突発性発疹は発熱の症状から始まりますが、全ての場合でそうとは限りません。
発熱がなかったり、発熱があったとしても微熱で収まる時もあり、典型的な症状にあてはまらない場合もあるということですね。
ですが突発性発疹に対する対応は同じです。今回は典型的な症状の他にも、稀にみられる場合の症状、そして対処法についてご紹介します。
突発性発疹の症状とは
突発性発疹の症状はそれほど多くありません。
ただ、一番初めにみられる症状が38度から40度の高熱であるため、他の病気の可能性を考えて医療機関に受診する方が多いでしょう。
他の病気の症状としての発熱と異なる特徴は、発熱していても子どもの機嫌がよい、食欲がある場合が多いということです。
発熱した段階で受診したとしても、発熱だけでは突発性発疹であると診断はつきません。
というのも、解熱すると同時にあらわれる発疹が確認されてはじめて、突発性発疹と診断されるからです。
つまり突発性発疹の症状は、発熱と発疹です。この2つの症状があることが突発性発疹の特徴といえます。
発疹は熱が下がり始めた頃に背中やお腹に出てきます。
ピンク色の凹凸のない発疹です。痒みや痛みはほとんどありません。
塗り薬など発疹を治すための外用薬も買う必要はありません。
子どものもつ自然治癒力で2、3日で自然消失していきます。
突発性発疹で熱が出ない場合や微熱の場合
次に、一般的な症状がみられない場合について補足しておきます。
突発性発疹は発熱がみられる場合がほとんどですが、稀に発熱がない、微熱のみの場合があります。
これは日本では稀な場合です。というのも、日本では9割以上の突発性発疹に発熱の症状があるといわれているからです。
ですが、アメリカでは発熱の症状があるのは30%程度といわれています。
また、発疹さえ出ない場合もあります。
そのため一般にいわれている症状がない場合でも、部分的にでも突発性発疹の症状が似ている場合は、かかりつけ医に相談してみることをお勧めします。
ちなみに、突発性発疹によって発熱の症状がみられない場合がどうしてあるのか?という理由は、突発性発疹の原因であるウィルスにあります。
そのウィルスは、ヒトヘルペスウィルス6型、7型といわれ、比較的弱いウィルスです。そのため、症状が比較的軽症で終ることがあるのです。
突発性発疹の対処法
前述した通り、突発性発疹には特別な薬は必要ありません。
自然治癒力によって治すことができます。そのため突発性発疹の対処法は、回復のために心身のエネルギーが注げるように看病することが大切です。
まずは心身ともに安静を保ちましょう。発熱や発熱による発汗による不快感を取り除き、十分な睡眠が必要です。
また、発熱時には通常よりも水分蒸発量や消費量が多くなりやすいため、水分補給をこまめに行いましょう。
熱が下がり、発疹が消失し、他に症状なく、機嫌よく過ごしているならば、感染性も低くなっていますし、十分な回復が考えられます。
無理なく少しずつ以前の生活へと戻していけば、子どもの身体的な負担も軽減できます。
突発性発疹は1度、または2度発症した後は、一般的は再び発症することはありません。
発症することで免疫力をつけることができるからです。
言い換えれば、発症しないと免疫力をつけることはできません。
というのも、現在の時点ではまだ突発性発疹のワクチンが存在しないためです。
そのため、まだ突発性発疹にかかっていない場合は、もし発熱があった時には突発性発疹の可能性も考えてみましょう。
保育園はいつから行ける?
感染症については、厚生労働省から治療や登校について「保育所における感染症対策ガイドライン」が出されています。
突発性発疹もその感染症の1つです。
そのガイドラインによると、突発性発疹の登園の目安は「解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと」とされています。
そのため、解熱後にみらえる発疹がもし残っていたとしても、機嫌が良く全身状態が良ければ登園してもよいのです。
登園には突発性発疹の感染拡大を予防することも大事ですが、発症し回復を辿っている子どもが、再び元気に保育園での生活に戻れるかどうかも大事な基準です。
おうちでは元気だった頃の様子との比較など、身近だから分かることもあるはずです。
自宅では安静に過ごしていたため、保育園で過ごすことは以前よりも疲労を生じさせることもあるでしょう。
無事に保育園で元気に過ごせるようになるためにも、自宅で心身の回復を確認しましょう。
まとめ
突発性発疹は、病名の通り突然の発熱から始まります。
突然発症してかつ高熱ですから、動揺する保護者の方も少なくないでしょう。
ですが、必ずしも一般的な症状と同じでない時もあります。ご紹介した通り、発熱がなかったり微熱のみの場合があるのです。
どんな症状であれ、対処に困った場合はかかりつけ医に相談してみましょう。
突発性発疹の場合は特別な治療を必要としませんが、他の病気であればその病気特有の治療が必要かもしれないからです。
いぜれにせよ子どもの頼れる存在として、回復に向けて落ち着いて冷静に対処していきましょうね。