日光の刺激、特に紫外線に反応しアレルギー症状を起こすものを「紫外線アレルギー」と言います。
近年では紫外線による様々な健康への影響が懸念されていますが、一度発症すると厄介な紫外線アレルギーもそのうちの一つです。
今回は、そんな紫外線アレルギーの原因・症状・対策とさらに紫外線予防のおすすめグッズもご紹介していきます。
紫外線アレルギーとは?
紫外線アレルギーとは、日光を浴びた箇所にかゆみを伴う湿疹や皮膚の腫れを起こす症状のことを言います。
日光性皮膚炎、日光過敏症ともいわれるこのアレルギーは、ある日突然発症するのが特徴です。
他のアレルギーと同様、一度発症すると完治することはほぼありません。
紫外線アレルギーになってしまったら、出来るだけ紫外線を浴びないようにする必要があります。
紫外線アレルギーの主な症状
では、どのような症状があらわれたら紫外線アレルギーを疑うべきなのでしょうか?
特徴的な症状は以下の通りです。
皮膚にあらわれる症状
肌が露出し日光を浴びた部分に、栗粒程の大きさの赤く腫れた湿疹が多発するのが一般的です。
これ以外にも、強い日光を長時間浴びることで湿疹が水ぶくれ状になってしまうこともあります。
紫外線アレルギーでは日光を浴びて短時間のうちに蕁麻疹が出ますが、日光を避けると10分ほどで症状が治まるのも特徴です。
目にあらわれる症状
紫外線アレルギーによる目の症状は、一般的なアレルギーとよく似ています。
目の充血、痒みや痛みなどの他に、目の中に異物感がありゴロゴロするといった症状も見られます。
全身にあらわれる症状
アレルギー状態が重いものになると、皮膚や目だけではなく全身にも様々な症状があらわれます。
頭痛、吐き気、発熱などの症状がある場合には特に注意が必要です。
また、これらの症状は一概にアレルギーによるものとも言えません。
日光に長時間当たっていたのであれば熱中症の可能性もありますので、軽視せず病院を受診しましょう。
紫外線アレルギーになる原因とは
突然発症する紫外線アレルギー、その原因になるものは一体何なのでしょうか?
外因性によるもの
紫外線アレルギーを引き起こす外因的な要素として多くあげられるのは、光毒性のある薬剤などの塗布、またはニューキノロン系抗菌薬や向精神薬などの服用によるものです。
外用薬ではソラレン、コールタール、スパルフロキサシンといったお薬が、それ以外にはアロマの精油にも光毒性を持つものがあります。
一般的に販売されている日焼け止めにも同様に光毒性を持つものがありますので、日光に当たって蕁麻疹が出るという方は念のため日焼け止めは避けた方がいいでしょう。
内因性によるもの
内因性によるものでは、他のアレルギーと同じように体の抗体が紫外線に対して過剰反応することが挙げられます。
この場合、極端に体力や抵抗力が低下している際に発症することが多く、ストレスや疲労が蓄積していたり、無理なダイエットを行っていると発症しやすいと言われていますが、詳細な発生機序は解明されていません。
紫外線アレルギーかどうかの検査方法
紫外線アレルギーかどうかは、皮膚科にて「光線過敏症検査」を受けることで判別できます。
皮膚(主に背中)にUVB照射試験とUVA照射試験を行い、その反応を見て診断されます。
この時、外的要因による紫外線アレルギーの場合には、さらに皮膚に薬剤を塗布する光パッチテストも行います。
検査により強い発疹や水ぶくれが出来たり全身症状が悪化することもありますので、検査の際には医師からの説明をよく聞き、正しく検査を受けるようにして下さい。
病院へは何科?どんな治療をするの?
紫外線アレルギーの治療は皮膚科で行われます。
外的要因によるものと内的要因によるものでは治療が異なり、外的要因によるものでは原因薬剤の使用の中止と、紫外線の防御方法について指導を受けます。
また、治療には抗ヒスタミン剤やステロイド剤などの内服薬、外用薬にもステロイド剤が用いられることもあります。
内的要因によるものでは、紫外線対策の指導と抗ヒスタミン剤の内服による治療が行われますが完治することは難しく、治療し紫外線を防いでも長時間日光に当たることで再びアレルギー反応が出てしまうこともあります。
紫外線から身を守る栄養素
アレルギーだからとどんなに紫外線に気を付けていても、完全にシャットアウトするのは難しいですよね。
紫外線の影響を少しでも抑えるために、食生活にも少し気を付けてみましょう。
ビタミンC
ビタミンCと言えば美白に大切な栄養素として有名ですよね。
その理由は、ビタミンCがメラニンによる色素の沈着を防ぐ役割を持つからです。
また、紫外線による活性酸素の発生を防ぐ効果もあります。
ビタミンCが多く含まれている食品は、ブロッコリー、パプリカ、柑橘類です。
ビタミンD
ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で多く生成される栄養素です。
その為、紫外線アレルギーのために紫外線を常に防御する生活を送っていると、ビタミンDが体内で作られず、一日の必要量に達していないことが多々あります。
ビタミンDは魚に多く含まれていますので、鮭やサバ、ウナギを特に食べるようにしましょう。
ビタミンB2
ビタミンB2には、皮膚の炎症を抑え、細胞の活性化を促して皮膚の新陳代謝を高めるという効果があります。
紫外線による肌荒れを防ぐのに特に役立つ栄養素です。
ビタミンB2はレバー、ハツといった動物の内臓に多く含まれています。
普段からできる紫外線対策
紫外線アレルギーの症状を出さないためには、紫外線から身を守るのが一番です。
普段からできる簡単な紫外線対策をご紹介します。
日傘による対策
最もオーソドックスで古典的な方法ですが、日傘による紫外線カットはとても有効です。
この際に使用する日傘は、UVカットが施されたものにしましょう。
なるべく大き目の物の方が効果が期待できます。
色はお好みのもので構いませんが、白だと反射した紫外線を体に浴びてしまうことがある為お勧めできません。
また、UVカット加工は数年で切れてしまいますので、出来れば3年ごとに買い替えるようにしましょう。
サングラスによる対策
目は体の中でもとても弱い部分です。
目を紫外線から守るために、UVカットのサングラスをかけるようにしてください。
特に運転中は多くの日光を浴びてしまいますので、例えまぶしくなくてもかけておく必要があります。
UVカットのサングラスは、黒いレンズの物ばかりではなく薄い色のものもありますので、普段からかけておくのであれば暗い日でも視界に支障のない薄い色のレンズのサングラスをかけるのが良いでしょう。
帽子とアームカバー
こちらもUVカット加工の施されているものが市販されていますので、外出の際には忘れず着用しましょう。
アームカバーは手の甲から二の腕まで広い範囲を保護するものがおすすめです。
帽子ではなくサンバイザーも良いだろうと思いがちですが、サンバイザーだと頭皮から紫外線を吸収してしまうのでお勧めできません。
紫外線から身を守るおすすめグッズ
最後に、紫外線から身を守るおすすめグッズを紹介します。
購入を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
息苦しくないUVカットフェイスカバー
【楽天市場 UVの木陰】
帽子では防ぎきれない、顔の下半分を紫外線から守るためのカバーです。
装着時は見た目が気になるかもしれませんが、UVカット機能に加え、耳までもすっぽりカバーしてくれますから紫外線から守られているという安心感はとても大きいと思います。
UVカットインナー
【楽天市場 シルクル】
UVカットができるインナーは、できれば上下で用意しておきたいアイテムです。
暑い夏場なら、スポーツ用のインナーや、接触冷感タイプのものを選べば快適に紫外線を防ぐことができますよ。
UVカットマフラー
【楽天市場 大阪泉州タオルのK’s Towel Shop】
真夏でも快適に首元の紫外線を防げるアイテムです。
とってもおしゃれな柄の物もありますし、紫外線を防ぎながらもファッションとして楽しむこともできるので女性に特におすすめです。
まとめ
紫外線アレルギーは、小さな赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代で発症する恐れのあるものです。
いきなりのアレルギー発症を防ぎたいのであれば、普段から紫外線を防ぐ対策を行っていくのが最も重要になります。
紫外線は夏だけではなく年中降り注いでいるものですから、どんな季節でも気を抜かずに紫外線対策を行っていきましょう。