肋骨の下あたりが痛くなること、時々ありませんか?
食べ過ぎた時であったり、急に運動をした時なんかは特に痛くなりやすいですよね。
肋骨の中には、人間にとって大切な臓器が隠れており、左右どちらが痛むのかによって原因が異なります。
今回は、あばらの骨折だけではない、臓器の不調によって起こる左肋骨下の痛みの原因について詳しく見ていきましょう。
胃潰瘍
主にストレスが原因となって発症する胃潰瘍は、左肋骨下が痛くなる病気です。
胃の粘膜が胃酸によって傷つき潰瘍ができるのですが、放置しておくと胃の中に穴が開いてしまうこともあります。
特徴的な症状としては、食中・食後に起こる痛み、血便といったものがあります。
胃の中にピロリ菌があると発症確率が上がることも解っています。
ピロリ菌による胃潰瘍の場合には、特段ストレスを感じていなくても発症することがあり、検査によってピロリ菌が見つかった場合には健康であっても除菌を行なったほうが良いでしょう。
胃潰瘍は若い年代でも発症することがありますので、左肋骨の下が痛むのに「若いから大丈夫!」といって検査を先延ばしにしていると、最終的には胃がんに進行することもありますので注意しましょう。
十二指腸潰瘍
胃潰瘍と同じく、ストレスが引き金となって発症する病気が十二指腸潰瘍です。
自律神経の乱れによって消化液が過剰に分泌されたり、臓器を保護する粘膜が弱ることで十二指腸に潰瘍ができます。十
二指腸は胃のすぐ下にあり、胃酸の影響を強く受ける臓器です。
胃潰瘍の場合は食中・食後に痛むのですが、十二指腸潰瘍の場合は空腹時に痛みが出ます。
また、胃潰瘍と同じで黒い下痢状の血便が見られます。
十二指腸潰瘍も、若い年代に特に多くみられる病気です。
20代前半であっても十二指腸潰瘍になる可能性は大きいので、もともと消化器系等が弱いという方は、定期的に胃カメラ検査を受けることをお勧めします。
肋間神経痛
肋間神経痛とは、肋骨に沿って存在している神経が痛む病気のことを言います。
肋骨左側にある神経が痛めば左側が、逆なら右側に痛みが出ます。
肋間神経痛が発症する原因は詳しく解明されていませんが、内臓疾患からくることもあるようです。
原因不明の突発的な肋間神経痛は中高年に多く見られます。
肋間神経痛の痛みは深呼吸や咳、くしゃみといった際にみられるのが特徴で、痛み自体は長時間に及ぶものではありません。
疲労やストレスから発症しやすいといわれていますので、肋骨に突然痛みが出た場合には、無理せずゆっくり休むようにしましょう。
急性膵炎
膵臓は、体の中心から少し左寄りにある臓器です。
食べたものを消化・分解するための酵素を分泌する臓器なのですが、様々な要因で消化が上手くいかなくなると膵臓が酵素で溶かされてしまい炎症を起こし、急性膵炎となります。
急性膵炎になる原因としては過剰なアルコール摂取や胆石によるものが多く、次に脂質異常症の人も注意が必要なようです。
急性膵炎になると肋骨左下の痛みをはじめとして、お腹や背中の広範囲に痛みが出て、下痢やおう吐などの症状が見られます。
急性膵炎には、すぐに治る軽度のものと、多臓器不全となり死にも繋がる重篤なものがあります。
気づかぬうちに症状が進むと、ショック状態から意識を失うこともある恐ろしい病気です。
急性膵炎かもしれないと感じたら、すぐに病院へ行きましょう。
膵臓がん
肋骨下左側に痛みが出た場合、一番怖いのがこの膵臓がんです。
膵臓がんは自覚症状がほとんどなく、痛みが出てから発見しても手遅れになるケースが多いのが特徴です。
自覚症状がないのに進行が早く、完治の確率は他の早期発見・治療が可能ながんよりもかなり下がります。
膵臓がんは50代以上の年代に多いのですが、この年代だと肋骨の痛みは肋間神経痛と自己判断してしまうこともあります。
肋骨の下左側に痛みを感じたら、自己診断はせずにすぐに病院で検査を受けましょう。
がんは早期発見・早期治療が一番大切です。
肋骨の骨折
若い女性の中でも近年増えているのが肋骨の骨折です。骨折した箇所により痛む場所は変わります。
骨が弱くなっている骨粗しょう症の高齢女性に多いと思いがちですが、過剰なダイエットで骨がスカスカになってしまっている若い女性でも多く見られます。
骨が弱くなっていると、くしゃみや咳などの軽い衝撃でも簡単に折れてしまうのが肋骨です。
肋骨が骨折した場合には、病院で胸部を固定してもらい安静にすることで1~2か月程度で完治します。
一度弱くなった骨を丈夫にするのは難しいのですが、年齢が若ければあきらめずに栄養のある食事と適度な運動で骨密度を高めていきましょう。
そこまで大袈裟でない場合は、下記のような肋骨をサポートするサポーターで様子を見ても良いかもしれません。
こちらは男女兼用で幅広いサイズに対応しているので安心です。
便秘
たかが便秘、と侮ってはいけません。大腸の健康は体全体の健康に繋がります。
おなかの左側には大腸の終わりとなる部分が存在しているのですが、そこに固くなった便が留まることで痛みが起こります。
便秘によって発生したガスなどでさらに圧迫され、痛みが徐々に強くなっていくこともあります。
便秘の痛みは、便を排出することでおさまります。食物繊維、良質なオイル、適度な運動で便秘を解消させましょう。
まとめ
肋骨や胸、おなかの痛みは時々出るものですが、痛みが長時間に及ぶ、微熱が続いて吐き気や下痢などの症状があるといった場合には躊躇わずすぐに病院へ行きましょう。
自分の体のことはつい軽く考えがちになりますが、自分の体が出すサインにきちんと耳を傾け、対処していきましょう。