咳が続いて風邪が治らないと思っていたら、マイコプラズマに感染していたという方はいませんか?
発熱から始まり、熱が下がった後も咳だけが長く続くような時は、マイコプラズマに感染している可能性があります。
自然に治ることもありますが、年齢や体質によっては重症化して入院が必要となる病気です。
また症状も風邪に似ていることから、普段通りに生活をして他の人にうつしてしまったなんてこともありえますよね。
今回は、マイコプラズマの潜伏期間・感染力・感染経路などを徹底解説していきます。
マイコプラズマ肺炎とは?
子供が多くかかると言われているマイコプラズマ肺炎ですが、大人もかかる病気です。
子供では、5歳から14歳くらいの幼児期から学童期にかけて多く発症します。
症状が風邪と似ていることから、マイコプラズマ肺炎に感染したと気づかないこともあり、風邪をひいたのかな?と思っていたら実はマイコプラズマに感染していたなんてこともあり得るのです。
マイコプラズマは、肺炎マイコプラズマ菌と呼ばれる微生物で、細菌の仲間に分類されます。
感染は4年~5年くらいの周期で流行るため、オリンピック病と言われることがあります。
近年ではこの周期に関係なく、秋から春先にかけて流行る傾向があります。
マイコプラズマは、鼻や喉の粘膜に付着して細胞の数を増やしながら増殖していきます。
そして自己で増殖が可能な菌で、細胞壁を持たないのが特徴です。
一度かかっても何度もかかる病気で、感染者の咳やくしゃみを浴びてうつってしまうことがあり、特に学校や会社など集団生活を送る場所でうつりやすいと言えます。
そのため周囲の友達や家族、職場の人などマイコプラズマにかかっている場合は、条件によってはうつってしまう確率が高くなります。
マイコプラズマ肺炎にかかると、発熱や頭痛、全身倦怠感から始まり、咳は3日~1週間以内に出てきます。
乾いた咳が特徴で、咳は約1ヶ月くらい続くことがありますが、症状の後半頃になると湿った咳が聞かれるようになります。
肺炎と名前は付いていますが、実際は気管支炎などで終わってしまうこともあり、通常の風邪かマイコプラズマにかかっているか判断するには、咳の状態が参考になるでしょう。
マイコプラズマの咳は、痰が少ない乾いた咳で夜中に咳の症状が激しくなる傾向があります。
咳止めなどが効かない場合は、感染しているかもしれません。
症状にも個人差があり、症状が軽いと感染していると気づかずに外出したり、会社などに出勤して周囲にうつしてしまうこともあり、注意が必要です。
マイコプラズマの潜伏期間
マイコプラズマは微生物による感染で、多くの人が集まる場所で感染しやすくなります。
潜伏期間は2週間~3週間と長く、潜伏期間でもうつしてしまうことがあります。
症状は発熱や頭痛、倦怠感などが主な症状になりますが、鼻水やくしゃみなどが出ることがあります。
咳が出るのは、熱が出て約3日目くらいから症状が出始め、乾いた咳から徐々に湿った咳に変化していきます。
咳は初期の頃はそれほどひどくはないですが、日数が経過するごとに咳の症状が強く出るようになります。
熱が下がっても咳だけは残ってしまい、約1ヶ月は咳が続きます。
咳が出ている間は菌も排菌していることになるので、潜伏期間から症状が治まるまでを合わせると、約1か月近く注意しなければなりません。
マイコプラズマの感染力
病気のなかには細菌やウィルスの感染力が強く、簡単にうつってしまうものもあります。
マイコプラズマは、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニア)と呼ばれる細菌の一種によって感染します。
マイコプラズマの感染力は比較的弱いですが、濃厚接触と言って1日中一緒にいる時間が長いとうつりやすい細菌です。
例えば家族や仲の良い友達など、一緒に過ごす時間が長かったりすると感染しやすくなります。
学校など集団生活を行っていても、菌の感染力が弱いため通常の学校生活でうつってしまうことは少ないですが、仲良しの友達とたくさん話をするなど密接に過ごしていると感染してしまうかもしれません。
このように感染力が弱いため、地域などでマイコプラズマ肺炎が流行っても感染が拡がるまでには時間がかかります。
菌自体は自己増殖することができますが、増殖する能力は低い菌なのです。
マイコプラズマの感染経路
感染経路とは細菌やウィルスが何らかの方法で、まだ病気を発症していない人の体の中に侵入して、病気を起こすことを言います。
では、マイコプラズマはどのような方法でうつってしまうのでしょうか?
ここではマイコプラズマの感染経路について説明します。
飛沫感染
マイコプラズマにかかった場合、症状が出るまでに約3週間~4週間程度かかりますが、感染する経路として飛沫感染があります。
飛沫感染とは、感染した人の咳やくしゃみなどを浴びた時にうつってしまう感染のことを言い、唾液や鼻水などが喉や鼻の粘膜に付着して感染してしまいます。
感染者と話をしている時に感染者がくしゃみをしたり、咳などをして唾液などを浴びてしまうと感染する確率が高くなります。
接触感染
接触感染は、ドアノブや手すり、オフィスの電話機など身の回りの物を触って感染してしまう経路を言います。
病気にかかった人が菌の付いた手でドアノブや手すりを触り、健康な人がそれらの菌の付いた場所を触った後に、口に物を運んだりすると感染してしまいます。
皮膚科領域の病気に多い感染経路ですが、マイコプラズマやノロウィルス、インフルエンザなどでも見かける感染経路ですね。
マイコプラズマの予防法
病気にかからないためには、日常生活の過ごし方で病気を未然に防ぐことができたり、マイコプラズマの感染経路などを考えると予防することができます。
特別に難しいこともなく、日頃から行っている方法でマイコプラズマにかからなように予防することができるので実践してくださいね。
手洗い・うがい
基本的なことですが、マイコプラズマの菌は喉の粘膜や手などに付着します。
帰宅したら手洗いやうがいを実行するだけで、感染する確率が低くなります。
特に調理をする前や食事をする前の手洗いは大切ですね。
菌の付いた手で物を食べると、口から細菌やウィルスが侵入しやすくなってしまいます。
マスクを着用する
マスクは、くしゃみや咳などを経由した感染から身を守ることができます。
マイコプラズマ以外でも、インフルエンザなどのウィルスからも身を守ることができます。
規則正しい生活
規則正しい生活は、健康な毎日を送るのに大切なことです。
睡眠不足や不規則な生活は、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。
早寝早起きを習慣にすると、体調が整い免疫力も高くなります。
栄養バランスの摂れた食事
外食が多かったり、好き嫌いをしていると体に必要な栄養素が取り込めず、病気に対する抵抗力がなくなってしまいます。
緑黄色野菜や果物、穀物などバランスよく食べて体に必要な栄養を送ってあげましょう。
偏った栄養は体調不良の原因にもなります。
栄養の摂れた食事は体を丈夫にするだけではなく、体調も整えてくれます。
感染している人に近づかない
風邪をひいている人や、マイコプラズマにかかっている可能性が高い人に、近づかないようにすることが大切です。
友達にマイコプラズマにかかっている人がいれば接触を避けたり、家族なら寝室を別にするなどで対策して下さい。
家族内では、一緒に暮らしているため感染しやすくなるので、家の中でもマスクを着けるなどして感染に注意しましょう。
まとめ
マイコプラズマは感染力は低いですが、家族や仲の良い友達など長い時間過ごすことでうつってしまいます。
感染を防ぐには、手洗いやうがいなど日常的に行っていることで予防できるので、帰宅したら習慣づけるようにすると良いですね。
ここで紹介した方法は、マイコプラズマ感染以外にもインフルエンザなどの流行期にも役立ちますよ。
参考文献
「薬剤耐性マイコプラズマの現状と今後の展望」
「国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎とは」
「EO健康 ヘルスケア情報」