食中毒で熱や頭痛を伴う原因菌とその対処法!

この記事は、以下の参考文献などをもとに執筆しております

食中毒にかかると、吐き気や腹痛など辛い症状が出ますね。

消化器系の症状のほかにも頭痛がしたり、熱が出るなど体にさまざまな反応が現れます。

食中毒は原因菌によって症状の強さなども異なってきます。

今回は、食中毒にかかると発熱する理由や原因菌に対する対処法などについて紹介します。

スポンサーリンク

食中毒で発熱する理由とは?

食中毒にかかると下痢や嘔吐、腹痛など消化器系を中心に症状が出ますが、食中毒にかかって熱が出たという方もいるはずです。

食中毒を起こす菌はたくさん種類がありますが、食中毒で熱が出てしまうのは何故でしょうか?

 

食中毒菌は体の中に細菌が侵入しますが、細菌の種類によっては発熱を起こす物質があり、その物質が原因となって熱が出ることがあります。

また、細菌は異物として体内で認識されますが、異物と闘うために免疫機能が働いて熱が出ることがあります。

そのほか、食中毒で腸に炎症が起こると炎症反応で熱が出ます。

 

発熱する食中毒の原因菌

食中毒にかかると腹痛や下痢などの症状が主に出ますが、中には熱が出る食中毒の種類もあります。

菌は高温多湿などを好むため夏場に発生しやすいですが、食中毒の種類によっては、冷蔵庫などの中でも生息できる仲間もいます。

下痢や嘔吐など、お腹に症状がでることが多いですが、この章では食中毒で発熱する原因菌について説明します。

 

サルモネラ菌

サルモネラ菌は、食中毒を起こす菌の中でも特に頻度の多い細菌です。

豚や牛、ニワトリなどの家畜に生息するなど、身近な存在の食中毒菌です。

生卵にもサルモネラ菌は存在するので、生で食べる場合は注意が必要です。

症状:38℃くらいの発熱、悪心、嘔吐、下痢、腹痛など。
潜伏期間:半日~3日くらいと発症するまでに多少の時間差があります。

 

サルモネラ菌の対処法

サルモネラ菌は熱に弱いので、加熱することで防ぐことができます。

75℃以上1分間の加熱で菌が死滅するので、生ものは良く加熱してから食べるようにしてください。

手洗いを施行したり、残った食べ物は室温で放置せず早めに食べるか、冷蔵庫などで保存するようにします。

カンピロバクター

カンピロバクターも食中毒を起こす仲間の中でも頻度の高い菌です。

イヌやネコ、ウシやブタなどの家畜に生息します。

カンピロバクターは乾燥を嫌い、低温で湿気のある環境を好みます。

井戸水や鶏肉や牛肉、豚肉などの食肉や牛乳などが原因となります。

症状:発熱、悪心・嘔吐、下痢、腹痛など
潜伏期間:症状が出るまでに2日~7日間など幅があります。

 

カンピロバクターの対処法

カンピロバクターも生肉に生息するので、良く加熱することで菌が死滅します。

また調理器具の洗浄が不十分の場合も、菌が残って食中毒を起こしてしまいます。

熱湯消毒するなど、生ものを調理した時は洗剤などを用いて清潔にしましょう。

 

エルシニア菌

エルシニア菌は低い温度(0℃~4℃)でも生息でき、冷蔵庫で生息できるのが特徴です。

豚肉などの食肉や乳製品、飲み水が原因となって感染します。

冷蔵庫でも増殖できるので、食べ物を冷蔵庫に放置するのはやめましょう。

症状:発熱(38℃以上上がることもある)悪心・嘔吐、下痢、腹痛など。ひどい時は腸炎を起こす場合もあります。
潜伏期間:発症までに時間があり、早いと半日で遅いと10日間かかって症状が現れます。

 

エルシニア菌の対処法

エルシニア菌は、低温でも生息できるので冷蔵庫で保存してるからといって安心してはいけません。

冷蔵庫に保管したものは、できるだけ早めに食べるようにします。

生肉は避けて、加熱調理したものを食べるようにしてくださいね。

 

ノロウイルス

ノロウィルスは冬に多く発生し、牡蠣などの二枚貝や魚介類、サラダ、井戸水が原因となって発症します。

吐物や下痢便の中に多くのウィルスが存在し、感染力が強いため集団感染を起こしてしまうことがあります。

症状:発熱、激しい嘔吐や下痢、腹痛など。
潜伏期間:1日~2日と短いのが特徴です。

 

感染力が強くても、健康な大人の場合は約3日間くらいで回復に向かいます。

抵抗力の弱い高齢者や乳幼児が感染すると、症状が悪化する場合もあるので注意が必要です。

 

ノロウイルスの対処法

熱に弱いので、加熱調理をして食べるようにします。

85℃~90℃の温度で約90秒間熱を加えることで、菌が死滅して感染を防ぐことができます。

塩素系の漂白剤などで調理器具を消毒したり、手洗いやうがいを施行することで感染を防ぐことができます。

 

腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌も感染力が強く、少量の菌でも感染してしまいます。

菌に汚染された食品から感染してしまうので、食べ物は新鮮な物を選ぶようにします。

 

腸管出血性大腸菌にはさまざまなタイプがありますが、O-157O-26O-111O-128などが主な食中毒の原因菌となります。

毒素を出すことにより腸内で出血が起きたり、溶血性尿毒症症候群を起こすなど、重症化することもあります。

症状:37℃前後の発熱、腹痛、水様性の下痢、血便、嘔吐、悪心など
潜伏期間:通常、4日~5日目くらいから症状がはじめ、1週間くらいで回復に向かいます。

 

腸管出血性大腸菌の対処法

腸管出血性大腸菌も、熱に弱い特徴の菌です。

75℃で約1分間以上加熱すると、菌が死滅します。

肉や魚類、卵などは新鮮な食品を選び、食べる時は良く加熱してから食べるようにします。

また調理器具なども、洗剤や漂白剤などで良く洗浄してから使用するようにしてください。

スポンサーリンク

食中毒で頭痛が起きる理由とは?

食中毒の症状と言えば、腹痛や下痢、嘔吐などが主な症状ですが、なかには熱が出たり、頭痛が起こる場合もあります。

風邪などの病気をした時は、病原菌と闘うために白血球などの免疫細胞が出てきますよね。

食中毒も、同じように細菌やウィルスなどの毒素が原因となって熱が出たり、頭痛を引き起こすことがあります。

 

症状がひどい時は、腸などに炎症などが起こり痛みの物質が出て、頭痛など症状が現れます。

頭痛は血管が拡張した結果起こりますが、食中毒では自律神経がバランスが乱れて脳神経の一部が刺激され、頭痛が起こります。

 

頭痛が起きる食中毒の原因菌

食中毒は、お腹の症状ばかりだと思っていませんか?

中には「食中毒にかかって頭痛が起きた」という経験をしたことがある方もいるかもしれませんね。

全ての食中毒菌が頭痛を引き起こす訳ではありませんが、ここでは頭痛が起きる食中毒菌について紹介します。

 

ボツリヌス菌

肉や魚、寿司、瓶に詰められた食品や加工食品などに発生する菌です。

強い毒素を発生して、消化器系以外にも神経などにも影響を及ぼし、症状がひどい時は死に至ることもあります。

症状:嘔吐、下痢など胃腸症状のほかに頭痛やめまい、視力低下や呼吸困難、言語障害など神経系に症状が現れます。
潜伏期間:8時間~36時間が平均的な潜伏期間ですが、早い人では約4時間くらいで症状が現れることがあります。

 

ボツリヌス菌の対処法

食中毒の原因となる毒素は熱に弱い性質があるため、加熱することで食中毒を予防することができます。

100℃以上、約3分間以上の加熱で毒素は死滅するので、しっかり加熱することが大切です。

 

ボツリヌス菌は、真空パックや缶詰めなどでも発生することがあるので加圧加熱殺菌と記載されてものを購入すると安心です。

真空パックで袋が膨張している場合は、ボツリヌス菌に汚染されている可能性が高いので注意してください。

 

ヒスタミン中毒

ヒスタミンは、アレルギー症状などに関係する物質ですね。

魚や貝類にはヒスタミンが含まれていますが、魚の内臓などが原因となって起こることがあります。

ヒスタミンはアレルギーの原因となりますが、そのほか頭痛を起こす物質とも言われ、血管を拡張させて頭痛が起こると言われています。

症状:腹痛、下痢、嘔吐、頭痛、めまい、蕁麻疹、顔の赤みや腫れなど。
潜伏期間:約2時間~3時間で症状が現れますが、1日くらいで治ってします。

 

ヒスタミン中毒の対処法

魚などの鮮度が低下するとヒスタミンが出てくるため、生魚を購入したら早めに内臓を取り除いて調理することが大切です。

また冷凍保存したり、お酢でしめるのも効果があります。

ノロウイルス

先ほどの「発熱する食中毒の原因菌」の章にも出てきたノロウイルスは、頭痛も引き起こす原因となります。

牡蠣やハマグリなどに生息する食中毒菌で、冬場を中心に感染者が増加する傾向にあります。

下痢便や嘔吐物などの排泄物を処理する際に感染したり、少量の菌でも感染してしまうので注意が必要です。

症状:下痢、嘔吐、腹痛、発熱、頭痛などを主症状とします。
潜伏期間:24時間~48時間の期間を経て症状が現れます。

 

ノロウィルスの対処法

ノロウィルスは少量の菌でも感染してしまうので、排泄物の処理は細心の注意をしながら行うようにします。

排泄物が乾くとウィルスは空気中を舞い、そのウィルスを吸い込むことによって感染してしまうことがあります。

ノロウィルスは加熱に弱いため85℃以上、1分間の加熱で感染を防ぐことができます。

アルコール消毒は効果がないため、次亜塩素酸ナトリウムで消毒を行います。

 

サルモネラ菌

こちらのサルモネラ菌も、ノロウイルス同様に発熱に加え頭痛の原因になります。

これは食中毒を起こす菌でも頻度の高い菌で、菌種も多数存在します。

生卵や豚肉、鶏肉、魚など加熱が不十分の肉、洋生菓子などでも感染してしまいます。

症状:発熱、水様性の下痢、嘔吐、腹痛など症状が見られます。発熱は急に出ることがあり、40℃近く熱が出ることもあります。
潜伏期間:菌の種類によって個なりますが、半日過ぎから2日くらいの潜伏期間を経て症状が現れます。

 

サルモネラ菌の対処法

熱に弱い性質なので、75℃以上の高温で加熱するようにします。

また調理器具はきちんと洗ったり消毒するようにします。

卵を生で食べる場合は、卵がサルモネラ菌に汚染されていることがあるので、賞味期限を確認したり生で食べること自体を避けましょう。

カンピロバクター

カンピロバクターも、サルモネラ菌と並んで比較的多く感染する食中毒菌です。

そしてサルモネラ菌同様、発熱と頭痛の原因となります。

鶏肉や豚肉などの食肉などから感染します。

湿気のある環境を好み、低い温度で活発になります。

症状:発熱、悪心、嘔吐、頻回の下痢、腹痛などを主症状とします。
潜伏期間:半日~2日くらいの間に症状が現れます。

 

カンピロバクターの対処法

生肉を食べることにより感染してしまうので、十分に火を通してから食べるようにします。

生ものを扱った後のまな板や包丁にも、菌が付着していることがあるので、調理器具をしっかり洗うことが大切です。

 

まとめ

食中毒は、消化器系の症状だけではなく頭痛や発熱を伴うことがあります。

体に炎症が起きているための反応のひとつですが、熱は高熱になることもあります。

食中毒は室温保存で起こることもありますが、なかには冷蔵庫の中で生息できる菌も存在するので食べ物は早めに食べるようにしましょう。

また感染を防ぐためには、手洗いなども忘れずに行うようにしてくださいね。

参考文献
「新家庭の医学 時事通信社」

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事