気持ちよく飲んだ翌日、二日酔いもさることながら、迫りくるおなかの痛みと辛い下痢に見舞われ「お酒はもうこりごり」なんて経験、大人なら誰にでも経験があることですよね。
しかし、なぜアルコールを摂りすぎると下痢になってしまうのでしょうか。
今回は、アルコールと下痢の関係について詳しく解説していきます。
アルコールの飲みすぎで下痢になる原因
まずはアルコールを飲み過ぎると下痢になる、その原因として考えられるものを3つご紹介します。
小腸への刺激
アルコールは肝臓に負担をかけることは皆さんご存知かと思いますが、実は腸へもダメージを与えることはあまり知られていません。
アルコールはそれ自体が刺激の強いものですから、口から胃に流れ込む際にまず胃にダメージを与え、その次に小腸を傷つけます。
小腸にたどり着いたアルコールは、粘膜をただれさせるばかりか小腸のぜん動運動を加速させ、そのためにアルコールとともに摂取した食べ物を上手に消化・吸収できなくなってしまいます。
するといつもよりも速いスピードで食べ物が小腸を通過し、正常な状態の便にはならず下痢となってしまうのです。
胃への刺激
小腸へたどり着く前、アルコールはまず胃で20パーセントほどが吸収されます。
この際胃の粘膜も傷つけてしまい、胃痛が起こります。
胃痛は腹痛の元となり、便意をさらに感じやすくなるでしょう。
水分過多
アルコールではなくとも、水分の摂り過ぎで下痢を起こしてしまうこともありますが、アルコールの場合にはその作用が高まります。
体内に入ったアルコールは腸管の水分吸収作用を低下させ、便として排出する水分が多くなるため便が緩み下痢を起こしてしまうのです。
さらに、アルコール自体による水分もありますから、自然とアルコールの水分によって下痢となってしまう方が多くなります。
アルコールによる下痢を予防する対策
では、アルコールによる下痢を予防する方法はあるのでしょうか?
飲む前と飲んでいる最中にできる対策についてみていきましょう。
お酒を飲む前に腸内環境を整える
お酒による下痢を起こしやすい方は、お酒を飲む予定がある数日前から乳酸菌や食物繊維を意識的に摂取するようにしてください。
腸内環境を整え、栄養吸収をしやすくしておくことで、軽度のアルコール摂取なら下痢を予防することができるでしょう。
肝臓の働きを高めておく
アルコールを分解する肝臓の働きを高めておくことで、アルコール分解の際に排出される毒素による腸への影響を軽減させることができます。
お酒を飲む前にはサプリメントでもいいので、シジミなどの肝臓にいい食品を摂取しておきましょう。
お酒をゆっくりのむ
アルコールを急激に大量に摂取すると、吸収されない水分が増えるため下痢を起こしやすくなります。
お酒をゆっくり無理なく飲むことで、水分が少量ずつ吸収され下痢を予防することができるのです。
お酒は食事をしながら
お酒を飲むときには、できれば食事をしながらだと下痢を起こす可能性が低くなります。
おつまみのような軽めのものでも同じ効果が期待できますので、必ず何かを食べながらお酒を飲むようにしましょう。
たんぱく質が多い食品であれば尚いいでしょう。
冷たいお酒ばかり飲まない
アイスや冷たいジュースを飲むとおなかを壊してしまう、という方は冷たいお酒の飲み過ぎには注意です。
氷のたっぷり入ったサワー類は特に下痢を起こしやすいですから、熱燗やお湯割り焼酎、常温のお酒を飲むようにしてください。
「やっぱりサワー類が飲みたい」という方は、お店の方に「氷抜きで」と注文し、お酒が冷たくなり過ぎないようにするのも一つの手です。
まとめ
飲み過ぎて二日酔い、頭痛と吐き気だけでもつらいのに下痢もとなるとその日は一日何もできなくなってしまいます。
考えなしに飲んで二日酔いになるのは若い年代で終わりにして、年齢を重ねた大人だからできる「ゆとりのある飲み方」を実践し、大人ならではのお酒の楽しみ方を身につけていきたいですね。