耳たぶのしこりが痛い時と痛くない時の原因と治療法!病院は何科が専門?
本記事は、医学書などに基づき口腔外科医が執筆いたしました。

耳たぶや、耳の後ろ側に、コリコリするしこりが出来たことありませんか?

身体に出来るしこりというと、乳癌など悪性腫瘍のイメージからあまりいい印象を受けません。

しかし、しこりが出来るのは悪性腫瘍に限らず、良性腫瘍でもしこりが生じることがあります。

今回は、耳たぶにできるしこりが痛い時と痛くない時に分けて、それぞれ原因と治療法を解説していきたと思います。

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耳たぶのしこりの正体

悪性腫瘍と良性腫瘍のしこりの大きな違いは、周囲の組織に癒着しているかどうかです。

悪性腫瘍のしこりは、周囲の組織に食い込んでいるのでコリコリ動くことはありません。

一方、良性腫瘍のしこりは、周囲の組織に食い込むことはなく、明確に独立しているので、コリコリ動きます。

 

耳たぶに生じたしこりが、コリコリするならば、それは悪性腫瘍ではなく、アテロームである可能性が高いです。

アテロームは、別名、粉瘤(ふんりゅう)ともよばれる良性腫瘍です。

アテロームは、身体中、どこにでも生じます。

 

アテロームが生じる原因は、皮膚に何らかの原因で生じた嚢胞とよばれる袋状の構造物の中に、本来なら皮膚から剥がれ落ちるはずの皮脂などの汚れがたまってしまうことにあります。

耳たぶのしこりが痛い場合の原因

炎症性アテローム

アテロームは、皮膚に生じた嚢胞に皮脂や汚れが蓄積して発症します。

つまり、アテロームの内部はきれいな状態ではありません。

皮脂や汚れが原因で炎症を起こすと腫れたり、赤くなったりします。

 

アテロームは痛みを伴わないので、炎症を起こして初めてアテロームに気がつくこともあります。

アテロームは摘出しない限りなくなりません。

炎症を起こしたアテロームは、その状態のままでは摘出することが出来ません。

まずは薬を使って炎症の緩和を図り、その後摘出術の適応となります。

化膿性アテローム

アテロームには、開口部があります。

アテロームの中心付近に認められる黒い点状のところです。

ここから細菌がアテロームの内部に入り込むと、そこで感染が生じ、化膿してしまいます。

化膿すると、通常は痛みを伴わないアテロームであっても、赤く腫れ上がってくるので痛みが生じる様になります。

 

まずは、抗菌剤を処方し、炎症を緩和させることから行ないます。

化膿したアテロームがブヨブヨとしていたら、切開しして内部にたまった膿を排出させます。

膿がたまることで内部の圧力が高まって痛みを生じているので、排膿できればアテロームの内部圧力が軽くなって、痛みをより早く緩和することが出来ます。

 

一度感染を生じたアテロームは、今後感染を繰り返すおそれがあります。

そのために化膿した状態が改善出来た後は、アテロームを摘出することになります。

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耳たぶのしこりが痛くない場合の原因

痛くないのなら、感染を起こしていない通常の状態のアテロームと考えられます。

この状態であれば、抗菌剤を使って炎症を緩和させる必要性は認められません。

 

アテロームは良性の腫瘍性病変なので、自然治癒は見込めません。

基本的に摘出術の適応となります。

良性とはいえ、ゆっくりと成長拡大していきます。

 

小さいうちに摘出する方が、傷痕が小さくてすみますし、術後の痛みもより軽くなります。

したがって、たとえ痛みを伴わなくても早いうちに病院で診察を受ける方がいいでしょう。

アテロームの診療科

アテロームは、薬物療法では治すことは出来ません。

化膿性アテロームに対して抗菌剤を使って薬物療法を行ないますが、あくまでも細菌感染によって化膿した状態を改善させるのが目的です。

抗菌剤で化膿が落ち着いても、依然としてアテロームは残っています。

アテロームの治療は摘出術が基本となります。

アテロームの周囲に円形の切開線を設定し、皮膚を切開します。

そして、アテロームとその周囲の健常組織を剥離して摘出します。

つまり外科手術を行なうわけです。

そこでアテロームを診てもらうとすれば、皮膚科、もし受診した病院に皮膚科がない場合は、外科がおすすめとなります。

まとめ

耳たぶに、しこりが出来たことに気がついたとき、そのしこりは良性腫瘍の1つであるアテロームの可能性が考えられます。

耳たぶに出来るアテロームは、耳たぶの皮膚に生じた嚢胞という袋状のできものの中に、皮脂や汚れがたまって出来ると考えられています。

アテロームは本来無痛性のしこりという症状を呈しているのですが、アテロームに何らかの原因で細菌が侵入すると、化膿を起こして腫れてきます。

そのために、痛みを生じることがあります。

 

もし細菌感染を起こしてはれてきた場合は、抗菌剤を使って細菌の活動をおさえたり、切開して内部にたまった膿を出したりして炎症を緩和する必要があります。

そして一度感染を起こすと、再び細菌感染を起こす可能性があり、炎症が落ち着いたらアテロームを摘出する必要があります。

細菌感染を起こしていなくても自然になくなることはないので、アテロームを発症した場合は外科手術によって摘出しなければなりません。

 

アテロームは皮脂や汚れがたまって出来るものです。

耳の周囲は、ついついきれいに洗うのを忘れてしまいがちな部分です。

耳の周囲もきれいに洗い、清潔な状態を維持し、アテロームを予防する様にしましょう。

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