
蓄膿症は黄色く粘り気のある鼻汁(膿)が慢性的にたまってしまう病気であり、慢性副鼻腔炎とも呼ばれます。
副鼻腔とは私たちの顔周辺にある鼻とつながっている空洞のことで、通常ここに膿がたまっても、私たちの体は膿を排泄できるしくみになっています。
しかし、この副鼻腔が細菌によって慢性的に感染している状態になると、副鼻腔から鼻へと通じる道が慢性的につまってしまい、膿がたまってしまうのです。
この状態が蓄膿症であり、蓄膿症になるといろいろな症状に悩まされることになります。
ここでは蓄膿症の諸症状とその対処法について見ていくことにしましょう。
蓄膿症の主な症状
粘りがあり緑色っぽい鼻水
風邪をひいたときに出る、粘りがあり緑色っぽい鼻水が蓄膿症でも出ます。
風邪との違いは熱があるかないかです。
蓄膿症では発熱がなくても粘りのある緑色っぽい鼻水が出るのです。
風邪が長引くことで蓄膿症になってしまうことがありますし、アレルギー性鼻炎から蓄膿症になってしますこともあります。
なおアレルギー性鼻炎の場合、鼻水は水っぽく透明に近い色になり、鼻水の質感が蓄膿症とは違います。
小林製薬さんの蓄膿症治療薬「チクナイン」の紹介ページにも、蓄膿症の症例が詳しく紹介されています。
参考文献
「小林製薬 チクナイン」
鼻がつまり息苦しい
副鼻腔に膿が蓄積すると、副鼻腔内の粘膜が腫れ、鼻腔へ通じる道がふさがってしまい、鼻づまりが出てきます。
また鼻がつまることによって嗅覚が低下してしまい、食べ物の香りがわからなくなったり、味がわからなくなったりしやすくなります。
副鼻腔の炎症がさらに長引き、粘膜の腫れた状態が続くと粘膜が厚くなってしまい、鼻茸(はなたけ)と呼ばれるできものができてしまうことがあります。
鼻茸は鼻腔をふさいでしまうので、鼻づまりはさらに悪化することになります。
頭痛がする
蓄膿症は副鼻腔という鼻腔につながっている顔にある空洞が、慢性的に膿や炎症がある状態であることはすでに紹介しました。
この副鼻腔の空洞は一つだけでなく複数あり、私たちの顔の中に点在しています。
目と目の間から顔の中央近くにある「蝶形骨洞」という副鼻腔に炎症が起こると、頭痛や頭重感が起こりやすくなります。
「くさの耳鼻咽喉科」さんのサイトには、副鼻腔炎の症状が分かりやすく掲載されています。
額、目などが痛い
眉間には「前頭洞」という副鼻腔があり、目と目の間には「篩骨洞」という副鼻腔があります。
これらの副鼻腔での炎症が強いと、額や目に痛みが出やすくなります。
頬、歯などが痛い
目の下から頬にかけて広がっている「上顎洞」という副鼻腔の炎症が強いと頬や歯に痛みが出やすくなります。
虫歯菌が上顎洞に居続けることで、上顎洞が炎症を起こして蓄膿症になってしまうこともあります。
鼻や口からの悪臭
蓄膿症が原因となって起こる口臭は副鼻腔にある膿の臭いによるものです。
鼻と口はつながっているので、膿の臭いが口からも出てきてしまうのです。
また、蓄膿症では鼻がつまり口呼吸になります。
すると口の中が乾燥し、唾液の分泌も減り、口腔内の細菌が増えて口臭が強まりやすくなります。
蓄膿症と口臭の関係を、以下のブログで詳しく解説されています。
蓄膿症の症状別の対処・治療法
抗生物質で鼻水・鼻づまりを解消
医療機関(主に耳鼻科)を受診すると、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシンなどの抗生物質(マクロライド系抗生物質)が処方されます。
これを少量ずつ2~3か月間内服することで、高い確率(7割程度)で治癒が期待できます。
マクロライド系抗生物質が細菌の増殖を抑え、鼻汁を少なくし、膿を出すために必要な粘膜の繊毛運動を活発にさせることで、鼻水、鼻づまりが改善されやすくなります。
副鼻腔炎の治療法については、以下のサイトが参考になるでしょう。
参考文献
「細田耳鼻科 EAR CLINIC 副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)」
膿の吸引、洗浄で顔の痛みも除去
主に耳鼻科で行われる治療で、吸引器を用いて副鼻腔にたまった膿を取り除く方法です。
鼻から上顎洞に針を刺し、溜まっている膿を吸引し、生理食塩水で洗浄します。
顔全体に溜まっている膿を取り除くことで、頭痛、額や目の痛み、頬や顎の痛みも取り除かれることになります。
鼻腔内に霧状の薬剤を塗布する
これも耳鼻科で行われる治療で、抗生物質やステロイドなどの含まれた薬剤を霧状にして鼻腔内にかけていく治療法で、ネブライザー療法とも呼ばれます。
患部に直接薬剤を塗布することで、より速効性の高い膿防止作用や痛み軽減作用が期待できます。
手術(主に内視鏡手術)をする
もともと副鼻腔の形状に異常があったり、鼻茸ができてしまったりしており、飲み薬や吸引・噴霧治療では治療効果が見込めないような蓄膿症では手術が行われます。
以前は重度の蓄膿症の場合、鼻を切開して行う手術が主流でしたが、最近の内視鏡による治療技術発展・普及により、蓄膿症の手術はよりやりやすく安全で体への負担が少ない内視鏡治療になってきています。
日帰り手術も増えてきています。
蓄膿症の手術に関しましては、下記のサイトがとても参考になるでしょう。
参考文献
「岩野耳鼻咽喉科サージセンター 副鼻腔炎(蓄膿症)の手術(4つの手術療法)」
薬局薬店で買える治療薬を使う
薬局薬店でも、蓄膿症を改善する薬を買うことができます。
小林製薬の「チクナイン」は9種類の生薬が配合された漢方薬「辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)」を有効成分としており、鼻の奥の炎症を鎮めながら膿を抑えて、呼吸を楽にする効能があります。
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また、蓄膿症による頭痛や頬、顔の痛みなどをとり急ぎ除きたいという場合は、ロキソニンやイブプロフェン、アスピリンなどの市販薬も有効でしょう。
まとめ
以上、蓄膿症の症状と治療法について見てきました。
蓄膿症は普段私たちが意識することにない副鼻腔という顔の空洞に膿がたまり、鼻水などどの炎症、顔の痛みなどが出てくる病気ということがおわかりいただけましたでしょうか?
風邪、アレルギー性鼻炎、虫歯などを軽視して放置しないようにしましょう。
これらの病気が長引くと、副鼻腔が慢性的な炎症を起こし、蓄膿症へと至ってしまうおそれがあります。