溶連菌感染症と言えば、幼稚園児などの幼い子供が感染し大流行するというイメージがありますが、実は大人も感染する恐れがある病気なんです。
大人が溶連菌感染症になると、子供とは少し違った症状があらわれるようです。
今回は、大人の溶連菌感染症についてと、子供に感染させないために気を付けたいポイントについてお話していきます。
溶連菌で大人にみられる症状
一般的に、子供が溶連菌感染症になると次のような特徴的な症状があらわれます。
- 舌に赤い発疹
- 扁桃腺の腫れ
- 高熱
- のどに強い痛み
大人が溶連菌に感染した場合、子供と同じように溶連菌の症状で特徴的な口内の発疹や扁桃腺の腫れが見られることがありますが、子供よりも軽い症状で気が付かないうちに終わってしまうこともあります。
高い発熱も見られないため、「風邪をひいたかな?」と勘違いしてしまう人も多く、溶連菌の特徴的な症状以外には、頭痛や嘔吐、下痢といった症状が出ることもあります。
溶連菌自体は特に珍しい菌ではありません。健康的な大人であれば発症せずに保菌しているという人もいるほどです。
つまり、大人が溶連菌に感染したということは、それだけ体の免疫力が低下しているということを意味します。
それはストレスや疲労が原因かもしれませんし、加齢や妊娠といったもので抵抗力が弱っていることも考えられます。
大人が溶連菌に感染した場合の対処法
このように、大人の溶連菌感染症ではその人の抵抗力によって症状に大きな差が出ることが解りました。
溶連菌感染症の対処法は、症状によっても変わってきます。
一日も早く体調を回復させるために、以下の対処法を試してみてくださいね。
まずは病院へ
溶連菌感染症が疑われる場合、まずは病院で治療を行うことが大切です。
溶連菌感染症は市販の風邪薬では治りませんし、自然治癒も期待できません。
病院で診断を受けて、抗生物質を処方してもらい、それを飲み切ることが治療となります。
溶連菌は治療せずに放っておくと、リウマチ熱などの酷い合併症を起こす恐れもあります。
自己判断で市販薬を飲んでも意味がありませんので、すぐにかかりつけの病院に相談してください。
とにかく休息を!
大人の溶連菌感染症は、先ほども説明した通り免疫力の低下が背景にあります。
ゆっくりと休息し、体力を回復させることは免疫力の向上には欠かせません。
溶連菌感染症は他人へ感染させる恐れのある病気ですので、職場へはしばらく休む旨を伝えて、とにかく体を休ませてあげてください。
発疹がある場合はどうする?
溶連菌の感染により、口内だけではなく体の全体に発疹が見られる場合もあります。
溶連菌による発疹は痒みを伴う辛いものですが、塗り薬は効きません。
自己判断で市販の塗り薬を使用すると、かえって皮膚の状態が悪化してしまうこともあります。
発疹による痒みが辛い時には、全身浴は避けシャワーで皮膚を清潔に保つようにしてください。
子供に感染させないポイント
家族に赤ちゃんや幼児がいる場合、大人からの二次感染を防ぐことはとても重要です。
同じ空間で生活していると感染の予防は極めて困難になりますが、いくつかの注意点をまとめましたのでご覧ください。
タオルは共有しない
手洗いなどに使用したタオルは、感染している人とそうでない人と分けて使用してください。
タオルの共有でも、発疹がある場合には溶連菌は容易に感染します。
食品からの感染に注意
溶連菌に感染している人が調理を行った場合、食品に菌がうつりそこから感染してしまうことがあります。
いつもご飯を作っている人が溶連菌に感染した場合には、食品からの感染を特に注意してください。
マスクは必須です
溶連菌に感染すると、のどに強い症状を起こすため咳が出てしまいますが、この咳にはたくさんの菌が含まれています。
溶連菌感染症である人が、そうでない人の傍で咳やくしゃみをすることでも感染してしまいますので、家族に感染者がいる場合には家族全員でマスクをして二次感染を予防しましょう。
まとめ
溶連菌は子供がなるものと思い込んでいる方も多いようですが、一度発症しても何度も繰り返すのが溶連菌です。
大人が溶連菌に感染しても、子供のように容易に仕事を休むことは難しいかもしれませんが、他者への感染を防ぐためにも職場へしっかりと説明を行い、3日程度はゆっくり休むようにしてくださいね。