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舌にしびれを感じたことはありませんか?

この舌のしびれの原因は、軽度のものから放っておいたら大変なことになる重度の病気までさまざまです。

今回は、舌のしびれの原因を考えられる限りまとめました。

それと供に、受診するべき科や治療法なども紹介していきますので、保存版としてご活用いただければ幸いです。

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舌痛症

舌痛症とは、舌に一見して何の異常もないのにも関わらず、舌に痛みが生じる病気です。

舌痛症の症状

舌には、肉眼的に何らの異常や変化も認められません。

舌にピリピリするような痛みやしびれ感が生じます。

 

その症状は1日中一定しているわけではなく、食事をしたときや何らかの作業に集中しているときは生じることはありません。

寝る前や、何もしていない時によく起こるのが特徴です。

痛み止めを飲んでも痛みがなくなることはありません。

舌痛症の原因

ストレスや自律神経との関係などが考えられていますが、よくわかっていません。

舌痛症の対処法・治療法

主診療科は歯科口腔外科です。

舌痛症の治療は、薬物治療が行なわれます。

うがい薬、漢方薬、ビタミン剤、抗不安薬などを処方します。

痛みが激しい場合は、神経障害性疼痛治療薬を処方することもあります。

三叉神経痛

三叉神経とは、脳神経のひとつで、主に顔面部の感覚を支配している神経です。

”三叉”という名前の由来は、顔面に至る途中で3本に分かれていることにあります。

3本に分かれた後は、上から第一枝、第二枝、第三枝となり、それぞれが前額部、中顔面部、下顔面部の感覚を支配するようになります。

三叉神経痛とは、この神経の支配部位に沿って生じる神経痛のことです。

三叉神経痛の症状

電撃痛とよばれる電気が走るような激しい痛みが生じます。

痛みが発生するのは非常に短時間で、数十秒から数分ほどでおさまります。

痛みを誘発するトリガーゾーンとよばれる部位があり、そこを刺激すると痛みが生じます。

通常の痛み止めは効きません。

三叉神経痛の原因

三叉神経の近隣を走行している血管が動脈硬化などの原因でふくれてきて、三叉神経を圧迫するというのが現在の有力な説です。

三叉神経痛の対処法・治療法

主診療科は、歯科口腔外科神経内科です。

薬物治療が第一選択で、カルバマゼピンとよばれる抗けいれん薬がよく効きます。

薬物治療で効果がない場合は、神経ブロックが行なわれることがあります。

これは麻酔薬を神経痛が生じている神経に注射して、感覚を感じなくさせる方法です。

特に下顎神経は、舌の前方2/3の感覚も支配しているために、下顎神経に神経ブロックが行なわれると舌が痺れてしまう可能性があります。

外科治療としては、神経血管減圧術とよばれる三叉神経を圧迫している血管からの圧力を減じさせる手術もあります。

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舌咽神経痛

舌咽神経痛とは、舌咽神経の支配領域に生じる神経痛です。

舌咽神経痛の症状

舌咽神経の支配領域である舌根部(舌の付け根付近)、軟口蓋(上顎の奥)、口蓋扁桃などに、短時間ですが電気が走ったような激烈な痛みが生じます。

あまりにも激しい痛みのために、涙が出たり、顔が赤くなったり、飲み込みが難しくなったりします。

時に脈拍が低下したり、失神を起こしたりすることもあるほどです。

舌咽神経痛の原因

舌咽神経痛の原因はよくわかっていません。

舌咽神経痛の対処法・治療法

専門診療科は、歯科口腔外科耳鼻咽喉科神経内科です。

これらの診療科では、まず痛みを生じている箇所に麻酔をして痛みが落ち着くか否かを確認します。

稀に近隣を走行している迷走神経と繋がっていることがあり、その場合は効果が生じませんが、一般的な舌咽神経痛であれば痛みが消失することが多いです。

 

薬物治療ではカルバマゼピンという抗けいれん薬や、リリカという神経障害性疼痛治療薬を処方します。

薬物治療で効果が十分現れる場合が大半ですが、薬物治療の効果が乏しい場合は、舌咽神経を感じなくさせる舌咽神経ブロックを行ないます。

しかし、舌咽神経ブロックの手技は非常に難しく、神経ブロックの範囲に舌下神経が含まれてしまうと、舌の半分が痺れてしまうようになります。

亜鉛欠乏症

亜鉛欠乏症の症状

亜鉛欠乏症では、味を感じなくなります。

この味覚異常はヒトが自覚出来る唯一の初期症状です。

味覚異常以外の初期症状としては、体重減少や精子減少がありますが、前者は亜鉛欠乏症だけに特異的な症状ではなく、後者は量を測定する機会が少ないため、初期症状して認知することは難しいです。

 

お口の症状としては、唾液分泌量の減少もあげられます。

亜鉛欠乏症の治療をすると唾液の分泌量が増加し、分泌不全が改善することが知られています。

 

唾液分泌量が減少すると、お口の乾燥化が進みます。

お口の乾燥は、舌の乳頭の萎縮を招き、舌が平滑化する原因のひとつです。

亜鉛欠乏症の原因

人体は20の元素で出来ています。

その中の微量元素に分類される、亜鉛が不足することが原因です。

亜鉛は、食べ物から取り込む他に摂取する手段はありません。

つまり栄養不足が亜鉛欠乏症を引き起こすのです。

亜鉛欠乏症の対処法・治療法

主診療科は、内科もしくは耳鼻咽喉科です。

治療法は薬物治療が効果的です。

プロマックという亜鉛製剤を投与します。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、貧血の中で最も多い貧血です。

鉄欠乏性貧血の症状

貧血に伴う一般的な症状である身体のだるさ、めまい、耳鳴り、息切れを認めることが多いです。

そのほか、Plummer-Vinson(プラマー・ビンソン)症候群とよばれる症状も起こります。

これは、舌炎や口唇炎、飲み込み困難、口角炎、そして爪がスプーンのようにそりかえるスプーン状爪を症状とする病気です。

 

舌は、乳頭が萎縮することで凹凸が減少し平らになります。

そして、赤みがさし、灼熱感という舌が熱くほてるような感じや触れたときの痛みを生じます。

この症状は、粘膜の萎縮が原因です。

乳頭が萎縮したり、灼熱感を生じたりした時、舌の感覚が鈍くなったような感じと訴えることがあります。

鉄欠乏性貧血の原因

鉄は、赤血球タンパクを構成しているヘモグロビンに欠かせない成分です。

体内の鉄が欠乏すると、赤血球を作りにくくなります。

こうして赤血球が不足し、貧血が起こります。

鉄欠乏性貧血の対処法・治療法

舌炎や口唇炎などのお口の症状は歯科口腔外科で診断出来ますが、治療には鉄剤の投与だけでなく、ビタミンB2、ビタミンC製剤が用いられますので、内科を受診した方がいいでしょう。

ハンター舌炎

Hunter(ハンター)舌炎とは、巨赤芽球性貧血という貧血に現れる症状のひとつです。

ハンター舌炎の症状

舌の表面にある乳頭が萎縮し舌炎を生じます。

舌乳頭の萎縮により、舌の感覚が鈍くなります。

Plummer-Vinson症候群との違いは、爪の症状があるかないかです。

ハンター舌炎の原因

原因としては、ビタミンB12や葉酸などの血液を作るために必要なビタミンが不足することです。

ビタミンB12は体内貯蔵量が多い上に、消費する量は少ないという特性から、栄養摂取量が減少してもすぐに貧血を起こすようなことはありません。

 

しかし、ビタミンB12が胃からの吸収量が低下すると貧血を起こします。

ビタミンB12の吸収障害による巨赤芽球性貧血を特に悪性貧血とよびます。

 

葉酸の不足は栄養不足によることが多いです。

葉酸はビタミンB12と異なり、体内の備蓄量が少ないために容易に不足し、貧血を生じます。

ハンター舌炎の対処法・治療法

専門診療科は内科です。

治療法は、不足しているビタミンB12や葉酸の投与です。

 

しかし、悪性貧血ではビタミンB12の吸収障害によって起こるものですから、飲み薬での投与では改善し得ません。

注射剤を使用します。

口腔乾燥症

口腔乾燥症とは、唾液の分泌量が持続的に減少し、お口の粘膜が乾燥してしまう病気です。

口腔乾燥症の症状

唾液の分泌の抑制により、唾液量が不足します。

唾液量の不足はお口の粘膜の萎縮を招き、お口の粘膜は亀裂を生じたり、上皮が剥離したり、傷を作ったりします。

唇も乾燥し、亀裂や出血を認めるようになります。

 

このような症状は舌にも認められ、舌の乳頭が萎縮し、舌の表面が平滑化、滑沢化します。

そして舌に灼熱感や痛み、感覚の違和感を招来します。

こうした時、舌の感覚が鈍くなった、舌がピリピリ痺れると訴えることがあります。

口腔乾燥症の原因

唾液腺の炎症や萎縮によるものが多いです。

唾液腺にそうした変化をもたらす原因として、老人性萎縮や唾液腺の腫瘍や唾液腺炎、放射線による唾液腺障害、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患など、いろいろな病気が挙げられます。

口腔乾燥症の対処法・治療法

唾液の分泌量を増やすために、口腔乾燥症状改善薬を使った薬物治療が行なわれます。

また、保湿剤を配合したうがい薬やジェル、スプレーなどを使ってお口の保湿を行ないます。

唾液を分泌しやすくするために、唾液腺マッサージやガムを噛むなどにより唾液腺を刺激することも有効です。

口腔灼熱症候群

口腔灼熱症候群とは、お口の中に何らかの異常がないのにも関わらず、お口全体に熱いような感じや痛みが生じる病気です。

口腔灼熱症候群の症状

お口の中には、明らかな異常は認められません。

舌や唇、歯ぐきやのどに熱いものが触れたような感じや、痛み、感覚のしびれ感が生じます。

苦いような変な味がするという症状もあります。

痛みは一日中一定して続くこともあれば、何かに一生懸命になっているときは感じなかったりと、発現と消失を繰り返すこともあります。

口腔灼熱症候群の原因

ストレスやお口の乾燥、うつなどの心理的な影響が考えられていますが、明らかにはなっていません。

口腔灼熱症候群の対処法・治療法

主診療科は歯科口腔外科です。

まずは薬物治療がおこなわれます。

薬物治療では、神経障害性疼痛治療薬のほか、漢方薬や向精神薬が使われることがあります。

糖尿病

糖尿病は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度が高いまま維持される病気です。

糖尿病の症状

糖尿病になると喉が渇きやすくなったり、唾液腺の機能が低下したりすることが知られています。

唾液腺の機能が低下すると口腔乾燥症を引き起こします。

 

お口の乾燥化に伴い舌の乳頭が萎縮し、舌が滑沢化、平滑化します。

そして、舌の痛みや灼熱感、違和感をきたし、舌がピリピリ痺れたり、感覚が鈍くなったりします。

糖尿病の原因

糖尿病になると血液中の浸透圧が上昇します。

浸透圧が上昇する結果、体内の水分が吸い取られ、尿の量が増えるようになります。

そのために喉が渇きやすくなります。

 

また、唾液を作り出す唾液腺の組織を構成する細胞が萎縮するために、唾液腺の機能が低下します。

その結果、唾液が分泌されにくくなります。

糖尿病の対処法・治療法

お口の症状は歯科口腔外科でも診察しますが、糖尿病の治療となると内科の専門分野となります。

初期であれば食事療法や運動療法で治療を行ないますが、進行に伴い薬物治療が行なわれます。

 

まず飲み薬の血糖降下剤が用いられます。

飲み薬の効果が乏しい場合は、インスリンの注射となります。

脳梗塞

脳梗塞とは、脳に栄養や酸素を供給する動脈が詰まり、脳の組織が壊死を起こした病気のことです。

脳梗塞は、動脈硬化により脳血管に血栓が形成されて発症する脳血栓症と、心房細動や不整脈などの心臓疾患によって心臓内に出来た血栓が脳血管に入り込んで生じる脳塞栓症にわけられます。

脳梗塞の症状

脳梗塞では、壊死した部位の脳の機能が失われたことによる症状が現れます。

壊死部位によって症状は異なるために、脳梗塞の症状は多岐にわたります。

 

言葉が発せられなくなる、理解出来なくなるという言語障害もおこります。

言語障害の症状のひとつに舌のもつれがあります。

 

片側性の顔や手足のしびれや脱力感が生じます。

これを片麻痺といいます。

麻痺は運動神経の麻痺だけではなく、身体の片側の感覚神経の麻痺を起こすこともあり、舌のしびれを生じるようになります。

 

脳梗塞を起こした部位によっては、突然の意識混濁も認めます。

失明も脳梗塞の症状のひとつで、片目、もしくは両目の視覚が障害されます。

そのほか、めまい、よろめきなども認められます。

脳梗塞の原因

脳梗塞を生じさせるのは、脳血管を詰まるのが原因です。

脳血管をつまらせる要因には、高血圧症、不整脈、糖尿病、脂質異常症、脱水症などがあります。

脳梗塞の対処法・治療法

脳梗塞の主診療科は、脳神経外科です。

発症直後であれば、血管内にカテーテルを挿入し、血栓を溶かしてしまう血栓溶解療法を行ないます。

また、血栓をワイヤーやポンプを使って取り除く血栓回収療法もあります。

舌腫瘍・舌癌

腫瘍は、良性悪性を問わずお口の中にも生じます。

舌に出来る良性腫瘍としては、血管腫線維種などがあげられます。

舌に生じた悪性腫瘍を舌がんといいます。

舌腫瘍・舌癌の症状

良性腫瘍では、腫瘍と正常組織との境界が非常にはっきりとしたドーム状になることが多いです。

硬さもそれほど硬くはなりません。

色は腫瘍の性質によって異なります。

血管腫の場合は、青紫色を呈することが多いですが、線維種などその他の舌腫瘍では、正常組織とさほど変わらない色をしていることが大半です。

 

良性腫瘍の場合は、痛みが生じることはほとんどありません。

一方、舌がんの場合は、硬さが非常に硬くなり、硬くなった部分に痛みが生じます。

そしてある程度の大きさ以上になると、中心付近が陥没して悪臭を放つようになります。

 

このくぼんだ部分は、組織が壊死を起こしています。

壊死しているために、そこの部分の感覚はありません。

舌腫瘍・舌癌の原因

良性腫瘍が形成される理由はよくわかっていません。

舌がんは、むし歯や不適切な入れ歯の慢性的な刺激、タバコやアルコールなどの影響が挙げられます。

舌腫瘍・舌癌の対処法・治療法

舌腫瘍は歯科口腔外科が診療します。

良性腫瘍は薬物治療では治りません。その治療は摘出術です。

 

悪性腫瘍の場合は、腫瘍切除術と頚のリンパ節転移があれば頚部廓清術という手術をします。

抗がん剤治療や放射線治療も併用することが多いです。

治療は、大学病院やがんセンターで行ないます。

まとめ

舌は、いろいろな原因で痺れてくることがあります。

しびれを感じたときは、しびれを生じさせることになった病気の治療を行なうことで、しびれ感の解消を試みます。

舌にしびれを生じさせる病気はたくさんありますが、舌の病気であることが多く、まずは歯科口腔外科を受診することをお勧めします。

参考文献
「口腔外科学 医歯薬出版株式会社」
「味覚・嗅覚診療の最前線 日本医師会雑誌」
「脳血管障害の臨床 日本医師会雑誌」
「ドライマウス診療マニュアル 永末書店」

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