暑い夏場にどうしても発症することが多い熱中症。
熱中症にかかると、頭痛や吐き気といった他の症状も併発しやすくなります。
そこで今回は、熱中症にかかった時に頭痛や吐き気が伴う場合の対処法や、頭痛薬の服用の是非について解説していきます。
熱中症でなぜ頭痛が生じるのか?
まず初めに、なぜ熱中症にかかると頭痛が生じやすいのか?
これについてご説明していきます。
炎天下の中での激しい運動や、熱中症になりやすい条件下で過ごしていると、体内では体温が上がってきます。
体温上昇が起こると、体内では血液を集めることや体温を下げようとするため汗をかく症状が起こります。
体の中ではこのような調節が自然に行われていますが、炎天下で体が熱を下げようとする為に発汗したり、皮膚へ血液の補充を繰り返していることで、熱中症になりやすくなります。
皮膚へ血液補充をするということは、脳やその他の臓器の血液量に偏りが出てきます。
一時的に脳の血流量が減ることや、血管内の脱水が原因で、血液内に炎症物質が放出されることにより頭痛が生じるという仕組みです。
頭痛が続く時の対処方法
では実際に、熱中症で頭痛が続いた場合の対処法はどのようにすればよいのでしょうか。
当たり前のことと思われる処置が多いですが、意外に見落としていることもあります。
おさらいの意味も込めて、順に見ていきましょう。
水分補給をする
多量発汗により、血管内は脱水状態になっていますので、まずは水分補給に努めましょう。
しかし、ただ水分を取るだけでは不十分です。
発汗する時は、水分だけではなくミネラルも失われるからです。
可能な限り、ミネラルも補給できる麦茶やスポーツドリンクの摂取をおすすめします。
しかし、コーヒーや紅茶などに含まれているカフェインは頭痛を引き起こす可能性があるため、水分補給の目的でこれらを飲用するのは避けましょう。
日が当たらない涼しい環境へ避難する
まずは、直射日光が当たらないような措置をしましょう。
熱中症は体が異常に温められている状態ですので、木陰や日差しが避けられる涼しい場所へ避難し、体の熱を放出することが先決です。
体を休ませる
頭痛がある時は、横になり落ち着くまで涼しい環境で休み、出来るだけ早く室温の調整が出来ている場所へ避難し体を休ませましょう。
羽織ものや衣服の調整をする
通気性がいい洋服へ着替えることや、厚着をしていたら羽織るものを脱いだりします。
体に熱がこもっている為、出来るだけ薄着で体の熱を下げましょう。
体の熱を冷ます
風通しを良くしても、体のほてりがある場合は脇や股の付け根を冷やしましょう。
直接アイスノンなどを皮膚に着けると、冷たくて皮膚の不快感をおこしたり、低温やけどの恐れがあります。
必ずタオルなどで保護してから当てましょう。
熱中症で頭痛が続くときは頭痛薬は飲んでいい?
熱中症は、体内に過剰な熱の貯留や脱水が原因です。
ですから、一時しのぎに頭痛薬を服用しても、何の解決にもならないのですね。
むしろ重度な熱中症は、頭痛薬を飲むことにより低血圧になるリスクがあります。
そのため、頭痛薬の服用は絶対しないでください。
熱中症で頭痛にくわえ吐き気がするときは病院へ
熱中症で頭痛や吐き気がする場合は、症状が長引いている可能性があります。
深刻な熱中症になってしまうと以下の症状があります。
・適切な対処を行っても頭痛が続く
・生あくびを繰り返したり、吐き気や嘔吐を繰り返す
・手や全身の脱力感が続く
・いつもよりボーッとして集中力や判断力が低下する
・全身が何となくだるい
熱中症は数日で軽快していきますが、場合によっては深刻な状態になってしまうこともあります。
自己判断はせず、少しでも気になるところがあれば速やかに受診をしましょう。
まとめ
熱中症で頭痛や吐き気がおきた場合、
- カフェインを含まない水分補給
- 直射日光を避けた場所への避難
- 楽な体位で体を休ませること
- 衣服の調整
- 体の熱を放出させること(体をクールダウンさせること)
- 頭痛薬は服用しない
以上の対処を速やかに行うことが大事になります。
暑い時期にかけて熱中症の発生率はどんどん高くなります。快適に夏を過ごせるように、気をつけていきたいですね!