RSウイルスにかかった時、どんな治療方法が使われるのでしょうか?
すぐに治る特効薬や、感染を防ぐワクチンはあるのでしょうか?
RSウイルスに感染して発熱する確率は、子供ほど高くなります。熱が長引けば、子供の体力も落ちてしまい治るのが遅くなってしまうこともあります。
今回は発熱時の対処法を中心とした、RSウイルスの治療方法についてまとめてみました。
RSウイルスの症状とは?
RSウイルスに感染すると、鼻水や咳、発熱など風邪と似たような症状があらわれます。中でも特徴的なのは、呼吸器系に激しい症状が出るという点です。
喉や気管支をウイルスが攻撃し、炎症を起こすため呼吸がしにくくなります。
咳が長期間続き、呼吸するときにのどがヒューヒューまたはゼーゼー鳴るというのもRSウイルス感染症の特徴です。
RSウイルスによる熱は、感染した年齢が低ければ低いほど高熱の出る可能性が高くなります。小学生以上の年齢になるとあまり高熱が出るということは少ないようですが、個々の体力や免疫力などにより個人差があります。
1歳未満の乳児では特に重症化しやすくなります。赤ちゃんが初めて熱を出したというような場合は、油断せずしっかりと観察してください。
熱が出る期間は?
RSウイルスは、大抵の場合感染してから2週間ほどで症状は治まります。発熱自体は、数日程度続くことがほとんどのようです。
稀に熱が上がったり下がったりを繰り返し、何度も症状がぶり返してしまうこともあるようです。
もし高熱が下がらない、微熱が続いているなど熱の症状が治まらない場合は、速やかに医師に相談しましょう。
症状が治まったからと言って油断は禁物です。病院から処方された薬は、きちんと飲み切るようにしましょう。
RSウイルス感染症は、重症化すると気管支炎や肺炎、さらには喘息も引き起こす厄介な病気です。熱が続くことにより体力が落ち、重い病気へ移行していくことも考えられるのです。
重症化して入院となる前に、心配なことがあれば病院でしっかりと診察してもらうことが大切なのです。
発熱時の対処法
RSウイルスだけではなく、風邪やインフルエンザの時にも役立つ発熱時の対処法は以下の通りです。
水分補給
まず大切なのは水分補給です。ただの水よりも、イオン飲料やスポーツドリンクなどミネラルやビタミンが入っているものがいいでしょう。
特にビタミンcは免疫力を高めてくれるので、ビタミンcの入ったスポーツドリンクがお薦めです。
冷やす
高熱が出ている場合は、大きな静脈の通っている場所を冷やすのも有効です。
よくおでこや頭を氷枕などで冷やしますが、高熱の場合あまり効果は期待できません。
39度以上の熱が出ている時は、わきの下や太ももの付け根などを冷やすことで、全身に冷やした血液が行きわたるようになり早く熱を下げることができます。
お薬
勿論、病院で解熱剤が処方されたならば、それを服用しましょう。そして必ず注意事項は守ってください。
投薬の間隔や薬の用量などを間違えてしまうと、乳幼児の体に影響が出てしまう恐れがあるからです。
大抵は39度近い発熱の場合、服用間隔は5時間程となっているのが一般的でしょう。乳幼児の場合座薬タイプだと、1本の3分の2など用量が細かいことが多いです。
ですので、しっかりと薬剤師さんの説明を聞いて服用、または使用してくださいね。
食べ物
熱によって食欲がない場合、ゼリータイプの栄養補給食や、すりおろしたリンゴなどを食べさせるようにしても良いでしょう。
離乳食の場合は、胃腸が弱っている可能性があるので、1段階戻した離乳食を食べさせるのが良いかもしれません。
年齢による治療方法の違い
これまで発熱に関する症状や対処法について説明してきました。
ここからはそれ以外の全体的な治療のポイントを、赤ちゃんと大人の場合に分けて紹介していきたいと思います。
赤ちゃんの場合
RSウイルス感染症とは、呼吸器全体に影響を及ぼす病気です。
中でも、乳幼児期に感染すると症状が重くなりやすいということで知られており、赤ちゃんを持つママにとっては脅威ともいえる病気です。
特に1歳未満の乳児には細心の注意が必要です。最悪肺炎や気管支炎での入院治療や、喘息への移行なども懸念されます。
RSウイルスの治療では、年代を問わず対症療法となります。ですので、乳児がRSウイルスに感染した場合、症状をよく観察することが大切です。
赤ちゃんはまだしゃべれませんから、病院ではママやパパが我が子がどのような症状で苦しんでいるのかをしっかりと医師に説明しなければいけないからです。
具体的な治療法として、一番悩まされる咳については咳止めや気管支を広げるお薬が処方されるのでそれを飲ませてあげてください。
薬の飲ませ方や回数については、医師や薬剤師からしっかりと説明を受けて間違いのないように行いましょう。
鼻水がひどい場合には、鼻水の吸引も行われます。
吸引を嫌がる赤ちゃんも多いかもしれませんが、心を鬼にして吸引してもらいましょう。鼻水があるのとないのとでは、赤ちゃんにかかる負担も相当変わります。
鼻水は咳の元でもあるので、吸引してもらうことにより咳の症状も少し落ち着くことが期待できます。
入院治療となると、このほかには点滴もされますし、定期的に酸素濃度を測ったりもします。肺炎を引き起こしている場合は、細菌に対して抗生物質を使っての治療も行われます。
大人の場合
大人の場合でも、治療に大差はありません。赤ちゃんと同じく対症療法になり、症状が落ち着くまで処方された薬を飲むことで治療します。
治療期間は大抵1週間ほどで、健康的な成人では重症化する恐れは殆どありません。
解熱剤が必要なほどの高熱が出ることもありませんが、38度以上の高熱が出ている場合には解熱剤が処方されます。ほかには痰切れを良くしたり咳を止めるようなお薬が処方されるでしょう。
大人が感染した場合には風邪による感染症状と何ら変わりはないので、病院を受診する人も少ないでしょう。但し、ご家庭に乳幼児がいらっしゃる方はしっかりと病院にて治療を行うことをお薦めします。
さらに、もし妊娠中に感染してしまった場合には、すぐにかかりつけの産婦人科にて相談しましょう。
妊婦さんの場合は飲める薬と飲めない薬があるので、産婦人科ではなく内科へかかる場合には、きちんと妊娠していることを医師に告げてくださいね。
ワクチンや特効薬はあるの?
赤ちゃんがかかると厄介なRSウイルスですが、残念ながら今のところ特効薬やワクチンの接種はありません。
しかし、早産や特別な持病のある乳児へのRSウイルス感染症予防法として、パリビズマブという抗体製剤を投与することができます。
ですが、これはRSウイルス感染によって命の危険に晒されることが予想される先天性疾患を持って生まれてきた乳児が対象なので、殆どの子供は受けることができません。
RSウイルスへの有効な対策は、なるべく感染しないように気を付けることしかありません。
ウイルスが蔓延する季節には人混みを避ける、出かけるときにはマスクを着用するなど、できるだけ自衛に努めましょう。
水のいらない消毒ジェルなどを持ち歩き、いつでも消毒できるようにしておくのもおすすめです。
まとめ
RSウイルスは普通の風邪と見分けがつきにくく、気づけば肺炎を起こしていたということも少なくありません。
特に発熱がある場合には、症状が治まるまでに時間がかかることが考えられますので、きちんと対処していくことが必要です。
いつまでも咳が止まらず苦しいRSウイルス感染症ですが、治療は対症療法しかないため病状が治まるまでは子供も大人もつらい症状と付き合わなくてはいけないようです。
秋から春までは様々なウイルスが蔓延しますから、しっかりと感染予防に努めて健康な毎日を過ごせるようにしたいですね!