もし腕の付け根やわきの下の付近に、しこりのような塊を見つけてしまったときはどうしたらよいのでしょうか?
痛みはなく多少の違和感程度ならそのまま放置しても大丈夫かな?と判断する方もいるのではないでしょうか。
放っておいても問題ない場合もあるのですが、実は腕の付け根に出来たしこりには放置してはいけない重大な病気が隠れている場合もあるのです。
今回は、腕の付け根にしこりが出来る主な原因についてまとめています。
粉瘤
皮膚の内部に芯のようなしこりがあり、表面からは膨らんで見える時は粉瘤かもしれません。
粉瘤は皮下に袋状の組織が出来て、そこに老廃物が溜まってしまう症状です。顔や背中、そして腕にもできやすいとされています。
始めはにきびと同程度の目立たないものもですが、放置すると袋の中の老廃物が溜まり続け、大きくなるとともに痛みを伴うこともあります。表面中心に黒く見える穴があり、潰すと粥状で臭いのある液体が出てきます。
自然に治るものではないので、小さいうちに除去術で取るのが無難です。
脂肪腫
脂肪腫は皮膚の下にポコッと瘤状のしこりができ、痛みはないのが特徴です。
誰にでも起こりえるありふれた症状で、ほとんどは良性です。しかし放置すると5㎝以上の大きさになることもあるので、この場合は悪性ではないかを調べた方がよいでしょう。
脂肪腫はその名の通り皮下脂肪内や皮下の筋肉内に袋に包まれた脂肪の塊ができる症状です。自然治癒はしないので、目立つ場合は切除術が必要となります。
軟部腫瘍
太もも、背中、そして腕など、骨格や内臓を除いた全身のあらゆる軟部組織に腫瘍ができる症状です。
殆どの場合痛みはなく、そのため大きくなってしまってから気づくケースも多いようです。
しかし中には悪性の腫瘍も含まれているため、軟部腫瘍と診断されたら詳しい検査を行い、大きさによっては腫瘍の除去を行います。特に5㎝以上の大きさになっているものは要注意です。
ガングリオン
ガングリオンはほとんどが手首の関節付近に出る症状ですが、まれに肩から腕にかけての関節付近に現れることがあります。
症状としては痛みはなく、ピンポン玉大の良性の瘤ができます。瘤の中身は関節液などの体液がゼリー状に固まったもので、触ると柔らかくぶよぶよしています。
気になるようなら注射器で内容物を吸い取るか、患部を切除する手術を行い治療します。
リンパ節の腫れ
わきの下にはリンパ節があり、そこが腫れてしこりのようになることがあります。
風邪や感染症など、病気や疲労で免疫機能が落ちている時にリンパ節が腫れるのはごくありふれた症状で、原因が改善すればしこりも自然に治ります。
しかし全身にリンパ節の腫れがある時や、腫れがずっと続く時には、悪性リンパ腫や、がんなどの重大な症状が隠れている可能性もあります。
乳腺炎
授乳中の方で、わきの下からさらに乳房に近い部分が全体的にしこりのように腫れ、時に激痛を伴うなら乳腺炎の可能性が高いでしょう。
腕の付け根には副乳がある方は、そちらが炎症を起こして乳腺炎の症状がでることもあります。
授乳中ではないのにしこりがある、痛みがない、などと言った時は乳腺にできる腫瘍、乳がんということも考えられます。
違和感がある時は早めの受診をお勧めします。
まとめ
一口に腕の付け根のしこりといっても、良性のものから悪性のものまで様々な種類の症状があることがわかりました。
そしてしこりは皮膚の内部で起こっていることなので、何が原因なのかは調べてみないと分からないことが殆どです。
今回紹介した以外にも、腕にしこりが出来る原因は非常に多くあり、その中には悪性のものも含まれています。
気になるしこりを発見した時は自己判断に頼らず、まずは整形外科、皮膚科での受診をおすすめします。