでウイルスを室内にばらまいています。
室温や湿度に気を配っても、どんどんウイルスを空気中に飛散させているのではウイルスの数はなかなか減りませんよね。
空気清浄機を使用して、空気をきれいに保つようにしましょう。
積極的に摂取したい栄養素
体内から免疫力を高めるためには、どんな栄養素を摂取するのかということはとても大切なことです。
ウイルスと戦う体力をつけ、体を健康な状態へと導くためには次のような栄養素を積極的に摂取してください。
ブドウ糖
ブドウ糖は、体にとってなくてはならない栄養素です。
インフルエンザによって食欲が落ち、食べ物が思ったように食べられない状況下では、いち早く栄養補給する為にブドウ糖を摂取するようにしましょう。
方法はジュースなどでも構いません。栄養補給のゼリーや、栄養補助食などの手軽で食べやすいものにすると摂取しやすくなります。
鼻や喉の粘膜によいビタミンA
鶏レバーや乳製品、卵に豊富に含まれています。
食欲がない状態の時には辛いですが、症状が落ち着いてきたら積極的にレバーなどを食べましょう。
発熱で失われやすいビタミンB群
ビタミンb群は、豚肉や卵に多く含まれています。
豚しゃぶサラダなど、食欲がない時でも食べやすいメニューがお勧めです。
抗酸化作用を助けるビタミンC
ビタミンCが豊富なのはレモンやミカンが代表的ですが、ジャガイモやサツマイモといった芋類にも豊富です。
ポテトサラダにレモン汁をプラスするなど工夫してみてください。
抵抗力をアップさせるビタミンE
ビタミンEは、ナッツ類に多く含まれています。
その他大豆製品、かぼちゃ、植物油などを多く摂りましょう。
殺菌作用に効果的な硫酸アリル
硫化アリルは、独特な臭いのある野菜に多い栄養素です。
玉ねぎ、にんにく、ニラなど元気になりそうな食材を多く使いましょう。
市販の解熱剤の使用はNG
熱が出たらとにかく解熱剤を、と思いがちですが、病院から処方されたものでない限り使用はNGです。
特にインフルエンザの場合、「サリチル酸系」の解熱剤と相性が悪くインフルエンザ脳症を発症してしまう恐れがあるのです。
インフルエンザでも、市販の風邪薬や解熱剤は一定の効果が見込まれますが、自己判断で薬を服用すると取り返しのつかないことになる場合があることを覚えておきましょう。
インフルエンザ脳症になると、意識障害や異常行動、けいれんなどの症状が出るほか、最悪各種臓器不全を引き起こし、死に至ることもありますし後遺障害が残ってしまうこともあります。
どうしても市販薬を使いたい時には、薬剤師さんや病院に確認を取ってからにしましょう。
自然治癒でかかる期間はどのくらい?
健康的な人がインフルエンザウイルスに感染した場合、発熱してから3日程で自然と熱は下がり、発症から7日も経てば多くの人が症状から回復しているようです。
インフルエンザ用の治療薬として処方されるタミフルやリレンザという薬は近年使われるようになったもので、以前は自然と症状が回復するのを待つしかありませんでした。
ならば治療薬は必要ないのでは?と思いがちですが、インフルエンザの治療薬を使用することで、中耳炎や肺炎といった合併症も少なくなり、インフルエンザ脳症の発症を抑える効果があるともいわれています。
すぐに病院へ行く必要がある症状
上記のように、インフルエンザは自然治癒も可能ですが、危険な症状が出ている場合にはすぐに病院へ行く必要があります。
緊急性がある
持病があるまたは妊婦の場合
元々持病がある、または妊婦である場合には、インフルエンザによって危険な状態になってしまうことがありますので、すぐに病院で検査を受けるようにしましょう。
乳幼児の感染
乳幼児がインフルエンザウイルスに感染すると、大人と違い抵抗力が低いため重症化してしまうことがあります。
また、高熱による熱性けいれんなどを引き起こす可能性がありますので、インフルエンザが疑われる場合にはすぐに病院で検査を受けましょう
インフルエンザ脳症が疑われる場合
高熱によってけいれんや意識障害、異常行動などが見られたらすぐに病院へ行きましょう。
夜間や休日の場合でも、救急外来などを使用して一刻も早く病院へ。
症状が落ち着いた後も油断は禁物
耳が痛む
インフルエンザの合併症には中耳炎もあります。特に子供に多い合併症ですので、看病中に子供が耳を痛がるようでしたら耳鼻科を受診しましょう。
咳だけが治らない
インフルエンザが治った後、咳だけが治らないことがあります。
これはインフルエンザによって肺炎や気管支炎を起こしている可能性がありますので、もう一度病院で詳しく診てもらうようにしましょう。
下痢が治らない
こちらはインフルエンザB型に感染した後に見られるものですが、他の症状が治っても下痢だけが治らないことがあるようです。
自己判断で下痢止め薬などを服用するのは危険ですので、現在の症状を医師に相談してください。
まとめ
忙しくてなかなか病院に行けないこともあるとは思いますが、インフルエンザに感染したらまずは病院で治療薬を処方してもらうことが第一です。
最近の治療薬はとても効き目が早く、合併症を防ぐだけではなくその後の体調回復にも大いに役立ってくれます。
大人も子供も、インフルエンザが疑われる場合には病院で検査を受けるようにしましょう。