アデノウイルスは風邪などと同じように身近なウイルスの一種です。
ひとえにアデノウイルスといっても複数の型が存在し、現在では51種類もの型が確認されています。
また症状やそこから発症する病気についてもA~Fの6群に分類されています。
一度アデノウイルスにかかったからと言っても、違うアデノウイルスであれば免疫を持っていないも同然です。
今回は、そんなアデノウイルスの幼児にあらわれる症状や後遺症の可能性を見ていきましょう。
アデノウイルスで幼児などにあらわれる症状
乳児の場合
乳児の場合、特によく見られる症状としてはのどの痛み、咳、発熱、下痢など一般の風邪と似た症状です。
時には39°を超える高熱が出ることも。
大人だとすぐ回復してしまいそうですが、乳児の場合は脱水に注意しなければ命に係わる場合があります。
言葉がまだハッキリと発せられず「痛い」や「飲みたい」と言った言葉を伝えられないので、日頃から観察して気持ちを察してあげられるとベストです。
そのほかに大人では結膜炎で終わる症状も乳児の場合は視力低下に繋がる恐れがあります。
幼児の場合
症状としてはのどの痛み、咳、発熱、下痢など乳児の場合と同様です。
5歳以下のこどもの場合はアデノウイルスから合併症を引き起こし、それが重症化してしまうケースがあるのです。
はやり目、プール熱、扁桃炎、胃腸炎、肺炎などの二次的な発症から重症化してときには後遺症を残してしまう可能性もあるのです。
小学生くらいの子供の場合
乳児や幼児と同様の症状と考えて大丈夫でしょう。
しかし小学生くらいの子供の場合、高熱が何日も続くケースがあります。
高熱が続くと、寝ている時にいきなり起き上がり暴れたり、意味不明のことを大声で叫んだりする、熱せん妄が現れたりします。
夜間だけこのような症状が出る場合は一時的なものですが、これが続くと脳症などに発展する場合があるので要注意です。
アデノウイルスにかかると後遺症の心配は?
後遺症や一番残る可能性としては、流行性結膜炎(はやり目)が挙げられます。
これはアデノウイルス発症から完治したにも関わらず角膜に白い斑点が出て、それに伴って神経症状が出るケースがあります。
物を見るときにかすれてしまうといった自覚症状が出ます。
そして、視力低下を引き起こしてしまう可能性もあります。
そしてその次に怖いのが、高熱が続いた事で直接脳にダメージが出て脳炎を引き起こしてしまう事です。
病院で診療を受け、薬も処方されて飲んでいるのに高熱が続く場合や分からない事があればすぐにかかりつけ医に相談するようにしましょう。
保育園や学校へはいつから行ける?
これは保育園や学校の方針で若干変わってきます。
アデノウイルスが原因となっている病気の中では、学校保健安全法の中になる学校感染症に指定された出席停止期間が定められているものが優先的に認められます。
しかし、学校感染症はアデノウイルス全ての51種類それぞれに対応している訳ではありませんので、このくらいで大丈夫かなという校長や園長の判断になると思います。
一般的にはプール熱などの症状がある場合は症状が完治してから二日間は出席停止になります。
流行性結膜炎の場合は判断が難しく、医師によって伝染の恐れがないと認められるまで出席できない事もあります。
まとめ
アデノウイルスは多種多様で、完全に予防する事は不可能に近いのです。
ですから日頃からこどもに手洗いうがいを徹底させ、ウイルスが流行している時期には人ごみは避けるなど親の配慮が必要になります。
万が一、発症してもいつものプール熱か結膜炎だと油断していると、思わぬ形で重症化して後遺症を残してしまう可能性があります。
お子様が発症したら必ず様子をよく見極め、家族に伝染しないように注意が必要です。