脱水症状の下痢・吐き気・熱・しびれ・腹痛・めまいの対処法を総まとめ

軽視していると時には命の危険にまで及ぶ脱水症状、中でも乳幼児や高齢者においては特段の注意が必要です。

脱水症状が軽いうちに対処することで重症化を防ぐことができますから、脱水症状を起因とするいくつかの症状が出てきたらきちんと対応していきましょう。

今回は、脱水症状を原因とする各種症状に対する対処法についてまとめましたのでご覧ください。

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脱水症状で下痢のときの対処法

脱水症の症状が出ているのに下痢となっている場合には、脱水症がすぐに重症化する可能性があるため注意が必要です。

脱水症状がウイルス性の胃腸炎を起因とする場合には、ウイルスの排出作用のある嘔吐と下痢を薬で無理やり止めることはできません。

脱水症を回避するためだとしても、間違っても市販薬の下痢止め等は使用しないようにしましょう。

しかし、乳幼児や高齢者は数度の下痢と嘔吐で脱水症となってしまうことから、早急に病院での対応が必要となります。

こまめな水分補給では追いつかないほど体から水分が失われていきますから、栄養と水分補給のための点滴を受けましょう。

一方、脱水症状を原因として下痢となることもあります。

この場合には暑さによる熱中症も関連していることが多く、発汗による体温調節機能がうまく働かなることが大きな要因です。

水分不足による発汗異常から、水分とミネラルが不足することで血流が悪化、そして血液が体内をうまく循環しなくなることで内臓機能が低下し下痢を引き起こします。

熱中症と脱水症が合わさったことで下痢となっている場合、脱水症状はかなり進んでいる段階です。

すぐに涼しい場所へ移動し体を休ませ、水分を補給しましょう。

脱水症で下痢を起こし、意識障害がみられる場合には入院治療が必要なこともあります。

脱水症状で吐き気がするときの対処法

吐き気は、脱水症状が中程度まで進んでいることを示しています。

吐き気を感じる段階になると、尿の回数と量が減り、喉の渇きも強くなっているでしょう。

唾液や汗など、体から排出される水分も少なくなります。

こうなると素早い水分補給が必要となりますが、経口補水液やイオン飲料など、体に吸収しやすい水分を選んでください。

水分の排出を促すカフェイン入りの水分はNGです。

脱水症状とよく間違われるのが熱中症ですが、熱中症でも同じような症状があらわれます。

熱中症の場合には速やかに涼しい場所に行き、体を冷やしながら水分補給しなければいけません。

脱水症状の時に吐き気があると、水分補給によって嘔吐してしまう場合もあります。

急いで水分補給をしたくなる気持ちはわかりますが、慌てずゆっくり少しずつ飲み、折角補給した水分を嘔吐で排出しないように気をつけましょう。

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脱水症状で熱があるときの対処法

脱水症で熱が出るのは、脱水症の中でも体の水分が足りなくなる「水欠乏性脱水」の場合です。

これは皮膚から体内の水分が蒸発することで起こり、気温30度から徐々に体内の水分が蒸発する量が増え、悪化すると意識障害やけいれんを引き起こすこともあります。

水欠乏性脱水は、暑さだけではなく水分そのものが摂取できない状態でも起こりうることですので、乳幼児が風邪などを引いた際に飲食できないときなどには、水欠乏性脱水に十分に注意しましょう。

風邪や感染症を原因として脱水症となっている場合には、発熱の原因がウイルスなのか脱水なのかわかりにくい状態となっていますから、こまめな水分補給で対処していく必要があります。

少しでも容態が悪くなったら、速やかに医師に相談するということも大切です。

脱水症状でしびれがあるときの対処法

脱水症状で命の危険が出てくるのは、水分が体内から20%失われた状態です。

脱水症状でしびれがあるとき、それが手足ならば体内から6パーセント程度の水分が、舌であれば15%以上の水分が失われていることを示しています。

舌のしびれとして症状があらわれることには、命の危険はすぐそこまで迫っているということになります。

こうなると、素人がどんな対処法をしても文字通りの焼け石に水となりますから、すぐに病院へ行きましょう。

もしかすると自力での歩行も困難になっているかもしれません。

「脱水症状かもしれない、体がしびれている」ということを近くにいる人に伝えられるのであれば伝え、至急病院へ搬送してもらいましょう。

また、電解質を多く失った状態である「低張性脱水」の場合には、脱水症状のごく初期段階で手足のしびれが見られることもあります。

この場合、ミネラル分が多く失われていることが原因ですので、早急に水分だけではなくミネラルも補給してください。

夏場は麦茶ばかりを飲みがちという子供は特に注意しましょう。

お茶はミネラル分の排出を促し、適切な水分補給はできません。

水分が欲しいときにはイオン飲料やスポーツドリンクを飲むようにしましょう。

脱水症状で腹痛のときの対処法

脱水症状かもしれないと感じ、急激に大量の水分補給をすることで腹痛を起こしてしまうことがあります。

いわゆる水中毒の状態で、体内の血液に含まれるナトリウムバランスが極端に変わることでけいれんや嘔吐を引き起こすのが特徴です。

まだ脱水症状が軽度な状態であれば、こまめな水分補給で十分回復することもありますのであまり焦って水分を摂り過ぎないように注意しましょう。

特に、脱水症状を起こしている乳幼児に対する水分補給には注意が必要です。

素人では判断しきれない場合には軽視せず、すぐにかかりつけの小児科等に相談してみてください。

健康な大人の場合、活動量の大きな運動をすることが脱水による腹痛の原因となることもあります。

特に長距離を走るランニングを趣味としている方は、夏の炎天下に腹痛を感じやすいことを実感しているのではないでしょうか。

脱水による腹痛は体に大きなダメージを与えてしまいますから、真夏の運動は涼しい時期よりも控えめにしておくのが賢明です。

脱水症状でめまいがするときの対処法

脱水症状でめまいが起こるのは極々初期の段階です。

この時に脱水症状を疑うことができれば、脱水症状の重症化を食い止めることができるでしょう。

一般的に脱水症は体内の水分が3%以上失われている状態を指しますが、めまいは体内の水分が2%減ってしまった段階から起こります。

運動中にめまいを感じたら、すぐに休み運動を中止するようにしましょう。

また、他の症状と同じく水分補給が第一です。

最近話題の「かくれ脱水」でもめまいが起こることがあります。

かくれ脱水とは、脱水症状に無自覚なうちに脱水となっている状態を表す言葉です。

かくれ脱水に一番気をつけたいのは高齢者です。

特に認知症の高齢者では「喉が渇いている」ということを自覚できないため、クーラーのきいた室内にいても脱水から命を落としてしまうこともあります。

介護が身近な環境であれば、このような高齢者のかくれ脱水にもきづいてもらうことができますが、近年増えている独居老人に対しては十分な配慮が必要です。

もし、身近に一人暮らしをしている高齢者がいるのであれば、普段からこまめに水分を補給するように言い聞かせておきましょう。

まとめ

脱水症状で気をつけたい症状と対処法の総まとめということで、今回は長々と解説していきました。

要点をまとめると、以下のようになります。

  • 喉が渇く前に水分補給する。
  • 脱水だけではなく熱中症にも気を付ける。
  • 急激な水分摂取はやめる。
  • 下痢と嘔吐のある病気の時には水分補給を忘れずに。

脱水症は熱中症とは異なり、天候や季節に関係なく誰にでも起こるものです。

特におとなは水分摂取不足の傾向にありますから、日ごろからジュースやコーヒーではなく経口補水液などで水分摂取を行うようにしてください。

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