夏になると全身にぶつぶつが出てかゆい!
「ただのあせもかな?」と毎年放置していませんか?
もしかすると、あせもではなくそれは「コリン性蕁麻疹」かもしれません。
今回は、コリン性蕁麻疹の原因と症状についてご紹介します。
コリン性蕁麻疹の原因と症状
特に夏場にできやすいという特徴のあるコリン性蕁麻疹、まずはその原因と症状について見ていきましょう。
コリン性蕁麻疹の原因
コリン性蕁麻疹のはっきりとした原因はまだ解明されていません。
しかし、体温が上がり汗をかくと蕁麻疹が出来る為、発生には汗が大きく関係していると言われています。
現在は自分の汗にアレルギー反応を示しているのではないか?という説と、汗をつかさどる「アセチルコリン」が原因となって蕁麻疹が起きているのではないかという二つの説が有力です。
コリン性蕁麻疹の症状
コリン性蕁麻疹は若い年代に特に多く、運動、緊張、スパイスの摂取などによって汗をかいたときに、激しい痒みとともに手足以外の場所に小さな発疹が出るのが特徴です。
痒みが強くなると痛みを感じることもあり、蕁麻疹を掻き続けると発疹同士が融合してしまい大きなふくらみになってしまうこともあります。
コリン性蕁麻疹とストレスとの関係
人は強いストレスを感じると、体を正しく機能させるための自律神経が乱れてしまうことは皆さんご存知だと思います。
自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ち、副交感神経は体をリラックスさせたり食べ物を消化する役割が、交感神経は集中力を高めたり体を興奮させる役割があります。
コリン性蕁麻疹の原因とされている「アセチルコリン」は、自律神経と深いかかわりを持っています。
アセチルコリンは交感神経の末端から分泌されるため、ストレスにより交感神経が優位になっている状態では蕁麻疹が出やすくなっているという訳です。
特にストレスを感じる環境下で汗をかきやすいという方は、コリン性蕁麻疹に注意が必要だと言えるでしょう。
コリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹の違い
コリン性蕁麻疹と似ている蕁麻疹に、温熱蕁麻疹があります。
温熱蕁麻疹もコリン性蕁麻疹のように体温の上昇に反応して起こる蕁麻疹ですが、この二つには次のような違いが見られます。
温熱蕁麻疹は冬に多い
コリン性蕁麻疹はその特徴から夏に多い蕁麻疹ですが、温熱蕁麻疹は冬に多いのが特徴です。
温熱蕁麻疹は急な温度変化が皮膚への刺激となる為、冬に寒い室外から暖かい屋内に入った時や、暖かいお風呂に入った時に出やすくなります。
夏にお風呂に入った後に出来る蕁麻疹は、汗が影響するコリン性蕁麻疹である可能性もあるので、一概に「入浴=温熱蕁麻疹」とは言えません。
温熱蕁麻疹は寒がりの人がなりやすい
コリン性蕁麻疹は汗をかきやすい人がなるのに対し、温熱蕁麻疹は寒がりな人や血行不良の人がなりやすいという特徴があります。
体が温まりにくく、常に体温が低めの方が運動をして体が温まることで温熱蕁麻疹となることがありますが、この時汗が出ているか出ていないかである程度判断することが出来ると思います。
運動によって汗が出てからの蕁麻疹であればコリン性蕁麻疹である可能性もあるようです。
温熱蕁麻疹は局所的に出ることがある
温熱蕁麻疹の場合、全身に出る蕁麻疹以外に局所的に蕁麻疹があらわれることがあります。
カイロや湯たんぽで一部分を温めた時や、暖房の温風が一部分に集中して当たっている時などに局所的な蕁麻疹があらわれます。
汗をかいておらず、急に暖まった一部分にかゆみと発疹がある場合には温熱蕁麻疹である可能性が高いでしょう。
まとめ
蕁麻疹には様々な種類があり、皮膚科でも一度の診療ではその蕁麻疹が何なのかということまで解明するのは難しいことのようです。
特にストレスからくる蕁麻疹の場合には判断が難しく、治療や検査が長期に及ぶこともあるでしょう。
蕁麻疹はアレルギー性のものもありますので、「いつもの蕁麻疹か」と自己判断せず、痒みが強い時には皮膚科を受診するようにして下さい。