ナース直伝!点滴が痛い5つの原因と5つの対処法!

病気をした時に病院にかかり、点滴を受けて痛い経験をした方も多いのではないでしょうか?
その痛いイメージがある点滴も、薬が早めに効くために効果的なのは間違いありません。

しかし、痛みの原因や痛みに対する対処法が分かれば、きっと痛みも半減することでしょう。

今回は、点滴がなぜ痛いのか?
そして原因や痛みに対する対処法について、わたくし看護師のミヨが現場の経験をもとにして解説していきます。

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点滴は何のためにするの?

病気や風邪がひどかったり、脱水症状などを起こすと点滴を受けることがあります。

点滴を行う目的は、大まかに言うと以下の4つに分けることができます。

1.水分や電解質、栄養の補給

私たちの体は、ナトリウムやカリウムといったミネラル成分などで体調を保っていますが、下痢や嘔吐、大量の汗などで脱水症状を起こすと生命維持に必要なミネラル成分が失われ、体液のバランスが崩れ命に影響することがあります。

また、病気などでは口から十分な栄養を摂取することができなくなり、体に必要な栄養素を取り込むことができなくなります。

 

点滴は生きていくうえで大切な体の成分を補うことを目的としています。

血管を通すことで速やかに栄養分などが運ばれるので回復も早くなります。

 

口から食べ物を摂取できない場合は栄養補給のための点滴を行いますが、その場合は細い血管からではなく、太い静脈を利用して栄養を補うようにします。

2.血管確保

状態の急変に備えて点滴のルートを確保することがあります。

状態が急変してから血管を探して薬剤を投与するのでは遅いこともあり、また急変すると血管を探せないことがあります。

急変に素早く対応できるように、救急で搬送された方や急変しそうな状態の場合は点滴のルートを確保しておきます。

3.治療薬の投与

病気などで点滴の薬剤投与を受けている場合、点滴から薬を投与することがあります。

抗がん剤や痛み止めなど、必要に応じて点滴で薬剤を投与します。

4.大量出血など

怪我や病気、手術などで身体から大量の血液が失われると、正常な血液の循環が保てなくなります。

血液成分の一部を補う目的で点滴を行う場合があります。

点滴の成分とは?

点滴には、それぞれ目的に合わせた成分が含まれています。

通常、水分やナトリウム、カリウムなどの電解質成分がほとんどですが、治療を目的としている方は病状に合わせた薬剤も配合しています。

例えば、癌の患者さんなら抗がん剤、痛みがひどく早めに改善したい時には痛み止めなどといった薬剤です。

 

通常使用される点滴の成分は、水分や電解質など体の細胞のバランスを保つ成分が含まれています。

ここでは基本的な点滴の成分について説明します。

ブドウ糖液

ブドウ糖は体の体液のバランスを保つ働きがあり、水分を速やかに補給して脱水症状などを緩和します。

ブドウ糖液には5%〜50%がありますが、一般的に5%のブドウ糖液が点滴に使用されます。

 

ブドウ糖液についての詳しい説明はこちらの添付文書を参考にして下さい。

参考文献
「大塚製薬 日本薬局方 ブドウ糖注射液」

0.9%生理食塩水

生理食塩水は、体の細胞と等しい体の電解質バランスを保つのに重要な栄養素のひとつです。

多量の汗や嘔吐、下痢などで脱水症状になると、体液のバランスが崩れてしまいます。

ナトリウムは生命に関わる電解質のバランスを保つために含まれています。

塩化カリウム

激しい嘔吐や下痢、手術後など体内のカリウムが失われた時に補充します。

リンゲル液

生理食塩水に、カリウムやカルシウムなどミネラルが配合されたものを指します。

乳酸リンゲル液

上記のリンゲル液に、乳酸を加えて体内の細胞のバランスを保ちます。

酢酸リンゲル液

リンゲル液に酢酸を加えた成分で、過剰になりがちなクロールイオンの成分を抑える働きがあります。

こちらのサイトに詳しい説明が記載されていますのでもう少し詳しく知りたいという方は参考にして下さい。

参考文献
「大塚製薬 水・電解質輸液」

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点滴の針を刺したときの痛みの原因

点滴は針を静脈に刺すので、残念ですがある程度の痛みが生じてしまうのは仕方のないことです。

痛みに弱い方も多いかと思いますが、何故点滴を刺した時に痛みが生じるのか原因が分かれば少しは痛みが和らぐはずです。

この章では、点滴の針を刺した時の痛みの原因について紹介します。

点滴を刺す人の手技

点滴を刺すときに痛みが生じるのは、点滴を刺す人の技術にもよります。

痛くないようにとゆっくり針を血管に刺すと反対に痛みが出てしまうことがありますが、勢いよく刺すのも血管壁を傷めてしまうなど問題があります。

適度なスピードで素早く指すことで痛みが感じにくくなります。

点滴を刺すスタッフの手技により痛み具合が違います。

アルコール消毒

点滴を刺す前は、皮膚に付着した雑菌を落とす目的で脱脂綿を用いてアルコール消毒を行います。

点滴の針を刺すときに、アルコールがしみて痛みが出てしまうことがあります。

刺すときの角度

点滴を刺すときの、皮膚と点滴針の角度が高いと痛み起こりやすくなります。

角度は15〜20度が最適で、刺す部分の皮膚を引っ張るようにすると痛みが起こりにくくなります。

血管の選択

点滴を刺す場合、良く出ている血管を選びますが、血管の選択を間違えると痛みが起こります。

点滴を刺す場合は、太くて真っ直ぐに伸びている血管を選ぶようにします。

細い血管や曲がっている血管に点滴を刺してしまうと血管壁を突き破ってしまうことがあります。

また、看護師ならご存知かと思いますが、点滴を刺す場所によって痛みを感じにくい部位があるのです。

血管に挿入されていない

目的とする血管に挿入せず、血管を外してしまうと痛みが生じます。

勢いよく刺してしまい血管を突き抜けた時などに痛みが感じられます。

点滴が済んだ後に痛む原因

点滴を刺すときは多少の痛みを伴いますが、点滴が終わっても痛みが残ってしまうことがあります。

ひどい時は赤くなったり、腫れたりしてしまうことがあります。

点滴の針が血管内に挿入されている時は痛みを感じなくても、終わった後に痛みを感じるケースもあります。

ここでは、点滴後に痛みが起こってしまう原因について説明します。

血管炎を起こしている

点滴が終わった後も持続する痛みがある場合は、血管に炎症が起きていると考えられます。

血管に上手く挿入できなかったり、刺した場所が悪いと血管を傷めてしまい血管に炎症が起こります。

点滴液の漏れ

点滴液が皮膚に漏れてしまうと痛みの原因となります。

点滴をしている最中に皮膚が腫れてくる場合は、点滴が漏れている可能性が高いです。

血管を外した

点滴を不得意とするスタッフが針を刺すと、血管に上手く挿入できずに血管を外してしまうことがあります。

血管壁を傷めた

点滴の針を刺した時に、血管壁を針で傷めてしまうと痛みが起こることがあります。

しびれるような感覚がある場合、血管壁だけではなく神経を傷めてしまった可能性も考えれれます。

点滴の針が刺さる瞬間の痛みの対処法

点滴の針が刺さる時の痛みが苦手という方は多いはずです。

でも、痛みを和らげるための方法が分かれば、苦手な点滴も怖くなくなりますよね!

ここでは、その対処法をいくつかご紹介しましょう。

アルコール以外の消毒液

アルコール綿で皮膚を消毒すると痛みを感じやすくなるという意見もあります。

アルコールに敏感な方のためにアルコールでない消毒液も用意してあるので、点滴を受ける前にスタッフに申し出てアルコール消毒でない消毒液で拭いてもらうようにして下さい。

点滴の針

注射や点滴などに使用する針はゲージという数値で表します。

針はゲージ数が高くなると細くなり刺した時の痛みを感じづらくなります。

点滴では翼状針という針を使用することがありますが、21〜23ゲージの針を使用するのが一般的です。

皮膚を温めておく

冬場は寒いので血管が表われにくくなります。

また冬でなくても夏場はエアコンが効いているため女性の場合、体が冷えて血管が収縮して見えにくくなったり刺しにくくなることがあります。

皮膚を温めておくことで血管が良く見えるようになり、スムーズに点滴が受けられます。

痛みを感じにくい部位に刺してもらう

血管が良く見えている方の場合、痛みを感じにくい部位に刺してもらうことで痛みが軽減します。

腕の外側や内側の血管が比較的痛みを感じにくい部位になります。

 

肘には見えやすい血管が走行して痛みを感じにくいですが、点滴中は肘を自由に動かすことができず不自由な思いをしてしまいます。

また、肘を動かした時に針がずれて点滴漏れに繋がりますので、あまりお勧めはできません。

太い血管に刺してもらう

血液の流れが良い、太い血管を選んで刺してもらうと痛みが少なくなります。

点滴が終わった後の痛みの対処法

点滴が終わっても、腕に違和感や痛みが残ってしまったという経験がある方も多いでしょう。

ここからは、痛みが残ってしまった場合の対処法について紹介しますので参考にして下さい。

冷やす

血管に痛みがある場合や炎症が起きているときは、冷やすと痛みが軽減します。

炎症が起きている場合、温めると症状が悪化することがあるので入浴など患部を温めないようにして下さい。

温める

点滴中に痛みが生じた場合は点滴液が漏れている可能性があるので、先ほどとは反対に温めることで点滴液の流れが良くなり痛みが緩和します。

点滴を受ける際のその他の注意点

点滴は、血管を通して全身にスムーズに薬剤が行き渡るので、早期に病状が回復でき効果が実感できます。

効果が期待できるのは良いのですが、その分点滴を受ける側も注意しなければならないことがあります。

ここでは、点滴を受ける際はどのような点に注意する必要があるのかまとめました。

自分の状態を把握する

点滴治療を受ける場合、自分に薬剤アレルギーがないか確認します。

過去に何かの薬を使って体に蕁麻疹が出たり、赤くなったりした経験のある方は薬剤アレルギーの可能性があるので、どのような薬剤にアレルギーがあるのか医師などに伝えるようにして下さい。

点滴中は激しい動きをしない

点滴を刺してある部分は、できるだけ動かさないようにします。

動くことで点滴の針がずれて薬剤が漏れたり、血管壁を傷つけ炎症を起こしてしまうことがあります。

利き手と反対の腕に刺してもらう

利き手の方に点滴を刺されてしまうと点滴をしている間、利き手が使えず不便な思いをしてしまうことがあります。

点滴を受けるときは、利き手と反対側の腕を出すようにします。

但し、血管が利き手の方が良く出ているようであれば利き手側を出すようにして下さい。

肘は避けてもらう

肘は曲げたり伸ばしたりの動作が多くなります。

肘付近に点滴を刺されてしまうと肘が伸ばせず不自由になってしまいます。

安静を保つ

点滴をしている間は、できるだけ安静を保つようにして下さい。

良く出ている方の血管を出す

点滴を受ける時は、太くはっきりした血管を出すようにすると失敗される確率が減り、痛みが少なく点滴を受けることができます。

アルコールかぶれはないか

点滴を刺す前にアルコール消毒を行いますが、アルコールに敏感な方は事前に話すことでアルコール以外の消毒液を使ってくれます。

まとめ

点滴は静脈を通して体内の血管を通るので回復が早まります。

点滴の成分は、体内のバランスを保つための電解質などが含まれていますが、治療目的に合わせた薬剤を点滴することもあります。

そのようなとても大事な点滴ですが、苦手な方も多いもの事実。

しかし、点滴を受ける側も注意点を守って受けるようにすると、きっと痛みが軽減すると思いますので、これまでご紹介した方法をぜひ試してみて下さいね!

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