扁桃腺が腫れると聞くと幼児や児童に多い気がしますが、大人になってからも頻繁に起こる扁桃腺の腫れに悩まされている人は少なくありません。
毎日いつも通りに過ごしているのになぜか起こる扁桃腺の腫れ、その原因は何なのでしょうか?
今回は、扁桃腺が腫れる原因と対処法、また予防法について詳しく解説していきます。
扁桃腺が腫れる5つの原因
鏡の前で大きく口を開けてみてください。
口の奥、舌の付け根の両側にぽっかりと穴が開いているような部分にアーモンド形のものが見えませんか?そこが扁桃腺です。
扁桃腺は、常に体に入ってくるウイルスや細菌を察知し攻撃するという、免疫の役割を持つ部位です。
つまり扁桃腺が腫れているということは、体内でウイルスと免疫が戦っている証でもあります。
その扁桃腺が過剰に炎症を起こしている状態を扁桃腺炎と言い、扁桃腺炎になると高熱が出たりのどに痛みを感じるといった症状があらわれます。
扁桃腺炎は、風邪などの解りやすいウイルスの感染によるものばかりではなく、いくつかの原因によって起こります。
ウイルス感染
風邪やインフルエンザに罹ったときに、扁桃腺まで炎症を起こしてしまうことがあります。
また、体の抵抗力が落ちている時には、体に付着する常在菌によっても扁桃腺炎を起こしてしまうことがあります。
甲状腺疾患
バセドウ病や甲状腺機能亢進症でも扁桃腺炎が見られることがあります。
蓄膿症
ひどい蓄膿症になってしまうと、膿が鼻から漏れ出して扁桃にたまってしまうことがあります。
この膿により、刺激を受けた扁桃が炎症を起こすことがあるようです。
アレルギー
花粉症をはじめとするアレルギー反応で扁桃腺が腫れてしまうこともあります。
特に気管支喘息などの呼吸系に症状を及ぼすアレルギーで多くなっています。
ストレスによる免疫の低下
強いストレスまたはうつ病などの精神疾患によっても扁桃腺が腫れることがあります。
これは自律神経が乱れることで免疫が低下してしまっているためです。
扁桃腺が腫れたときの対処法
実際に扁桃腺が腫れてしまった場合には、どのような対処法が有効なのでしょうか?
もちろん病院での治療も必要となりますが、まずは応急処置的にできる対処法についてご紹介します。
まずは冷やす
扁桃腺炎は、扁桃腺が炎症を起こし腫れている状態ですから、一時的に冷却することは効果的です。
腫れている部分に冷たいタオルを当てるか、タオルにくるんだ氷嚢を当てるといいでしょう。
冷やす時間は5分ずつにし、長時間連続で冷却するのはやめましょう。
また、扁桃腺炎によって高熱が出ている場合には、太い血管の通っている部分を冷却するのがおすすめです。
具体的にはわきの下や太ももの付け根などが有効です。
うがいとマスク
扁桃腺が腫れている時には、殺菌できるうがいが有効です。
のどの中を清潔に保ち、その後はマスクでのどを保護しましょう。
病院で抗生物質を処方してもらう
扁桃腺炎と診断されると、抗生物質が処方されます。
抗生物質は処方されたものをすべて正しく飲み切ることで治療が完了します。
薬を飲み始めたら症状が軽くなりますが、油断せずに症状が治まっても最後まで処方された分を飲み切りましょう。
扁桃腺の腫れに有効な予防法
扁桃腺炎は、毎日の積み重ねで起こりやすくなってしまうものです。
日常生活にちょっと気配りや心がけをプラスするだけで、扁桃腺炎は予防することも可能です。
疲れとストレスを溜めすぎない
扁桃腺がウイルスとの戦いに精を出してしまうのは、体の免疫力が低下することで普段は体に影響のない菌やウイルスでも簡単に感染し、扁桃腺内で増殖するようになってしまうからです。
体の免疫力や抵抗力を上げるためには、まずは十分な体力が必要になります。
疲れやストレスが溜まってきているなと感じたら、無理をせずに休息を心掛けましょう。
のどを乾燥から守る
乾燥した空気はウイルスや細菌を増殖させてしまいます。
のどを乾燥から守るよう心掛け、扁桃腺にウイルスが付着しないように気を付けましょう。
そんな時にはやはりマスクが一番有効ですが、起床時だけではなく睡眠時にもマスクをすることでさらに効果が上がります。
健康的な食生活
人間の体は、毎日の食事から作られています。
健康的でバランスのいい食事を心がけることは、体の免疫力を高める第一歩です。
たんぱく質、炭水化物、野菜に果物は勿論、発酵食品を積極的に摂取することをお勧めします。
免疫力の向上のカギを握るのは腸です。
腸内フローラを正常に保つことは、免疫力を向上させ病気を遠ざけることに役立ちます。
納豆や漬物、ヨーグルトや味噌といった発酵食品を毎食1品プラスするよう心掛けてみてください。
まとめ
度々起こる扁桃腺炎に悩まされている方は、扁桃腺を切除してしまうことも可能です。
年に数度、高熱とともに扁桃腺が腫れてしまうのであれば、かかりつけの医師に相談してみましょう。