若いころと比べて頭皮にかゆみが生じたり、フケが多くでるようになったりしていませんか?
顔や耳の周りに、ベトベトした粘性の高いアブラが多く出るようになっていませんか?
実はそれ、脂漏性皮膚炎かもしれません。
単に、「脂性だから」「乾燥肌だから」「フケ性体質だから」と放っておいても改善は見込めません。
今回は脂漏性皮膚炎の症状、原因、治療法を総まとめしました!
これを読んで、是非現状の改善に役立てて下さいね。
脂漏性皮膚炎の症状とは
脂漏性皮膚炎とは、脂漏性湿疹、フケ症ともよばれる皮膚の病気のひとつです。
脂漏とは、皮脂の分泌が過剰となっている状態のことです。
皮脂が過剰に出てくるところ、すなわち脂漏部位を選択的に侵すのが特徴の湿疹です。
脂漏部位には、頭部・顔面・口の周囲・耳とその周辺・外耳道・わき・陰部が含まれます。
原発巣とよばれる脂漏性皮膚炎が起こった元々の部分には、毛穴に一致する点状紅斑とよばれるポツポツとした赤い斑点や、紅色丘疹という赤く小さな盛り上がりが生じます。
これが徐々に増え、その範囲も拡大していきます。
やがて、バラバラだったものが融合して斑状になります。
かさかさと皮膚が剥がれたり、かさぶたもできます。
かゆみは、比較的軽く、人によってはかゆみを伴わないことも珍しくありません。
症状は慢性に経過し、皮脂の出やすいところを中心に進行していきますが、中高年者の患者さんでは、皮脂のでてこないところにも広がり、紅皮症となることもあります。
しかし、そんな場合であっても、やはり皮脂の出てくるところの症状のほうが強いです。
脂漏性皮膚炎になる原因
真菌
皮膚の常在菌のひとつにマラセチアという菌がいます。
これは、菌糸と呼ばれる細い糸状の細胞列を持つカビの菌です。
カビが皮膚にいるというと驚かれるかもしれませんが、カンジダを始め、人体にはカビの菌が共存しています。
カビの菌のことを真菌と言います。
マラセチアには皮脂を好む性質があり、脂漏を起こすと、マラセチアの増殖が活発化します。
マラセチアが異常に増えてしまうと、皮膚に炎症をきたします。
皮脂腺の機能亢進
皮脂線の分泌機能が増加してしまうことが、脂漏の原因となります。
すなわち、脂漏性皮膚炎の原因たる脂漏をもたらすわけです。
蓄積した皮脂による刺激
適切に皮膚や頭皮をきれいに保っていないと、皮脂が蓄積します。
皮脂の蓄積は、脂漏性皮膚炎をもたらすマラセチアにとって快適な環境を作り出すことになります。
そして、過剰に増えたマラセチアによって脂漏性皮膚炎が起こります。
不適切なスキンケア
スキンケアを怠ると、皮脂が蓄積してきます。
また例えば洗髪の際に爪を立てて洗うと、頭皮が傷つき、かえって皮膚炎を起こしてしまいます。
つまり、単に洗うのではなく、どうやって洗うのかも大切なのです。
洗顔や洗髪を適切にスキンケアしておかなければ、脂漏性皮膚炎をもたらす結果になります。
ビタミンB2やB5、B6の欠乏
ビタミンB群は、皮膚の細胞を作り出すために必要な栄養素です。
ビタミンB群が不足してくると、肌にいろいろなトラブルを引き起こします。
脂漏によって炎症が起きやすい条件が整えられた上で、ビタミンB群が不足するようなことがあれば、容易に皮膚炎に発展していきます。
脂漏性皮膚炎の治療法
脂漏性皮膚炎には薬物療法が行なわれますが、薬物療法だけで治ることはあまりありません。
治療の基本となるのはスキンケアです。
スキンケアをていねいに行なうことで、脂漏性皮膚炎を防ぐことが出来ます。
薬物療法
脂漏性皮膚炎の薬物療法としては、抗真菌剤・副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)・ビタミン製剤などが用いられます。
軽症の脂漏性皮膚炎に対しては抗真菌剤が、中等度以上の脂漏性皮膚炎にはステロイド剤が適応されます。
症状に応じて薬の処方は変わってきます。
顔のスキンケア
入浴時だけでなく、朝も顔を洗いましょう。
その際、ていねいに洗うことを心がけ、石けんを泡立ててから、顔の皮膚の凹凸に沿って、指先を使って汚れを落とすようにしましょう。
そのあとは、冷水ではなく、微温水をつかって石けんや汚れを洗い流してください。
洗顔に使う石けんは、ミコナゾール配合のコラージュフルフル石けんがおすすめです。
ミコナゾールは抗真菌剤です。
コラージュフルフル石けんにはカビをおさえる効果があり、脂漏性皮膚炎に効果的です。
頭皮のスキンケア
頭を洗うときは、地肌を意識して洗うようにしましょう。
爪を立てたり、ブラシを使ったりせず、指の腹の部分を使って優しく洗ってください。
洗髪は、可能な限り毎日行なう様にしましょう。
もしも脂漏が激しい場合は、洗髪の回数を増やす様にしてください。
洗髪に使うシャンプーは、抗菌成分を配合したシャンプーを使ってください。
そして石油系以外のシャンプーがおすすめです。
例えば頭皮環境のために開発された、以下のようなシャンプーがいいでしょう。
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脂漏性皮膚炎の治療に使われる薬
抗真菌剤
脂漏性皮膚炎の原因のひとつとして考えられているマラセチアは、カビの菌、すなわち真菌の一種です。
真菌をおさえるために使われる薬が抗真菌剤です。
よく似ていますが、抗生物質や抗菌薬とは異なりますので注意が必要です。
抗真菌剤は軽い症状の脂漏性皮膚炎に対して処方されるほか、後述する副腎皮質ホルモン剤によって症状が軽減された中等度以上の脂漏性皮膚炎に対しても用いられます。
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)
ステロイド剤の外用薬、塗り薬やローションを使えば、脂漏性皮膚炎は早期に改善します。
しかし、ステロイド剤を中止すれば、脂漏性皮膚炎は容易に再発してしまいます。
ステロイド剤を使いながらも、スキンケアを十分行なうことが欠かせません。
ビタミン製剤
ビタミン製剤としては、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸(ビタミンB5)が処方されます。
ビタミン製剤を使うことによって、皮膚の代謝を改善することができます。
まとめ
脂漏性皮膚炎は、脂漏部位に起こる皮膚の病気です。
脂漏部位に点状紅斑や紅色丘疹を形成し、それが拡大していくのが主な症状です。
原因は特定されてはいませんが、真菌などの病原性微生物の関与や皮脂の刺激、スキンケアの不足などが挙げられています。
治療法は、薬物療法が主になってきますが、その基本となるのはスキンケアの充実です。
例えばステロイド剤を使うと、脂漏性皮膚炎は一時的には良くなりますが、スキンケアが不足していれば容易に再発してしまいます。
スキンケアをしっかり行うためには、洗顔は少なくとも1日2回は行いましょう。
石けんを十分泡立てて顔の凹凸部分を洗い、微温水で洗い流してください。
頭皮のスキンケアは、可能な限りの毎日の優しい洗髪、もし症状が激しければ回数を増やし、過剰な皮脂や汚れをためないようにしましょう。