背中が痛むとき、どこが痛いのか注意してみたことはありますか?
痛みがすぐに治まるのであれば気にしない方が多いかもしれませんが、度々同じ箇所が痛むという場合には、背中の左右・真ん中どこが痛むのか?ということを気にしてみてください。
背中の痛む場所によっては、重大な病気が隠れていることもあります。
今回は、背中の場所別で見る痛みの原因についてご紹介します。
背中の真ん中が痛くなる原因
背中の中心が痛むとき、その多くは筋肉や脊椎の痛みからきているようです。
毎日長時間同じ姿勢を強制されるデスクワークや立ち仕事の方は、筋肉の緊張から血行不良を起こし、背中の中心部に疲労物質をため込んでいることが原因につながります。
また、腰の関節が痛む椎間板ヘルニアなどが原因で痛みが出ていることも考えられます。
そして、ストレスによる心因的なものでも肩や腰のコリがひどくなり、背中の真ん中がひどく痛むこともあるようです。
強いストレスを日ごろから感じていて、上手に睡眠がとれなくなっているといった方は、自律神経失調症が背中の痛みを引き起こしている原因である可能性もあります。
どちらも筋肉が固まることで痛みが出てしまうので、日ごろからストレッチや全身浴で筋肉をほぐすよう心掛けることで改善が期待できます。
背中の左側が痛くなる原因
背中の左側が痛くなる時、その原因は体の中心よりも左側にある臓器の疾患かもしれません。
狭心症
心臓はご存知の通り、体の中心から少し左にずれたところに存在している大切な臓器です。
心臓の疾患の中でも、狭心症は背中に痛みを起こしやすい病気です。
特徴的なのは左胸と左肩を圧迫するような痛みが、数分から数十分続くというものです。
狭心症は主に動脈硬化から引き起こされる病気です。
脂質異常症など狭心症になるリスクが高い方は、病院で詳しく検査をしてもらいましょう。
すい炎・すい臓がん
膵臓の病気であるすい炎やすい臓がんも、背中左側に痛みが出る病気です。
すい臓がんは腹部や背中の重苦しい痛みが特徴的で、すい炎であればおへその上あたりから背中に突き抜けるような痛みを感じます。
どちらの病気の場合にも、下痢や便秘といった便の異常と食欲不振、血糖値の上昇や体重の急激な減少などの症状もあらわれます。
特にすい臓がんは、発見した時にはがんが進行していることも多く、完治の難しい病気です。
もしかしてすい臓の病気かもしれないと感じたら、一刻も早く病院を受診することが大切です。
背中の右側が痛くなる原因
背中の右側が痛むときには、胆のうや胃などの内臓疾患が隠れていることがあります。
病気による痛みの違いなどについて詳しく見ていきましょう。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍
背中のちょうど中心部から少し右にずれた部分が痛む場合は、胃や十二指腸に何らかの異常が起きていることが考えられます。
中でも多いのが胃潰瘍や十二指腸潰瘍で、どちらの場合にも血便や下痢便など便に異常があらわれるのが特徴です。
この二つは若年層に多い病気で、主にストレスが原因となって発症します。
胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、胃カメラ検査で容易に発見できますので、下痢や嘔吐を繰り返し、背中の右側に痛みを感じるときは胃カメラ検査を受けることをお勧めします。
胆石症
みぞおちの少し右上周辺が痛む場合は、胆石症であることが考えられます。
胆石症とは、胆のうで作られた胆汁が何らかの原因で固まり、胆のうから胆管につながる出口で石が動くことによって痛みが起こる病気です。
胆石症になると、黄疸や高熱、嘔吐といった激しい症状もあらわれます。
胆石症になりやすいのは、肥満気味で食生活が欧米よりの女性だといわれています。
胆石症は再発しやすいので、治療後は食生活に気を付け健康的な毎日を送るよう心がけましょう。
まとめ
背中やおなかは体の中心にあり、大切な臓器を保護している部分です。
そこが痛むときには、単なる筋肉や骨の痛みだけではなく、内臓の疾患も疑わなくてはいけません。
食生活のバランスの悪さだけではなく、暴飲暴食をしていては内臓に大きな負担をかけてしまいます。
食べすぎや飲みすぎに注意し、日ごろから簡単な運動を行って病気の予防に努めましょう。