頭痛は様々な原因でおこりますが、「食」による要因も無視できません。
頭痛に対する対処をきちんと施し、その上で食事に気を使われる方には、今回の記事はお役に立てるでしょう。
今までご自身の経験上から、頭痛に良さそう、悪そうとイメージしていた飲食物を、根拠を添えてご紹介していきます。
頭痛を和らげる食べ物
まずは頭痛を和らげる食べ物から紹介していきましょう。
もちろん個人差はあるのは否めませんが、この中にあなたの頭痛を軽減させるヒントが見つかると思います。
野菜(シソ、パセリ、オクラ)
これらの食べ物にはマグネシウムが多く含まれています。
マグネシウムには肩こりや頭痛の時の筋肉の緊張を取る効果があります。
これらの食べ物からマグネシウムを摂取することによって、頭痛が起きる回数を減らしたり、痛みを軽減させることができます。
片頭痛の時に起こる脳の血管の拡張に関係のあるセロトニンという物質は、マグネシウムイオンとカルシウムイオンのバランスが重要となります。
マグネシウム不足は電気的に異常を起こす片頭痛の原因となります。
大豆製品(味噌、豆腐、納豆、枝豆、きな粉)
これらの食べ物にも、マグネシウムが多く含まれています。
緊張性頭痛を和らげるような、筋肉の緊張をほぐすような効果があります。
大豆製品はこのほかにもたくさんありますので、例えば「納豆が苦手だとしてもお豆腐なら大丈夫」だとか、自分で上手に食事に取り入れていきましょう。
魚介類(いわし、しらす干し、干しエビ、かつお節、スルメ、アサリ、イクラ)
これら魚介類にも、マグネシウムが多く含まれています。
魚が苦手な方も、かつお節やスルメなら大丈夫なのではないでしょうか?
魚そのものよりも、干したり乾燥させた加工品のほうがマグネシウムはより多く含まれています。
お出汁でとるのも良い方法かもしれませんね。
海藻類(ワカメ、ひじき、とろろ昆布)
これらの食べ物にもマグネシウムが多く含まれています。
海藻類だけを毎日たくさん食べるのはなかなか難しいかもしれませんが、先程の食べ物と組み合わせると上手に摂取できるかもしれません。
例えば、お味噌汁に、かつおだし、豆腐、わかめ、油揚げの具を入れる。
それだけで、マグネシウムがたくさんとれますね。
木の実や種(ゴマ、アーモンド、ピーナッツ)
これら木の実などにもマグネシウムが含まれています。
ほうれん草のゴマ和えなどにすると、たくさん食べることができますね。
ヨーグルト、チーズ
これらの食べ物に含まれているビフィズス菌は、先程ご紹介したマグネシウムを多く含む食品と一緒にとることで、マグネシウムの吸収がさらによくなるのでオススメです。
カルシウムも同時に取る事ができますので、イオンバランスが良くなりますね。
ごぼう、ハチミツ、バナナ
これらにはオリゴ糖が多く含まれています。
先程ご紹介したマグネシウムを多く含む食品と共に摂取すると、こちらもマグネシウムの吸収がさらに良くなるので、組み合わせて上手にとるとよいでしょう。
レバー、うなぎ、卵
レバー、うなぎ、卵などにはビタミンB2が多く含まれており、特に片頭痛がある人には効果がある食べ物です。
片頭痛が起きる時は、脳の中のセロトニンの量が低下して脳が過敏な状態になっています。
体内のミトコンドリアの代謝機能がうまく働かない時に体のあちこちで不具合が生じますが、脳内では神経系の働きが下がってしまい、セロトニンの量が減ってしまいます。
片頭痛の人は体質的に元からミトコンドリアの働きが悪いようです。
そして、ミトコンドリアの働きを回復させ、セロトニンの放出機能を補う効果があるのがビタミンB2 なのです。
大豆製品、牛乳、チーズ、肉類、魚介類、ナッツ類
これまでご紹介してきた食品と多々重複しますが、これらの食品にはトリプトファンという必須アミノ酸も多く含まれています。
このトリプトファンを代謝する際に作られるセロトニンという物質は、痛みに対する感覚を抑えるような作用がありますので、頭痛も感じにくくなる効果が期待できます。
ほうれん草などの緑黄色野菜、大豆、イチゴ
これらの食品にはビタミンA、C、Eが多く含まれています。
これは抗酸化作用があるので、活性酸素を除去する働きに作用して、頭痛を和らげることが期待できます
えごま油
えごまというシソ科の植物の種から抽出した油です。
片頭痛に良いとされる、オメガ3脂肪酸が多く含まれている食品です。
抗酸化作用が強く、ミントのような青みのある味です。
加熱すると酸化してしまうので、加熱調理でなく生のままで使うと良いでしょう。
亜麻仁油
この亜麻仁油にもオメガ3脂肪酸が多く含まれていますので、片頭痛を軽減させる効果があります。
亜麻という植物の種から抽出した油で、コクがあり風味もよいです。
加熱すると酸化してしまうので、アボカドにかけたりサラダにかけたりして食べるとよいでしょう。
アメ
お腹がすいたときなど、血糖値が低くなっている時に頭痛が起こる場合があります。
そのようなときには、アメをなめてみるもの良いでしょう。
簡単に糖分を取る事ができて、頭痛が起こるのを防ぐことが出来ます。
頭痛を和らげる飲み物
お次は、頭痛を和わらげる飲み物のご紹介です。
食べ物よりも手軽に摂ることができるので、ちょっとした休憩の合間にいかがでしょうか。
コーヒー、紅茶、緑茶
コーヒー、紅茶、緑茶など、これらにはカフェインが含まれています。
カフェインには血管を収縮させる効果がありますので、片頭痛のように血管が拡張して痛む場合の頭痛には効果があります。
この時はホットでなく、アイスで飲んだ方が効き目があるかもしれません。
ホットでもダメというわけではありませんが、ホットで飲むと体が温まるので血流がよくなり、片頭痛の場合はひどくなってしまう恐れがあるためです。
ハーブティー
スッキリとしたハーブティーを飲むことは、気分もリラックスできて頭痛も和らげることができます。
頭痛の時にリラックスする時間をとる事は大切です。
回復にも多いに関わっています。
ハーブティーにもいろいろ種類はありますが、ラベンダーやミントなどがリラックス効果があるでしょう。
しかし自分の好きな香りやお気に入りのハーブがあれば、特にこだわらず好きな種類を飲んで、気分転換やリラックス効果をはかりましょう。
豆乳
マグネシウムが多く含まれる大豆から作られている豆乳は、頭痛を改善する効果を期待できて、簡単に大豆製品をとることができる飲み物ですね。
もし、女性が生理前などのホルモンバランスの乱れからくる頭痛に悩まされている場合には、大豆製品には女性ホルモンに似た物質が含まれていますので、そのような種類の頭痛にも効果があるでしょう。
ホットチョコレート、ココア
チョコレートやココアなどのカカオには、ポリフェノールが多く含まれています。
これらは血管を拡張させる働きを持ちますので、頭痛のときに飲むと痛みを和らげることができるでしょう。
チョコレートやココアの香りも癒し効果がありますので、さらにリラックスできますね。
頭痛を悪化させる食べ物・飲み物
最後に、頭痛を悪化させる食べ物と飲み物のご紹介です。
飲んだからといって必ず悪化するものではありませんが、これから挙げる飲み物は頭が痛いときにわざわざ飲むこともないでしょう。
赤ワイン
一般的に赤ワインに含まれるポリフェノールは体に良いとされていますが、血管を拡張させる効果があるので片頭痛のある人には向きません。
防腐剤が多く含まれている物もあり、防腐剤に使われる亜硝酸が血管の拡張を促進させ、片頭痛の引き金になる場合もあります。
ソーセージ、サラミ
ソーセージやサラミには防腐剤として亜硝酸ナトリウムという成分が含まれていることが多く、この亜硝酸ナトリウムは血管を拡張させる作用があります。
片頭痛の引き金となったり、片頭痛が起きている時に食べると悪化させてしまう恐れがあります。
チーズ、柑橘類
チーズや柑橘類には、血管の収縮作用のあるチラミンという物質が含まれています。
これらを食べると緊張性頭痛を起こしやすくなります。
チョコレート
先ほどチョコレートに含まれるポリフェノールは、体に良い効果をもたらすとして紹介しました。
しかしそれと矛盾するようですが、チョコレートに含まれるチラミンという物質によって、頭痛を引き起こす場合もあります。
ですので、頭痛時にチョコレートを食することの是非は、少々判断が難しいところですね。
中華料理
中華料理などで多く使われる調味料の成分でグルタミン酸ナトリウムというものがあります。
この成分も、頭痛が引き起こされる原因となることがあるので注意が必要です。
まとめ
一言で頭痛に良い食べ物、悪い食べ物と言っても、それは様々です。
その時の頭痛の種類だったり、食べ物に含まれる成分の量だったり、その時の体調だったりによるので、効果がある場合も逆効果になる場合もあります。
この記事を参考にしていただき、自分に合った食べ物や飲み物をうまく生活に取り入れて、嫌な頭痛の症状を和らげることができるといいですね。
参考文献
「Pfizer スッきりんの頭痛講座」
「Medical.eisai.jp 片頭痛の病態と誘発因子」
「Medical.eisai.jp 頭痛レシピ」