熱中症の症状が進むと、汗がとまらなくなったり汗が出なくなったりします。
同じ熱中症なのに、なぜこのように相反する症状が出てしまうのでしょうか?
今回は、熱中症で汗が出ないときと汗が止まらないとき、それぞれの原因とその対処法について解説していきます。
熱中症で汗が止まらない原因
熱中症で汗が止まらなくなるのは、まだ熱中症のごく初期の段階であると言えます。
人は汗を出すことで体温を調節し、真夏でもこれにより体を守ることができます。
熱中症になると体内も熱を持ち、体は急速に体を冷やそうとどんどん汗を放出します。
これが熱中症で汗が止まらなくなる原因です。
熱中症で汗が止まらないときの対処法
熱中症の初期症状として汗が止まらなくなったら、無理に止めようとしてはいけません。
汗は蒸発する際に体から熱を取り除き、これによって体の温度を下げていくという効果があるからです。
暑い日に汗が止まらなくなったら、まずは放出した分の水分を取り戻すために水分補給をしましょう。
そして、ぬるめのシャワーを浴びて汗を流し、体の熱を取り除くというのも効果的です。
体に水分をかけるということは、汗をかくのと同じ効果があります。
積極的に体に水分をかけてあげることで、自然と汗もひいていくでしょう。
シャワーを浴びた後は、涼しい場所で水分補給をしながらゆっくり休んでください。
熱中症で汗が出てしまうという症状の段階では、早急に病院を受診することもないでしょう。
しかしもしも、
ふらふらして意識が遠のく、
まっすぐ歩くことができない、
手足にしびれがあるという場合には、念のため病院へいくことをお勧めします。
熱中症で汗が出ない原因
では逆に、熱中症で汗が出なくなるという症状にはどのような原因が隠されているのでしょうか?
熱中症で汗が出ないのは、熱中症の症状が病院を受診するレベルまで進んでいることを意味します。
体の水分が3パーセント以上失われた状態を熱中症と指しますが、汗が出ない段階では体の水分は5パーセント以上失われてしまっている可能性があります。
つまり、熱中症で汗が出ないというのは「汗が出なくなるほど体から水分が失われていること」が原因だと言えるでしょう。
また、元々の体質や自律神経の乱れで暑くても全く汗が出ないという人もいます。
こういった方は熱中症になる確率が汗が出る人よりも高いですから、「汗が出にくい体質だ」と自覚している方はより一層熱中症への注意が必要となります。
熱中症で汗が出ないときの対処法
熱中症で汗が出なくなったと感じたら、すぐに病院へ行くのがベストです。
病院にすぐに行けない事情がある場合には、まず涼しい場所に移動します。
そして塩入の水や経口補水液、スポーツドリンクなどで水分補給をしてください。
ここで注意したいのが、「冷たい水をがぶ飲みしてはいけない」ということです。
激しい口の渇きから、熱中症になると水を一気に飲みたくなりますが、少量ずつこまめに飲むようにしてください。
一度に大量の水を体に入れると、水中毒を起こしてさらに危険な状態になってしまうことがあります。
病院へ行くと、重症の場合には入院しなければいけないこともあります。
熱中症から脳梗塞を発症してしまう方も少なくありません。
ただの熱中症と軽視せず、汗の出ない熱中症の場合には即座に病院へ行きましょう。
まとめ
おなじ熱中症でも、汗が出るときと出ないときで対処法も変わることが解りました。
大人であれば自己判断でそれぞれに対処できると思いますが、子供の熱中症が心配な時には親が良く様子を観察する必要があります。
子供が暑さでぐったりしているとき、汗が出ているか出ていないかも一つの判断基準とできるかもしれません。