今日はなんだか体調が優れなく、だるいなぁと思っていると、徐々に訪れる悪寒と関節痛。
風邪からくる発熱によるものが殆どのように感じますが、それ以外にも悪寒や関節痛の原因となるものがいくつかあるようです。
今回は、悪寒や関節痛の原因と対処法について徹底解説いたします。
悪寒の原因
悪寒の原因として第一に考えられるのは、ウイルスや細菌が体内に侵入したことによる生理機能です。
ウイルスや細菌が体内に侵入すると、その動きを制限させるために体はまず血管を閉じて血流量を低下させます。
さらに、体温を上昇させることでよりウイルスの動きを鈍くさせ、自己の免疫力を高めることができます。
この時、わざと脳内では「今は寒い」というように感じさせる働きが起き、そのことでより体温上昇をスムーズにします。
その為、熱が出る時にはとても寒く感じてしまうという訳なんですね。
悪寒とともにけいれんのように体が震えることがありますが、これも筋肉を振動させて体温を上げるという作用からきているものです。
そして悪寒のもう一つの原因として挙げられるものには、女性ホルモンとの関連があります。
生理前や生理中、若しくは更年期障害などの時には悪寒を感じやすくなります。
生理周期による悪寒では、排卵後から次の生理までの期間に受精卵の着床率を上げるために、黄体ホルモンが活発に働き体温を高く保つようになっています。
ところが、妊娠せずに次の生理の準備が始まると、黄体ホルモンの働きが弱まり体温は下がっていきます。
個人差はありますが、生理周期による体温差は1度以上あることもあり、この作用で低体温期に悪寒を感じやすくなるようです。
悪寒の対処法
では実際に悪寒を感じたら、どのような対処法が有効なのでしょうか。
特に感染症による悪寒の場合には、正しい対処をとることが大切です。
主な3つの対処法について見ていきましょう。
室温を上げ体を温める
ウイルスが原因の悪寒は、寒さを感じたらこれから熱が上がるというサインでもあります。
熱が上がり切るまでは、室内を温かくし服もがっちり着込み、暖かい靴下などを履いて体を温めるようにしてください。
それでも寒気が治まらないときには、ネックウォーマーをしたり腰にカイロを貼るなどして出来る限り温めてください。
安静にする
悪寒がする段階では、熱はさほど高くなく体はまだまだ動かせる状態であることもありますが、無理は禁物です。
悪寒から高熱に移行するまでの間、なるべく安静にして体を休ませてください。
ここで無理をしてしまうと、体調が戻るまでに時間がかかってしまうこともあります。
血流の改善
女性ホルモンが原因の悪寒の場合、血流を良くすることで症状が改善することもあります。
具体的には、入浴時間を少し長めにしたり、軽い運動を行うといったものが効果的です。
また、体を冷やす作用があるカフェインや冷たい飲み物は避け、体内から温める効果のあるショウガなどを生理前には特に積極的に摂取するようにしましょう。
悪寒がするときに良い食べ物・飲み物
ここからは、悪寒がした時に良い食べ物や飲み物について紹介していきます。
玉ねぎ
玉ねぎに含まれる硫化アリルは、殺菌効果や免疫力向上などウイルスと戦うために必要な栄養素です。
更には咳止めの効果も期待できますので、風邪による悪寒の場合には積極的に玉ねぎを摂取しましょう。
鶏肉
鶏肉に豊富に含まれるたんぱく質は、新陳代謝を高めて体温を上昇させる効果があります。
また疲労回復や体力増強の効果も期待できますし、発熱で体力が落ちている時でも食欲があるのであれば、鳥のささ身や胸肉などを積極的に食べるようにしてください。
ハーブティー
ハーブは民間療法に欠かせないものですが、暖かいハーブティーは悪寒がするときに最適です。
カモミールは風邪の時にも有効ですが、女性ホルモンの不調による悪寒にも効果があると言われています。
サンフラワーやセージも女性におすすめのハーブです。
それぞれ、乾燥したハーブにお湯を注いでゆっくり飲んでみてください。
効能別にブレンドされた市販のハーブティーも、お手軽なのでおすすめですよ。
ホットワイン
こちらは大人限定になりますが、ハーブや砂糖を入れて温めたワインを就寝前に飲むのも効果的です。
お好みの赤ワインに、オレンジピール・シナモン・八角・ナツメグ・クローブといったハーブ類とレモン汁、蜂蜜を加えて火にかけ温めてから飲みます。
オレンジピールには咳止めの効果もあるので、喉がつらい風邪にもおすすめです。
香味野菜たっぷりスープ
ショウガ、にんにく、ネギなど、体を温める作用がある香味野菜をたっぷり使用し、お好みの味付けをしてスープとして飲んでください。
この時にたんぱく質豊富な鶏肉や、ビタミンcたっぷりのキャベツを入れるとさらに効果的です。
体の芯から暖まり、免疫力を高める効果が期待できます。
また、女性特有の冷えにも効果的です。
悪寒がするときにお風呂は大丈夫?
悪寒がする際に体を温めるのであれば、入浴が一番効果的なように感じますが、ウイルスや細菌による悪寒の場合には入浴は避けた方が良いでしょう。
どうしても体を温めたい時には、全身浴ではなく熱めのお湯で足湯を行ってください。
45度程度のお湯に足を10分入れるだけでも、全身ぽかぽかとしてきますよ。
関節痛の原因
悪寒や発熱を伴う関節痛の原因は、プロスタグランジンE2という物質にあります。
陣痛促進など子宮の収縮を促す物質としてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この物質は白血球がウイルスと戦う時にも体内で生成されます。
まず、ウイルスや細菌が体内に侵入し、白血球が働くとサイトカインが分泌されます。
サイトカインはウイルスから体を守る働きを持ちますが、過剰分泌されると臓器不全の原因となることもあります。
そのサイトカインの過剰分泌からさらに体を守るため、サイトカインの分泌を抑制するのがプロスタグランジンE2なのです。
ところが臓器を守るためにうまれたプロスタグランジンE2は、関節痛や発熱といった症状を引き起こしてしまいます。
全ては体をウイルスや細菌から守るために生まれているものなのですが、それが結果的に関節痛の原因となってしまうという訳なんですね。
関節痛の対処法
そんな関節痛を少しでも和らげることができる対処法を、3つご紹介します。
風邪薬を飲む
確実に風邪が原因の関節痛には、市販の風邪薬で対処することができます。
市販の風邪薬には関節痛に効く成分が配合されているものもありますので、ドラッグストアなどで薬剤師さんに相談してみてください。
アロマオイル
ラベンダーやペパーミントといったアロマオイルには、鎮痛作用があると言われています。
アロマオイルが使用できる加湿器にセットしたり、アロマキャンドルなどで香りを楽しむのもおすすめです。
病院を受診する
インフルエンザが流行している時期に、発熱を伴う関節痛があった場合には、すぐに病院で検査を受けましょう。
インフルエンザが原因であれば、市販の風邪薬や鎮痛薬では症状を悪化させる可能性もあるので、特に未成年は市販薬の服用には十分注意してください。
悪寒と関節痛が両方あらわれる病気は?
悪寒と関節痛、それぞれについて詳しく見ていきましたが、この二つ両方の症状が顕著である場合には次のような病気である可能性もあります。
インフルエンザ
一番疑われるのがインフルエンザですが、インフルエンザの場合には39度以上の高熱と全身の倦怠感、激しい関節痛と悪寒の他に、頭痛や咳といった症状も見られます。
インフルエンザは病院で治療薬を処方してもらい服用することで、辛い症状は2日ほどで治まります。
インフルエンザが流行する季節にこれらの症状が見られるときには、すぐに病院へ行きましょう。
尿路感染症
尿道口、尿管、膀胱、腎臓までの間で感染症を起こしている場合にも、発熱と悪寒が見られます。
代表的なのが女性に多い膀胱炎ですが、ウイルスがより体内の奥深くまで侵入し腎盂腎炎となってしまうと、全身の倦怠感と強い悪寒、高熱といった症状が見られます。
激しい尿意と排尿痛を伴ってそれらの症状が出ている場合には、病院で検査を受けましょう。
尿路感染症の治療には、抗生物質が使用されます。
まとめ
悪寒と発熱イコール風邪やインフルエンザと思い込みがちですが、女性特有のホルモンバランスの変化や尿路感染症などといったものも考えられることが解りました。
自分の思い込みで市販薬などを安易に使用せずに、体が辛い時にはしっかり病院で検査を受けることをお勧めします。