日頃の感謝の意を伝えるお中元。
ただ実際に贈る時になって、「ここはどうしよう?」と疑問に感じた点はありませんか?
お中元についてのマナーは、知っているようで意外と知らないもの。
今回は、お中元のマナーに関する疑問点を、総まとめにして解説いたしました。
この記事を読んで、スッキリとした気持ちでお中元の準備を整えてくださいね!
お中元を贈るのはいつからいつまで?
8月9日以降なら残暑見舞いとして、挨拶状を添えて送ります。
そもそも「中元」というのは、1月15日の「上元」、10月15日の「下元」と並ぶ、古代中国の道教の三元信仰の一つであり、陰暦の7月15日のことを言います。
本来は、人間の善悪を判別する神を祀る日とされていましたが、天竺から仏教が伝わると、盂蘭盆会(うらぼんえ)と習合して、祖先崇拝信仰になりました。
日本では、この日に祖先をお祀りし、半年間の息災を祝って親類縁者が互いに訪問し合って交情を深めるとともに、仏様にお供え物をし、死者の霊の冥福をお祈りしました。
そして、この時に、祖先との共食を意味する白米・麺類・菓子・果物などを贈る習わしがあり、江戸時代には特に盛んに行われていました。
現在では、この贈答のことを中元と呼んでいます。
お中元にかける金額の相場とは?
一般的に、3,000円から5,000円ぐらいが相場とされていますが、贈る相手や、お世話になっている度合いによって予算は異なってきます。
目安として、
- 取引先・友人・身内などには3,000円
- 勤務先の上司には5,000円
- 特別にお世話になっている方には10,000円
こう考えておいて良いでしょう。
お中元にお返しは必要?
お中元やお歳暮は、日ごろからお世話になっていることに対するお礼なので、基本的にはお返しは不要です。
しかし、
- 目上の人
- お互いにお世話になっている
- もらい過ぎが気になる
このような場合では、半返しや三分返しをすることがあります。
喪中の相手にお中元を贈ってもいい?
お中元は、日ごろの感謝の気持ちを伝えるものであり、祝い事ではないので喪中の相手に贈っても差し支えありません。
ただし喪中に贈る際は、通常お中元に用いる紅白の水引は掛けず、白地の短冊に「御中元」と記します。
また、忌明け前の場合は時期をずらし、四十九日を過ぎてから送ります。
お中元の時期を過ぎてしまった場合は、暑中見舞いとして挨拶状を添えて贈ります。
暑中見舞いとお中元は両方贈ったほうがよい?
暑中見舞いとは、暦の上で立秋前の夏の土用の期間。
すなわち7月20日ごろから立秋8月8日ごろまでの18日間に、涼味のある贈り物をしたり、安否を問う見舞い状を送ったりする風習のことです。
お中元の時期と非常に近いので、何か贈り物をする場合は、どちらか一方にしておいた方が無難です。
どうしても「感謝」と「暑中伺い」を両方行いたいという場合は、お中元を早めに贈った上で、8月9日以降に残暑見舞いを送ればよいでしょう。
お歳暮とお中元は両方贈ったほうがよい?
お中元やお歳暮は、ひとたび贈り始めたら毎年贈るのが自然で、その年によって贈ったり贈らなかったりするのは不自然です。
どちらか一方だけ贈る場合には、お歳暮を優先します。
また、特別お世話になった件があり、今回だけ贈るという場合は、その旨をしたためたお礼状を添えて贈ります。
公務員にお中元を贈っても問題ない?
国家公務員は、国家公務員倫理規程により、利害関係者から金銭・物品の贈与を受けることが禁止されています。
従って、利害関係者からは、お中元・お歳暮などの季節の贈り物やお礼の品を受け取ることができません。
ただし、利害関係者以外であれば、社会通念の範囲内でお中元やお歳暮を受け取る事は可能です。
しかし、著しく高価な品物を受け取ることや、同じ相手から繰り返し受け取ることなど、常識を逸脱するような贈与を受けることは禁止されています。
ちなみに利害関係者とは、
- 許認可等の相手方
- 立ち入り検査等の相手方
- 契約の相手方
など、職員の職務に利害関係を有する者を指します。
地方公務員の場合には、地方公共団体がそれぞれ独自に規程を定めているので、逐一確認する必要があります。
また、独立行政法人も同様の規程を定めているので、そのつど確認する必要があります。
お中元をいただいたらお礼状は出した方がよい?
何か品物をいただいた時、誰かにお世話になった時は、三日以内にお礼状を出すのが礼儀とされています。
なので、お中元のお返しをしない場合は、速やかにお礼状をしたためて、先方に感謝の気持ちを伝えましょう。
お中元をやめたい場合はどうすればよい?
お中元を贈っている場合、当然お歳暮も贈っているものと考えられます。
基本的に、お中元よりも一年を締めくくるお歳暮の方が優先されます。
ですので、まずはお中元を暑中見舞いの挨拶状に替えた上で、これまで通りにお歳暮を贈るようにしましょう。
こうすれば、失礼になることなく自然な形でお中元をやめることができます。
まとめ
お中元は、日ごろの感謝の気持ちを伝えるのによい機会です
相手の立場や好みをよく考えて、相応しい時期に、真心を込めて贈りましょう。