「国立感染症研究所 インフルエンザとは」
「第一三共 インフルエンザについて」
「SARAYA インフルエンザとは?」
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毎年、冬になると流行するインフルエンザですが、高熱や咽頭痛、関節痛などが主な症状になりますね。
インフルエンザは高熱が出ると思われがちですが、微熱程度で終わってしまうこともあります。
熱がないと、感染していることに気づかずに多くの人が集まる場所に出かけたり、公共の乗り物を利用してしまうことがあります。
今回は、インフルエンザで熱が上がらない理由と、そのようなケースの対処法についてご紹介してまいります。
インフルエンザなのにあまり熱が上がらない理由
熱が出ないとただの風邪だと思い込んで出勤してしまったり、学校に登校してしまうなど、沢山の人に感染させてしまう恐れがあります。
以下のようなケースは、例えインフルエンザに感染していても熱が上がらないことがあるので注意が必要です。
解熱剤を飲んだ
風邪かな思って、早めに解熱剤を飲んだ場合は熱が上がりにくいことがあります。
解熱剤は熱が上がるのを抑えるのみの効果で、インフルエンザを治療する薬ではありません。
解熱剤に頼ってしまうと、インフルエンザに感染していると気づかず、周囲の人に感染させてしまう恐れがあります。
インフルエンザB型
インフルエンザB型は、A型のように高熱になることは少ないです。
A型は38℃以上の熱が出るのに対してB型は37℃など微熱のこともあります。
A型は12月から流行期が始まりますが、B型は2月や3月頃に流行る傾向があります。
予防接種の効果
インフルエンザの流行に備えて予防接種を受けておくと、感染した時に症状が軽くすんだり、熱が高くならないことがあります。
予防接種を受けたからと言って、100%インフルエンザにかからないということではありません。
しかし、予防接種を受けていない方と比較すると軽症で済むことが多いです。
抗インフルエンザ薬を飲んだ
インフルエンザにかからないために予防薬などを飲んでいると、微熱で済んでしまうことがあります。
薬剤の効果でウイルスが増えるのを抑えられるのですね。
高齢者
高齢者の方は体の抵抗力が低下しているため、痛みに鈍かったり熱が出ないことがあります。
熱はウィルスや細菌と闘うための大切な症状ですが、高齢者の方は熱が出ないために、逆に症状が悪化しやすい傾向にあります。
熱が上がらなくてもあらわれる症状
インフルエンザは高熱が出ますが、熱が出ないと通常の風邪と勘違いしてしまいますよね。
例え熱が上がらなくても、以下の症状があらわれているのならインフルエンザを疑うべきかもしれません。
だるさや倦怠感
風邪でもだるくなることはありますが、インフルエンザは体全体に症状が出て、だるさが強くなります。
倦怠感の後で咳、鼻水などの症状が出始めます。
咳や鼻水
風邪では、咳や鼻水の症状が先に出て発熱することが多いですが、インフルエンザでは寒気がした後に関節が痛みだすなど、風邪とは順番が逆になることがあります。
頭痛
頭痛もインフルエンザに見られる症状ですが、通常の頭痛と比べると痛みが強く、長引く傾向にあります。
関節痛
インフルエンザに感染すると、関節痛の症状が強くでる傾向にあります。
普通の風邪とは異なる痛みのため、インフルエンザに感染していると気づきやすいかもしれません。
嘔吐
インフルエンザは喉や鼻などにも症状がでますが、インフルエンザB型に感染した場合、悪心や嘔吐など消化器系に症状がでます。
また下痢などの症状がでることもあるので、平熱並みで消化器系の症状が見られたらインフルエンザB型にかかったという目安になります。
インフルエンザは熱が上がらなくても感染する?
インフルエンザは感染力が強いため、周囲の人にうつさないようにすることが大切ですが、熱がでないと感染に気づかずにうつしてしまうこともあります。
感染経路としては、感染者のくしゃみや咳などを浴びてうつってしまったり、ウイルスが付着した手すりやドアノブなどを触ってしまい、うつってしまうことがあります。
発熱していなくても、インフルエンザウイルスが体内で増殖していることに変わりはないので、感染させてしまう可能性はあります。
特に高齢者や小さな子供などが感染すると、重症化しやすいので注意が必要です。
また、インフルエンザウイルスの増殖力は早く、1日経過すると数百万個までウイルスの数が増えます。
潜伏期間は24時間~72時ですが、増殖力が強いので潜伏期間でも感染してしまうことがあります。
症状が和らいでもウイルスが全くいなくなったわけではないので、熱が下がっても周囲への感染には注意しましょう。
熱が上がらないインフルエンザの対処法や注意点
熱が上がらないと、無理に外出して周囲の人にうつしてしまったり、状態が悪化して長引く原因になります。
高熱が出ない場合、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか?
解熱剤の使用は控える
熱が37℃前後であれば、解熱剤の使用は控えるようにします。
解熱剤は一時的に熱を下げてくれるため、倦怠感や関節痛などの痛みの症状を抑えてくれますが、ウイルスを死滅させるわけではありません。
発熱はウイルスと闘ってくれている、体の防御反応のひとつです。
よって、無理に熱を下げる必要はありません。
市販薬の使用には注意する
発熱の症状がなくても、関節の痛みが辛い時は痛み止めを使用したくなりますが、アスピリンやボルタレンなど、インフルエンザの時に内服を避けたい薬剤もあるので注意が必要です。
市販の解熱鎮痛薬を使用したい場合は、医師や薬剤師など専門家に相談するようにしてください。
外出を控える
熱がないと外出したくなりますが、インフルエンザにかかっていることを考えて会社や人混みなど人が多く集まる場所に出かけるのは控えるようにします。
熱がない場合は、熱以外の症状が治まって約5日くらいしたら外出するようにします。
インフルエンザは放置しておいても治る?
体内に侵入したウイルスは早いスピードで増殖するため、早めに抗インフルエンザ薬を飲むことで症状の進行を防ぐことができます。
抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を抑えて症状の緩和に役立ちますが、ウイルスを死滅させることはできません。
インフルエンザを放置した場合、免疫力が強い方であれば自然に治る可能性はあります。
但し、小さな子供や高齢者、持病のある方は免疫力が低下傾向にあるので、放置すると症状が悪化して重症になることがあるので注意してください。
免疫力を高めるには、温かい食事や水分補給、十分な睡眠が重要です。
放置した場合は、約1週間~約10日くらいで治ると言われています。
インフルエンザの自然治癒での注意点
インフルエンザを放置して、自然治癒力に頼るのもひとつの方法です。
しかしインフルエンザウイルスは増殖力が強いため、24時間くらいでにあっという間に増えて症状がひどくなります。
放置した場合、インフルエンザウイルスによる合併症に注意しなければなりません。
インフルエンザ脳症
5歳くらいまでの子供に多く発症しやすく、痙攣や意識障害を起こし死亡するケースもあります。
子供がインフルエンザにかかったら放置するのはやめてください。
肺炎
肺炎は子供以外に高齢者に起こりやすい症状です。
炎症を起こした喉や鼻の粘膜から細菌が入り込んで、肺炎を発症することがあります。
特に高齢者が肺炎を起こすと重症になったり、肺炎が原因で死亡することもあります。
症状が長引く
放置をすることにより、インフルエンザウイルスが体内に留まっている期間が長くなり、それにより症状が長引きます。
ウイルスが体内で増殖している間は、菌を外に出している状態になるので、他の人に感染させてしまう確率が高くなります。
そのため多くの感染者を出してしまう可能性も考えられます。
まとめ
インフルエンザでは必ず高熱がでるわけではなく、熱が出ないタイプのインフルエンザもあります。
だからと言って感染の危険性は同様にありますし、合併症にも気を付けなければいけません。
インフルエンザに感染したら熱の有無に関わらず、無理にせず自宅で安静にしましょう。
参考文献