本記事は、下記の医学書などに基づき医師が執筆いたしました。
「今日の治療指針2014」
「南江堂 医学大事典」
「日本医師会雑誌 呼吸器疾患診療マニュアル」

特に秋口になってくると、症状があらわれてくるのが喘息です。

子供に多く見られる疾患ですが、大人になってからも発症する方も多いです。

今回は、大人の喘息の原因や症状、治療法をまとめましたので、お役に立てれば幸いです。

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大人が喘息になる原因

アレルギー

気道に侵入してきたホコリやダニなどにアレルギー反応を示すことにより起こります。

これらを排出しようとして、気管の筋肉を収縮させます。

気道から洗い流そうと粘液を分泌させます。

 

これらが急激に起こることで、激しく繰り返すせきや痰、呼吸苦といった喘息症状が生じます。

アレルギー反応が原因で発生する喘息のことをアトピー型喘息とよばれることがあります。

気道の炎症

  • タバコの煙や排気ガスの吸い込み
  • 気温や湿度などの環境の変化
  • 精神的なストレス

が引き金となって気道に炎症が起こり、喘息症状が発現します。

大人にみられる喘息の症状

ここでは大人にみられる喘息の症状として、以下の4つのケースをご紹介します。

当てはまる場合は、喘息の疑いがあるかもしれません。

喘鳴(ぜんめい)

喘鳴とは、息をする時に、「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった口笛を吹いた様な高い音が出る現象です。

喘鳴が起こる原因は、炎症を起こしたことで気道が狭くなったことにあります。

 

気道が狭くなると空気の通りが悪くなります。

狭いところ空気が流れるためにこのような音が起こります。

呼吸苦

呼吸苦とは息苦しさのことで、呼吸困難という言い方をすることもあります。

喘息の場合の呼吸苦は、繰り返し起こることが特徴です。

止まらない咳

せきを繰り返すのも喘息の症状のひとつです。

せきは特に夜間や早朝に発症しやすいという特性があります。

起座呼吸(きざこきゅう)

起座呼吸とは、とてもつらい息苦しさを緩和するために、前屈みに座り込んでしまうことです。

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大人の喘息の治療法

喘息の治療法は、薬物療法になり、空気の通り道である気道の閉塞と炎症の療法を治すことを目的に行なわれます。

喘息の治療は、長期にわたって行なわれます。

 

長期管理を行なう目的は、喘息の急性発作を減少させ、喘息による死亡を予防することです。

喘息の場合の薬物療法は、喘息の重症度に応じてステップ1〜4までの4種類にわけられています。

ステップ1

ステップ1は喘息症状はあるけれども毎週起こるわけではない状態です。

喘息の症状は軽度で、発生しても短時間で終わります。

夜間の喘息発作は月に1回程度です。

ステップ2

ステップ2は、喘息症状は毎週起こっているが毎日ではない状態です。

そのうち月1回以上の頻度で、日常生活や睡眠が妨げられる程度の喘息発作が起こります。

夜間の喘息発作は月2回以上生じます。

ステップ3

ステップ3は喘息症状が毎日起こっている状態です。

毎日起こる喘息発作のうち、1週間に1回以上の発生頻度で日常生活や睡眠を妨げる喘息発作がおこります。

吸入ステロイド薬の発作時使用が、ほぼ連日行なわれるようになります。

週1回以上夜間に喘息発作が起こります。

ステップ4

ステップ4は、喘息症状により日常生活が妨げられている状態です。

喘息発作の強さは、日常生活を制限してしまうほどです。

喘息治療を受けていても、しばしば増悪してしまいます。

喘息の長期管理における治療法

長期管理は、喘息症状有無に関係なく継続的に行なわれます。

喘息症状に即効性を示すタイプの気管支拡張薬や、炎症を緩和したり長時間作用性のある気管支拡張薬が組み合わされて用いられます。

 

前者としては、テオフィリン薬やβ2刺激薬が使われます。

テオフィリン薬は、ステップ1〜4の各段階での適応がありますが、β2刺激薬はステップ2以上に限られます。

 

後者は、吸入ステロイド薬が用いられます。

吸入ステロイド薬には、低用量、中用量、高用量があり、各ステップに応じて使い分けます。

 

ステップ1であれば、吸入ステロイド薬(低用量)の使用を考慮するとされていますが、ステップ2以上は吸入ステロイド薬を連用することとなります。

ステップ2なら低用量、ステップ3なら中用量、ステップ4なら高用量の吸入ステロイド薬です。

全てのステップにおいて、吸入ステロイド薬を早期に、そして積極的に使用が推奨されています。

喘息が再発した場合の治療法

喘息は、適切に治療が行なわれていても急に発作が起こることがあります。

これを急性増悪といいます。

 

発作の状態は、軽度・中等度・高度の3段階に分類されています。

軽度発作は安静にした時に横になれる状態、中等度発作は安静にした時にも呼吸苦が生じて横になれない状態、そして高度発作は呼吸苦が激しく動くことはおろか、会話さえも難しい状態です。

 

軽度発作であれば、吸入ステロイド薬などを用いた治療を行ないます。

自宅治療は可能です。

中等度発作以上では、救急外来を受診する必要があります。

救急外来を受診して1〜2時間以内に症状が改善出来れば帰宅も可能ですが、そうでない場合は入院治療になります。

呼吸が弱くなる、もしくは呼吸が停止した様な状態であれば、直ちに入院となり、集中治療室管理とされます。

まとめ

今回は、大人の喘息の原因、症状、治療法をまとめてみました。

大人の喘息は、繰り返すせきや喘鳴、呼吸苦などを認めます。

その症状は悪化すると、喘息死とよばれる死亡するリスクもある病気です。

ですので喘息の治療は、状態に応じた適切な長期管理を行なうことで急性増悪を減らし、喘息死を無くすことを目指していくものです。

参考文献:
「今日の治療指針2014」
「南江堂 医学大事典」
「日本医師会雑誌 呼吸器疾患診療マニュアル」

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