頭痛にはいろいろなタイプがあります。
脳血管が拡張し、神経を圧迫することで起こる「片頭痛」。
筋肉の緊張により起こる「緊張型頭痛」。
脳腫瘍、脳出血、脳動脈瘤など脳の病気のために頭全体が締め付けられるような恐ろしい頭痛もあります。
今回は、頭痛の起こる部位から、関連する頭痛について見ていくことにしましょう。
こめかみや側頭部が痛い
血管が拡張して三叉神経が刺激されることが原因(片頭痛)
三叉神経という、こめかみや側頭部を走る神経があります。
こめかみや側頭部が痛いときは、脳の血管が拡張することでこの三叉神経が刺激され、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張することで、痛みが発生していることが考えられます。
このような痛みは脳の血管拡張が原因となっており片頭痛と呼ばれます。
こめかみから目のあたりにズキンズキンと心臓の拍動に合わせるような痛みが走るのが特徴です。
ストレスから解放されたときや、寝過ぎや寝不足のときなどで起こるので、仕事のない週末に起こりやすくなります。
片頭痛は激しくなると、悪心、嘔吐、めまいなどの症状も伴います。
光、音、におい、気圧、温度の変化などに敏感にもなります。
生命に支障をきたすものではありませんが非常に不快です。
片頭痛の対処法
痛みの程度によって対処法も変わります。
少し痛むくらいで生活に支障をきたさない程度のものであれば、様子を見ながら静養やストレッチなどのセルフケアで改善します。
市販の消炎鎮痛薬でも改善が図れます。
ただし、市販薬を常習すると痛みが慢性化する可能性がありますので、乱用(毎月10回以上の服用)をしないように注意しましょう。
週末の寝だめや二度寝は、片頭痛のきっかけになりやすいので注意しましょう。
参考文献
「沢井製薬ポータルサイト【サワイ健康推進課】」
「慢性頭痛治療ガイドライン市民版より」
「家庭の医学(主婦の友社)」
後頭部が痛い
肩や首の筋肉の硬直・緊張が原因(緊張型頭痛)
パソコンの前で同じ姿勢で長時間作業をしたり、精神的緊張が続いたりすると、肩や首の筋肉が血行不良のために硬直して、後頭部が押さえつけられるような痛みが出てくることがあります。
このような頭痛は緊張型頭痛と呼ばれ、肩や首のこりを伴うのが特徴の一つとして挙げられます。
軽いめまいを伴うこともあります。
緊張型頭痛の対処法
同じ姿勢で居続けないようにしましょう。
また、ストレッチなどで首や肩の筋肉の緊張をほぐすように努めましょう。
蒸しタオルなどで首周辺を温めるのも効果的です。
頭痛が出てきたら、とにかく自分自身がリフレッシュできる何かを見つけてそれをやってみましょう。
前頭部が痛い
内頸動脈の炎症が原因
目の後ろにある内頸動脈が拡張して炎症が起こることで、目の周りや前頭部に焼けるような、あるいは突き刺されたような激しい痛みが生じることがあります。
このような頭痛は群発性頭痛と呼ばれ、夜中に起こりやすい特徴があります。
内頸動脈の血管が裂けることに伴う痛みかもしれないので、目の奥や前頭部にこのような強い痛みが出てきたら、一刻も早く医療機関を受診して検査を受けるようにしましょう。
内頸動脈の炎症の対処法
尋常でない痛みならば、脳動脈瘤や脳卒中の前兆かもしれません。
速やかに医療機関を受診して、専門医の診察を受けましょう。
痛みがそれほどでなくても飲酒や喫煙は控え、規則正しい生活をするようにして生活習慣全般の改善に努めましょう。
それでも痛みがときどき出てくるようであれば、やはり医療機関を受診しましょう。
参考文献
「エスエス製薬 群発頭痛」
頭に加えて首まで痛い
首や背中にある骨・神経の異常が原因(頚椎症)
頸椎椎間板ヘルニアなど加齢やケガなどで頚椎(首の骨)周辺の骨格に変形・異常が生じると、その周辺の神経が骨組織などで圧迫され、後頭部から首の後ろにかけて激しい痛みやしびれを感じるようになります。
症状が進むと頭や首だけでなく、手足のしびれや歩行障害も出てきます。
頚椎症の対処法
温めて血行をよくすると痛みが和らぎます。
軽症であれば頸椎のストレッチ体操で改善することもあります。
症状が進んでしまうと手術が最善策となります。
頭痛の和らげ方
まずは頭痛がどんな痛みなのかを把握しましょう。
頭痛の大半を占めるのが「片頭痛」と「緊張型頭痛」ですので、今回は、それらの頭痛に対する和らげ方を中心に見ていきたいと思います。
慢性的な頭痛の予防ならサプリメントがおすすめ
体質的な偏頭痛に悩まされているのであれば、普段から予防しておきたいところですよね。
「来そうだな」と思う前に対処しておくだけで、その後の痛み方は大きく変わってきます。
以下の記事では、当サイトが厳選したおすすめサプリメント3種の特徴を紹介しています。
この中から、あなたの症状や体質にあったものがきっと見つかると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
片頭痛なら冷やすのが有効
血管が拡張することで起こる片頭痛では、冷やすことで血管が収縮して痛みが軽減します。
冷たいタオルやおしぼりで、痛むところを押さえるとよいでしょう。
緊張型頭痛なら肩・首のストレッチを
肩や首の筋肉が緊張・収縮することで起こる緊張型頭痛なら、肩、首のストレッチで血行を促進して緊張をほぐすことで後頭部の締め付けられるような痛みが緩和されていきます。
両肩を上げ下げするストレッチ、首を左右に倒すストレッチ、肩甲骨をグルグル回るストレッチなどを行うとよいでしょう。
ただし片頭痛で血行を促進すると痛みを増強してしまうおそれがあるので気をつけましょう。
頭痛に効くツボを刺激する
東洋医学では片頭痛ならば、人差し指と親指の骨の付け根にある「合谷(ごうこく)」というツボが有効であるとしています。
また緊張型頭痛ならば、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」や両耳の後ろにある「風池(ふうち)」というツボが有効とのこと。
参考文献
「エスエス製薬 群発頭痛」
痛みを止める薬の利用
片頭痛でも緊張型頭痛でも、また他のタイプの頭痛でも、消炎鎮痛薬は痛みを抑えるのに有効です。
医療機関に行かなくても痛みを止める薬はあります。
ロキソニン、イブプロフェンなどの配合された市販薬は頭痛全般に有効です。
医療機関の受診を
頭痛が重篤な病気の前兆として現れている可能性があります。
とくに、今までに経験したことのないような激しい頭痛があったときは、脳の血管や髄膜や神経などに障害が起こり始めている可能性も考えられます。
そのような場合は早急に医療機関を受診し、検査を受けて現状把握に努めるようにしましょう。
まとめ
頭痛に襲われると、「このまま脳の血管が切れてしまったらどうしよう」などつい最悪のケースが頭をよぎることがあります。
脳腫瘍、脳出血、脳動脈瘤の破裂などでは、頭全体が締め付けられるような激しい痛みがくるそうです。
頭痛を感じたときに自分にとってそれがおなじみの痛みなのか、それとも今まで味わったことのない痛みなのか、気持ちを落ち着かせて、自分の痛みの程度を判断したいものです。