冬の季節になると、発熱や頭痛などで体調を崩される方は多いと思います。
しかし、はたしてこれが風邪なのか?それともインフルエンザなのか?区別するには難しいときがありますよね。
今回は、インフルエンザと風邪の見分け方をご紹介したいと思います。
また、それぞれの対処法や予防法も解説していきますので、ぜひご参考にしてくださいね。
インフルエンザと風邪の見分け方
インフルエンザか風邪かを判断するのはまずは急な高熱の有無です。
それから、体の節々に痛みはあるかなどになります。
- 高熱が出ているか
- それは急に出始めたのか
- いつごろから出て現在何℃位あるのか
というところが判断材料となります。
急に体調が悪くなってきて、38.5℃以上の高熱が出始めた、体の節々に痛みもある、という場合はインフルエンザの感染を疑います。
また風邪の場合、熱は徐々に上がる事が多いものです。
熱が出る前に、他の症状が出始めることも多いでしょう。
医療機関にはインフルエンザ感染(A型、B型に限る)を判断するための検査キットがありますので、最終的な判断ができるでしょう。
インフルエンザと風邪は併発する?
インフルエンザにかかっていても、風邪も同時にひくこともあります。
小児ではごくまれにですが、急性脳症を併発することがあります。
高齢者や免疫力の低下がみられるかたですと、肺炎を併発することがあり、どちらも重症になることがあります。
目立つ症状がある時は早めに医療機関を受診しましょう。
インフルエンザの予防接種を受けた後に風邪薬は飲んでいい?
インフルエンザの予防接種を受けた後に、咳や鼻水などの風邪症状があらわれた場合、風邪薬を服用しても問題はありません。
ただ、インフルエンザの予防接種の副反応として、頭痛や発熱などの風邪症状があらわれる場合があります。
症状が重くなければ風邪薬を服用しても構いませんが、他にも嘔吐、下痢、強い倦怠感など心配な症状があらわれた場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
風邪の症状
それではここからは、風邪の症状について詳しく見ていくことにしましょう。
喉の痛み
喉の痛みを初めに感じる時に多いのは、朝起きた時かも知れません。
寝ている間に口や鼻から乾燥した冷たい空気が入り、喉についた風邪の菌やウイルスが繁殖してしまったのです。
唾をのみ込むと痛みを感じ、食事をとる時も痛くて飲み込みづらい、という症状が出たりもします。
声が出しづらくなる時や、扁桃腺が腫れたりする場合もあります。
咳が出る
咳が出始めることがあります。
湿った咳、乾いた咳、犬が吠えるような咳、咳にはいろいろな種類があります。
昼間落ち着いていた咳も、就寝して体が温まってくると症状がぶり返す、というケースもあります。
ひどくなると喉に痰が絡んできたりします。
くしゃみや鼻水が出る
鼻水やくしゃみが普段よりも多くなったりします。
初めはさらさらと水っぽい鼻水も、症状が進むと黄色く色が付いてきたりします。
発熱、頭痛
初めから高熱が出ることはあまりありませんが、なんとなく頭痛がして、熱を測ってみると微熱に気付く、ということが多いでしょう。
大人の場合は風邪で高熱が出ることは比較的少ないです。
しかし子供の場合は風邪で熱が出ることが多く、微熱に気付いてからその日のうちに熱が高くなることがあります。
子供でも風邪ではインフルエンザにかかった時のように、38.5℃以上の熱が出るようなことはめったにありません。
大人の場合だと高くなってもせいぜい38度位でしょう。
風邪の対処法
さてここからは、風邪をひいたときの対処法について見ていくことにしましょう。
薬の服用
喉の痛み、咳、鼻水、発熱、頭痛など、その症状に合わせたお薬を医療機関にて医師に処方してもらうか、自分で薬局で薬剤師と相談するなどして薬を購入して服用します。
しかし、風邪に直接効く薬はありません。
その時の症状に合った薬を服用することで、辛い症状を緩和させる効果があります。
栄養、水分をとる
バランスのとれた食事をとる、小まめに水分をとることは大切です。
タンパク質、ビタミンC、ビタミンB群を多く含むような食事をとるよう意識しましょう。
体力をつけて自然治癒力を高めると、風邪の症状も早く和らぎます。
睡眠、休息をとる
一番は睡眠を充分にとること、体を休ませて安静にしていることが風邪の症状を早く和らげることに繋がります。
風邪の原因となった菌やウイルスを直接退治したり、進行を食い止めたりするような薬はありません。
人が元々持っている自然治癒力によって快方に向かうことが出来ます。
体力の消耗を抑えて安静にすることが、風邪の症状を回復させる一番の近道です。
風邪の予防法
それでは、風邪をひかない予防法はどのようなものがあるのでしょうか。
マスクを着用する
鼻や口から風邪の菌、ウイルスが侵入してくるのを防ぐためにマスクを着用することが簡単で効果的な予防法でしょう。
使用するマスクは、外出ごとに新しいものを準備することが望ましいです。
外出から帰ったらマスクは玄関先で外して廃棄するとよいでしょう。
手洗い、うがいを小まめにする
風邪の菌やウイルスが最も付きやすいのは手です。
ですから手を小まめに洗って清潔にするという事がとても大切です。
手が菌やウイルスに汚染されていると、その手で鼻や口を触り、体内に風邪の菌やウイルスが侵入してしまいます。
手洗いを小まめに心掛け、その時にうがいも一緒にすると予防には効果的です。
体を冷やさないようにする
身体が冷えていると風邪をひきやすくなってしまいます。
特に喉を冷やさないように、衣服やマフラーなどで温めていると予防になります。
お風呂に入って温まる事はとても簡単にできる冷えの解消法ですが、首の後ろの付け根あたりに暖かいおしぼりや熱いシャワーをかけて温めても気持ちがよく、風邪予防へと繋がるでしょう。
空気の乾燥を防ぐ
ウイルスは湿度の低い状態で活発になります。
冬など乾燥している時は、繁殖しやすくなってしまうのです。
乾燥を防ぐために部屋に加湿器を置くなどして、湿度を保ちましょう。
加湿器を置くのが難しい時は、大きめの葉っぱを持つ観葉植物を置いたり、湿らせたタオルを掛けるなどして、乾燥を防ぎましょう。
インフルエンザの症状
ここからは、インフルエンザの症状の説明になります。
ご存知の方も多いとは思いますが、ここでおさらいしてみましょう。
急な発熱
インフルエンザに感染すると熱が急に上がります。
みるみるうちに元気がなくなり、おかしいな?と思っていると高熱が出ているという場合が多いです。
インフルエンザはウイルスの増殖するスピードが早いので、体もそれに反応して熱が急激に高くなるのです。
頭痛
高熱が出ることの多いインフルエンザでは、頭痛もしてくるでしょう。
風邪の場合の頭痛はズキズキくらいですが、インフルエンザの時はガンガンするくらい痛みます。
歩くだけでも痛みが響くほどです。
関節痛、筋肉痛がある
インフルエンザの場合、体のあちこちに痛みが出ます。
体の節々が痛み、体を動かすと身に覚えのない筋肉痛のような痛みを感じます。
風邪の場合は喉、鼻など特定の部分に症状が出ますが、インフルエンザではこのような全身の症状が現れてきます。
重い倦怠感
高熱や頭痛、体全体の痛みがありますので、体が重く、動かしづらい感じがあります。
元気がなくなり、ぐったりしてしまいますので、重い倦怠感があります。
食事をするのも辛くなってしまうほど体力がなくなってしまいます。
喉の痛み、咳、くしゃみや鼻水
インフルエンザでも風邪と同じような喉の痛み、咳、くしゃみや鼻水などの症状が出たりもします。
しかしこれまで示した、主となるインフルエンザの症状がとてもきついので、あまり気にもならないくらいです。
インフルエンザの主な症状が治まってきたら、他の症状が気になってくるくらいでしょう。
そのくらいにインフルエンザにかかると辛いのです。
インフルエンザの対処法
ではインフルエンザの対処法はどうしたら良いのでしょうか。
見ていくことにしましょう。
医療機関へ行く
インフルエンザを疑ったらまず、医療機関に連絡をして受診します。
一度連絡を入れておくことで、医療機関側は今からインフルエンザ感染の疑いの患者さんが来るということで準備し、来院したらすぐに他の患者さんと待合室を隔離する対応が出来ます。
それをしない医療機関もありますが、出来ればそのような対応をしている所に受診したいものです。
医師の指示を仰ぐ
医師に処方された薬を決められた用法で服用し、指示があればきちんと守ります。
インフルエンザにはそのウイルスに直接効く薬がありますので、処方されたら初めの一回目の薬はなるべく早く服用します。
発症してから48時間以内に服用すれば、ウイルスの増殖を抑えることができます。
市販では、インフルエンザに効く薬は販売が認められておらず、購入出来ません。
食事と安静
食欲がない場合は無理にとる必要はありませんが、出来れば体力が回復しそうなものを口にすると良いでしょう。
食欲がなくても水分補給は小まめにしましょう。
辛い症状は長くても2日程です。
安静にしていることが回復を早めます。
インフルエンザの予防法
インフルエンザの予防法は、どのようなものがあるのでしょうか。
基本的なことばかりですが、意外とおろそかになりやすいものです。
予防接種を受ける
インフルエンザが流行する前に予防接種を受けましょう。
もし感染しても重症化を防ぐことが期待できます。
予防接種を受けてから二週間で免疫が出来ます。
外出を最小限に控える
外出して人が多くいる場所に行かない。
公共の交通機関を使用しない。
など、インフルエンザウイルスに近づかない事が、最も感染を防ぐことへと繋がります。
しかし、通園、通学、通勤、その他、どうしても外出する機会はあります。
そのような場合にはマスクを着用し、清潔でない手で鼻や口を触らないようにしましょう。
そして、人の多い場所での滞在時間はなるべく短くすることを心掛けましょう。
帰宅後の手洗い、うがい
外出から帰ってからの手洗い、うがいはとても大切です。
公共の場所などで、インフルエンザウイルスがたくさん手に付いている可能性があります。
手洗いを怠ると、自分の手で口や鼻を触った時に、そこからウイルスが体内に侵入してしまいます。
それだけでなく、手に付いたウイルスが家のあちこちに付いて広がってしまいますので、除去が難しくなってしまいます。
部屋の湿度を保つ
インフルエンザウイルスは経口感染して、鼻や喉の奥に付き、そこで増殖していきます。
空気が乾燥していると、喉の粘膜などの免疫機能が低下してしまい、ウイルス感染しやすくなってしまいます。
部屋の湿度を加湿器などで充分に保ちましょう。
そのための最適な湿度は50~60%と言われています。
充分な睡眠、栄養バランスのとれた食事
日頃から体の免疫力を高めるためにも睡眠不足には気をつけましょう。
免疫力を上げると、インフルエンザにかかったとしても回復を早めることも期待できます。
また、重症化を防ぐことにも繋がります。
十分な睡眠と同様に、栄養バランスのとれた食事をとることを心掛けることも、免疫力アップが期待できるでしょう。
まとめ
風邪もインフルエンザも症状は似ていますが、風邪薬ではインフルエンザの症状は治まりません。
熱や頭痛などの症状は多少緩和出来るかもしれませんが、それがインフルエンザによるものだった場合は処置が遅れてしまう可能性があります。
もし間違った判断をした場合、重篤な状態につながらないとも限りません。
症状を冷静に観察し、医療機関を受診して医師の診断を受ける事が一番です。