発熱時は全身の体温が上昇するというイメージを皆さんお持ちではないでしょうか?
しかし、発熱していても手足だけが冷たいという時があるのです。
なぜそのような症状が出現するのか、どのように対処をすべきかについて調べてみました。
このような症状が出てきてもしっかりと処置できるように、ぜひ参考にしてみてください。
発熱していて手足が冷たい原因とは?
一般的に、私たちの平熱は36.6°Cから37.2°Cだと言われています。
その人の平熱によって違いがありますが、37.0℃から37.9℃を微熱、38.0℃から38.9℃を中等度熱、39℃以上を高熱と分類しています。
私たちの体温は普段、視床下部の体温調節中枢により常に平熱に保たれているのです。
発熱は、感染症、環境の変化、悪性腫瘍、さらにストレスによるものなどが原因だと言われています。
これらが引き金となり作用することで、視床下部が正常に働くことができず発熱が生じるのです。
一般的に発熱の原因といえば、風邪が思い浮かぶかと思われますが、4日以上の発熱が続く場合は、風邪以外の原因が考えられるため、受診するのが望ましいでしょう。
発熱は上昇期、極期、解熱期という3つの過程をたどります。
上昇期には、体温を上げるために悪寒が生じ、鳥肌などの症状が現れます。
極期には体温の上昇がピークを迎え、体力も少なくなりぐったりします。
そして解熱期に、汗が大量に出てきて熱が下がっていくのです。
手足が冷たくなる時期は、この中の上昇期に当たります。
何らかの病原菌に感染すると、私たちの体は侵入者を攻撃し自らを守ろうとします。
その時、視床下部から体の各器官に指令を出し、体温を上昇させようと働きます。
体温を上昇させることで免疫力を高め、病原菌と戦う力を生み出しているんですね。
発熱時、体幹は高い熱を帯びているのに、手足などの末梢は冷え切っているということは、子どもには珍しくありません。
これは、子どもの体温調節機能が未発達なことが理由です。
発熱時には汗をかいて熱を下げますよね。
大人は、大量に汗をかいても体が冷えすぎることはありませんが、子どもの場合は、汗が気体になる際に体温を奪われやすいのです。
さらに、菌と対抗するために体の熱を蓄えようとしますが、この時熱を逃がさないようにするために血管が収縮します。
その結果、末梢への血の巡りが悪くなり、発熱時にも手足が冷たくなるのです。
他にもこのような病気が考えられます
風邪以外にも、発熱時手足が冷たくなる病気があります。
膠原病や敗血性ショック、熱中症などが挙げられます。
膠原病
膠原病は、リウマチやSLEといった病名でも知られているように、自己免疫疾患です。
本来ならウイルスや細菌から体を守ってくれるはずの免疫が、自分自身を攻撃してしまうことで生じる病気です。
発熱やだるさ、指先の冷感だけではなく、両頬に赤い発疹が出るなどの症状があります。
敗血性ショック
敗血性ショックは、感染症の合併症として生じる症状です。
発熱や頻脈、頻呼吸だけではなく、ショック症状として血圧低下、意識低下、手足の冷感などが現れ、非常に危険な状態だと言えるでしょう。
熱中症
熱中症は、高温の環境中で生じる症状で、高熱と脱水症状を呈します。
熱中症にもいくつか種類はあるのですが、その中でも熱疲労が当てはまるでしょう。
熱疲労は大量の発汗により体内バランスが乱れ、脱水症状となった時に現れる症状です。
この時、熱は39℃まで上昇し皮膚の冷えや発汗が現れるのです。
手足が冷たい時の対処法は?
手足が冷えているということは、体温の上昇がまだまだ見られるということです。
そのため、熱が高いからといって無理に熱を下げようとするのは逆効果です。
この時期には、解熱剤やアイスノンなどの使用はあまりおすすめしません。
まずは、体温を上げる手助けをしてあげると良いですね。
寒くないように布団や服などを調節したり、汗を非常によくかくので脱水症防止のために水分補給をしましょう。
温かい飲み物などを用意して、定期的に水分摂取をしましょうね。
さらに、汗が体温を奪うため、こまめに着替えをすることも大切です。
手足が冷たい時は、体の中の病原菌と対抗するために熱を産生している時期です。
熱があるからと言って安易に冷やさずに、状態をよく観察してから適切に対処しましょう。
まとめ
体温調節機能が未発達な子どもに、手足が冷たいという症状が多く現れることがわかりました。
少しでも早く元気になるように、その時々の状態に合わせた対応をしていきましょう。