ノロウイルスに効く消毒液は、どのようなものでしょうか?
普段、除菌の代名詞のように使われている「アレ」は実は効果がありません。
しかし心配いりません。私たちの身近にあるものが活躍してくれるのです。そしてその作り方も今回紹介しちゃいますね!
そして嘔吐物の処理方法や注意点も合わせて見ていくことにしましょう。
ノロウイルスはアルコールでは除菌できない
まず大事なことは、ノロウイルスはアルコール除菌できないということ。その理由はノロウイルスの分子構造が関係しています。
ウイルスの代表格といえるインフルエンザウイルスには、エンベロープという膜があります。その膜をアルコールで溶かすことによって死滅に追い込むことができるのです。
しかし、ノロウイルスにはこのエンベロープがありません。そのためアルコールでは死滅に追い込むことはできないのですね。
同じくエンベロープがないウイルスとして、ロタウイルスやアデノウイルスが有名です。
次亜塩素酸ナトリウム液が効果的
では、このノロウイルスをやっつけようとしたら、どうしたらよいでしょう?
実はノロウイルスの消毒に効くのは、次塩素酸ナトリウム液だけです。これは厚生労働省も推奨しています。
では何故これが有効なのでしょうか?
それは次亜塩素ナトリウムに含まれる遊離塩素類が、ノロウイルスの構造を破壊して死滅に追い込むのですね。
次亜塩素酸ナトリウムは、ドラッグストアで販売されている塩素系漂白剤、いわゆるハイターを薄めて使用してください。
濃度については各メーカーでまちまちですが、大体目安としては100ppm~200ppmの値を基準としてください。
そしてその次亜塩素系の消毒液は、簡単に自宅で自作することができます。これから順を追って作り方を説明していきましょう。
ハイター消毒液の作り方
さて、このハイターでの消毒液。作り方も結構かんたんです。
まず大事なことは、使用するハイターはキッチンハイターを使うこと。キッチンハイターでなければならない理由は、それが塩素系漂白剤だからです。
似た名前の洗剤でワイドハイターという物があります。しかしこれは酸素系洗剤なので、ノロウイルスの消毒には向いていないのです。なので、購入するときはしっかり確認して下さいね。
調理用具やドアノブへの用途
まずは、ドアノブやトイレなどの消毒に適した濃度の場合です。
基準としましては、濃度は消毒液が0.02パーセント以上になります。これ以上濃くしてしまうと、金属部が錆びる可能性がありますので気を付けましょう。
除菌液の作り方
- 2Lのペットボトルに半分ぐらい水を入れます。
- ペットボトルにキャップ2杯分のキッチンハイターを入れます。
- 良くかき混ぜて、ペットボトルがある程度一杯になるまで水を足したら完成です。
簡単ですね!
除菌液の使い方
まず消毒したい調理器具やキッチンなどに次亜塩素酸ナトリウムを拭きかけます。その後15秒ぐらい経過した後で拭き取る、これを2回ほど繰り返して行ないます。
この方法はトイレや便座などにも有効です。
嘔吐物への用途
次は、下痢や嘔吐物に直接使用するための消毒液の作り方です。
次亜塩素ナトリウムは、嘔吐物や下痢に触れると濃度が低下してしまうので、濃いめに作ることがポイントになります。
作り方の手順としては上記と一緒ですが、消毒液の濃度は先ほどより少々濃くして、0.1パーセントが基準になります。
除菌液の作り方
- 2Lのペットボトルに半分ぐらい水を入れます。
- ペットボトルにキャップ8杯分のキッチンハイターを入れます。
- 良くかき混ぜて、ペットボトルがある程度一杯になるまで水を足したら完成です。
除菌液の使い方
嘔吐物については、これでもかというぐらいの重装備で望んでください。頭は帽子を被るようにして、嘔吐物が髪の毛に付かないように注意を払ってください。
帽子がなければ三角巾でもよいですが、頭がすっぽりと被れる物を使用してください。
目はゴーグルで守り、口と鼻はマスクで守りましょう。こうすることで、嘔吐物処理の過程で飛び散る飛沫等の吸い込みを防ぎます。
この他は、膝下まで隠れるエプロンやゴム手袋、靴カバーなどを履いて嘔吐物には触れない距離感を保つことが重要です。
ビニール袋やペーパータオルなどを付近に用意しておくと何かと便利です。
嘔吐物の処理の仕方は、ペーパータオルでまず嘔吐物を覆います。次に、その上からナトリウムをかけて10分以上放置して下さい。
その後、覆ったペーパータオルを回収し、大きいゴミ袋に入れて廃棄して下さい。
衣類や寝具に嘔吐物が付着してしまった場合は?
嘔吐物が付着した衣類についての洗濯方法です。
最良なのは、ノロウイルスに感染した人の衣服については、可能であれば廃棄してしまうことです。しかし、そうもいかない時のために、洗濯方法を紹介しておきます。
まず大きめのバケツを用意し、250倍に薄めた塩素系の漂白剤に漬け込みます。バケツが見当たらない場合は、洗濯機に水をためて漂白します。
洗濯畿内の水の量が水10リットルに対して40CCの割合で漂白します。そのまま30分放置後漂白剤を捨てて、洗剤を投入し洗濯します。すすぎは念入りに2回行なって下さい。
この他、洗濯などでは対応できない大きい物、布団等は熱殺菌を行ないます。これについてはアイロンと布団乾燥機を使います。
ノロウイルスが死滅すると言われて居る温度85度以上で熱殺菌する事がポイントとなります。
まとめ
ノロウイルスの消毒には、次亜塩素ナトリウムが唯一の効果的な方法です。この有効な成分が入っているかを、お店で購入するときに確認することが大切ですね。
そしてノロウイルスは、季節に関係なく条件が揃えば感染してしまう病気です。もし家族が感染してしまっても、二次感染を防いで適切な処置をできるようにしましょう!