一度発症すると完治が難しい病気が蓄膿症です。
蓄膿症によって鼻の中に膿がたまると、悪臭で食べ物の味やにおいが全く分からなくなったりしてとても辛いんですよね。
今回は、蓄膿症はどのような病気なのか、そして蓄膿症によって溜まった膿を出す7つの方法についてご紹介します。
蓄膿症とは
蓄膿症とは、鼻の中の副鼻腔に炎症を起こすことで副鼻腔に膿がたまり、悪臭や鼻づまりといった不快な症状を引き起こす病気です。
花粉やカビ、風邪などが原因となり副鼻腔炎となり、その症状が3か月以上続くと慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と診断されます。
蓄膿症が悪化すると、頭痛や発熱、歯の痛みといったような症状も見られ、完治までには期間を要します。
まずは病院で診察を受けることが先決
蓄膿症になると、自分で治すことはまず難しいでしょう。
蓄膿症かもしれないと感じたら、病院で診察を受けることが先決となります。
蓄膿症の診察・治療は耳鼻科で行ってもらえます。
鼻づまりや悪臭を常に感じ、頭痛やめまいといった症状がある場合には一刻も早く耳鼻科にて診察・治療してもらいましょう。
蓄膿症の膿の出し方
ここからは、辛い蓄膿症の膿を排出する方法について7つ紹介していきます。
自宅で出来るものから、病院で行われる治療法まで様々な方法を解説いたします。
鼻うがい
蓄膿症の辛い症状を緩和させるために、鼻うがいは有効です。
鼻うがいとは、ぬるま湯に少量の食塩を加えたっ生理食塩水を片側の鼻の穴から入れ、反対の鼻の穴から出すというものです。
生理食塩水は、1リットルの水に9グラムの食塩を入れて作ります。
この際、水道水を使用する場合には一度煮沸し消毒する必要があります。
鼻うがいに使用できるおすすめの市販器具と使用上の注意については以下の通りです。
スタンダードタイプ鼻洗浄器 ハナクリーンα
本体に40度のぬるま湯と専用洗浄剤を投入し、ノズルを片方の鼻の穴にセット、ポンプを押して鼻を洗浄します。
使用方法が簡単なので、子供や年配の方でも負担なく使用できます。
本体ポンプの押し加減で水流の強さが調節できるようになっておりますので、ポンプの押し過ぎには注意が必要です。
らくらく鼻洗浄器 スッキリヘゴタロー
携帯用の小型鼻洗浄器です。
本体にぬるま湯と少量の塩を加え、鼻先にノズルを当て本体を押して鼻に温水を送り込み洗浄します。
ノズルには逆流防止弁がついているので、鼻水や膿が本体内に逆流してしまうことはありません。
エネマシリンジ 鼻洗浄用
ホースの中央にポンプがついている、お馴染みの鼻洗浄器です。
この鼻洗浄器を使用する際には、本体とは別に洗浄液を入れておく容器が必要になります。
ノズルの片方を鼻に、もう片方を洗浄液入りの容器に入れ、中央のポンプで洗浄液を送り込み鼻を洗浄します。
鼻汁吸引機の使用
アスピレーターM20
吸引と鼻洗浄の両方ができる高性能電動鼻水吸引器がアスピレーターM20です。
市販のものの中では強力な吸引力を持ち、安心の3年保証付きで長く使うことができます。
パワースマイル KS-700
医療機器承認取得の安心できる日本製電動鼻水吸引器パワースマイルKS-700は、カセット式のバッテリーでどこにでも持ち運んで使えるのが特徴です。
フル充電で90分の使用可能、吸引力にも定評があり、旅先や停電などの緊急時にもおすすめです。
電動式鼻洗浄機の使用
ハナオート 日光精器
タンクに温水を入れ、付属のスプーンで1杯分の食塩を入れてノズルを鼻の片側にさし、スイッチを入れるだけで簡単に鼻洗浄ができます。
連続して強い水流が鼻に流れ、手動よりも的確に洗浄することが可能です。
ネブライザー療法
ネブライザー療法とは、薬液を噴霧状にして鼻や口から吸引する治療法のことを言います。
抗菌薬やステロイド剤を細かな霧状にして吸引するというこの治療法は、薬による副作用も少なく、体に負担がかからない副鼻腔炎の治療法として、小さな子供や高齢者でも簡単に行える安全な治療法です。
ツボ押し
蓄膿症による症状を緩和したり、膿の排出を助けてくれると言われるツボを3つご紹介します。
※ツボ押しの際には力の入れすぎに注意し、ゆっくりと押すようにしましょう。
上星
顔の左右の中心、髪の生え際から頭の先に向かって2センチ程度の場所にある上星は、鼻水や膿の排出を促し、鼻づまりの改善に効果が期待できると言うツボです。
指の先で、鼻の方へ向かうような気持ちで下にゆっくり押します。
印堂
眉間の中央にある印堂は、鼻づまりだけではなく精神の安定やニキビなどの症状も改善してくれるツボです。
指でゆっくりと押したら、そのまま1分弱押し続け、ゆっくりと指を離します。
迎香
小鼻の両脇にあるツボが迎香です。
こちらも鼻詰まりや鼻水、膿の排出に効果があるとされています。
鼻を優しく包むように、両脇の迎香を両手の人差し指で静かに押します。力の入れすぎに注意しましょう。
薬物療法
病院で行われる薬物療法では、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎で少し治療内容に違いがあります。
急性副鼻腔炎の場合
急性副鼻腔炎の場合には、消炎酵素薬や解熱剤とともに抗菌薬を2週間程度飲み続けるという薬物療法が一般的です。
慢性副鼻腔炎の場合
慢性副鼻腔炎の場合には、気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬などを用い、鼻水や痰を出しやすくする薬が処方されます。
そのほか、少量の抗菌薬を長期間にわたって服用するという、あまり一般的ではない治療法が行われることもあります。
手術
薬物療法、耳鼻科での鼻吸引・鼻洗浄を行っても副鼻腔炎が治癒しない場合には、手術による治療が行われることもあります。
この手術では、炎症を起こしている鼻粘膜や鼻ポリープを内視鏡によって取り除くのが一般的です。
以前は鼻の中を切開する必要があったため、患者への体の負担も大きく手術に踏み切れないこともありました。
しかし、内視鏡による手術が普及したことにより、手術を行う人は増えている傾向にあるようです。
但し、手術後にも完治までには薬物や吸引などといった治療を続けていく必要があります。
まとめ
蓄膿症の辛さは、患者にしか分からないものです。
病院で治療を受けていたとしても、毎日の生活の中で不快に感じたり不便に思うことは多々あります。
病院で行う治療の補助として自身で鼻洗浄や吸引を行うのであれば、医師にキチンと相談し、治療の邪魔にならないようにする工夫も必要です。