花粉症を治すには、薬ばかりに頼るだけではなく、大元の体質改善がカギを握ります。
とはいっても、何をやれば効果があるのか?
今や花粉症に対する情報が氾濫しすぎていて、いったい何が正しい体質改善方法なのかわかりにくくなってしまっていますよね。
今回は、花粉症の体質を改善する正しい6つの対策についてご紹介します。
普段から適度な運動をする
健康な体作りはまず運動から!
運動によって体の代謝と体温を上げていくことで、免疫力の強化を図ることができるんです。
また、運動はストレス発散にもなりますし、春の自律神経の乱れも整えてくれる効果が期待できます。
花粉症は自律神経の乱れによって悪化しますから、適度な運動は花粉症の対策にとても重要なことなんです。
しかし一口に運動と言っても様々なものがありますから、まずは簡単にできる運動を室内・室外に分けて紹介します。
免疫力を上げる室外での運動
花粉の飛散する時期にはあまり室外での運動はお勧めできませんが、花粉が飛散していない時期からの体力づくりの一環として、次の二つの運動がお勧めです。
早朝のウォーキング
スギ花粉は、一日の中でも主に午後から飛散量が増えています。
花粉が飛ぶ季節には、ウォーキングするのは花粉が少ない早朝に行うのがお勧めです。
花粉が飛んでいない季節でも、人通りの少ない早朝のウォーキングは健康面ばかりではなく安全面からも推奨されます。
通勤を自転車にする
電車や車で通勤している方は、通勤手段を自転車に変えるだけでも大きな運動効果が見込まれます。
こちらは花粉が飛散する季節には推奨できませんが、雪が積もっている時期以外なるべく通年自転車通勤を行うだけで、年間の運動量はかなり増えますよ。
免疫力を上げる室内での運動
いよいよ花粉がピークに達したら、外で運動するのは無理ですよね。
室内でもコツコツと以下の行えば、それなりの運動量になりますよ。
スクワット
スクワットは、一度に全身の筋肉を鍛えることができる運動です。
特に腹筋と背筋、腰回りや太ももに効果があり、体の中でも筋肉の大きい部分が刺激されるため、少ない回数でもそれなりの運動量になります。
大きな筋肉を鍛えると、基礎代謝がアップするほか体温も上昇していきます。
体温を上げるのは免疫力アップの基本ですから、ダイエットも兼ねて毎日コツコツ行ってみてください。
踏み台昇降
自宅に階段がある方は、階段で踏み台昇降をするのがおすすめです。
踏み台昇降はとても地味な運動ですが、外をウォーキングするよりも運動量は大きく、室内で行える運動の中では高負荷の部類に入ります。
階段があればゼロ円で開始できますし、室内ならウォーキングのように服装に困ることもありませんよ。
丁度いい階段がない場合には、市販の踏み台昇降用ステップを使用すると安全に踏み台昇降ができます。
良質な睡眠を十分にとり自律神経を整える
睡眠の質が悪いと何故花粉症の症状が悪化してしまうのか、そのカギは自律神経の乱れにあります。
正常な自律神経は、体を活発に動かす交感神経と、体をリラックスさせ休ませる副交感神経がバランスよく使われ、昼間は交感神経が優位に、夜には副交感神経が優位に働きます。
ところが現代人の多くは、自律神経が乱れ一日中交感神経が優位に働いてしまう人が多く、そうなると体が夜になってもしっかり休まらず睡眠の質も低下してしまいます。
しかも、交感神経が優位な状態では血行が悪くなり、結果細胞の修復も追い付かず「いくら寝ても疲れが取れない」と感じるようになるのです。
さらにバランスが崩れ逆に副交感神経が過剰に働くようになると、花粉症の症状が悪化してしまいます。
副交感神経が過敏になると鼻水が多くなり、花粉症独特の鼻症状が出てしまうのです。
花粉症の症状を少しでも抑えたいのなら、自律神経の乱れを正常な状態に戻す努力が必要になるんですね。
睡眠の質を上げるために効果的なこと
自律神経の乱れを戻すためには、まず睡眠の質を上げてしっかりと眠り、体の疲労を回復していくことが大切です。
睡眠の質を上げるために効果的な対策を3つご紹介します。
ストレッチ
お風呂上がりの体が温まっている時に、十分にストレッチをしましょう。
自律神経の乱れで滞りがちな血流を、全身の隅々まで行き渡らせる効果が期待できます。
ストレッチは毎日行うことで効果が上がりますので、できれば毎日、無理であれば週3日でも良いのでやってみてくださいね。
夕食の油分を控える
夕食のメニューも、睡眠の質と大きく関わっています。
夕食時に油分や脂肪分の多い食事をとると、胃腸の負担が大きくなり、睡眠中に内臓が上手く休まることが出来なくなってしまいます。
夕食時のメニューはあっさり目にして、どうしてもガッツリと食べたい日にはなるべく昼食をしっかり摂るようにしてみてください。
寝具の見直し
枕やマットレスなど、寝具を見直してみてください。
睡眠の質を向上させるためには、体にフィットした寝具を使用するというのはとても大切なことです。
枕一つをとっても、体に合わないものは肩や首に負担をかけて肩こりの原因になります。
もっとも重要なのは体を支えるマットレスです。
人によっては低反発がかえって腰痛の元になることもあるので、寝ても疲労感が取れない方は寝具のプロに一度相談してみることをお勧めします。
シャンプー・ボティーソープ・洗濯洗剤・化粧品などに気をつかう
花粉症の体質を改善したいのであれば、シャンプーやボディーソープ、化粧品や洗濯洗剤などの選び方も重要になってきます。
今挙げたこれらのものに共通するものは、「添加剤」です。
一般的に販売されているこれらの物の多くには、大量に添加物が含まれています。
添加物と言えば食品を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、例えば界面活性剤や石油由来の添加物、保存料に香料・着色料といった様々なものが添加されています。
アレルギー体質の方は、そうでない人に比べてこういった化学物質に体が反応しやすく、肌荒れの原因になってしまいます。
花粉症の方は、花粉が飛散する季節だけではなく通年これらの製品は無添加・オイルフリーの物を選ぶようにしましょう。
免疫力を上げる食事をとる
毎日の食事でも、免疫力を向上させることが可能です。
花粉症に効果のある、おすすめの食べ物と飲み物は以下の通りです。
花粉症に効果のある食べ物・飲み物
はちみつ
はちみつには殺菌作用や炎症を抑える効果があり、花粉症によるのどの痛みに効果的です。
ブロッコリー
ブロッコリーに含まれるαリノレン酸やαリポ酸が、花粉症による症状を和らげてくれます。
黒酢
黒酢は、普通のお酢よりも豊富なアミノ酸が含まれています。
アミノ酸には、粘膜を正常に保ち、免疫を上げてくれる効果もあります。
梅
梅のエキスは、ヒスタミンの症状を抑えるということが科学的に証明されています。
また、活性酸素を除去し、免疫細胞を強化する効果もあることから、花粉症の時期には梅を積極的に摂取しましょう。
ショウガ
薬味となる食べ物は、体温を上昇させ免疫力を上げる効果があります。
中でもショウガに含まれるジンゲロールには抗菌作用と白血球に作用し、免疫を高める効果がある為特におすすめです。
花粉症に悪影響な食べ物・飲み物
逆に、花粉症に悪影響を及ぼす食べ物や飲み物もあります。
糖分たっぷりの清涼飲料水
砂糖を過剰摂取すると花粉症の症状が悪化してしまいますから、糖分がたくさん入っている甘い清涼飲料水は控えましょう。
添加物の入ったインスタント食品
食品の添加物はアレルギー症状を悪化させる可能性があります。
また、添加物の入ったインスタント食品は消化の際に内臓に負担をかけ、体の疲労につながってしまいますのでなるべく控えるようにしてください。
アルコール類
花粉症の方にとって、アルコールは最も摂取を控えたい飲料です。
アルコールを分解する際に生まれる有害物質「アセトアルデヒド」は、アレルギー症状の元となるヒスタミンをより多く発生させてしまいます。
アロマテラピーで免疫力アップ
なるべく薬に頼りたくない時には、天然の植物の力を借り、アロマテラピーによってストレスを解消しながら免疫力の向上を図ってみましょう。
ペパーミント
ペパーミントには、血管を収斂させる効果や抗菌作用などがあります。
花粉症による鼻づまりが辛い時には、ペパーミントを使用することで症状を和らげることができますよ。
ユーカリ
ユーカリには、呼吸器系等の炎症を抑えたり、免疫を活性する力があります。
花粉が飛散する時期を迎える前から使用し、免疫力を高めましょう。
ラベンダー
ラベンダーは、花粉症による目のかゆみに効果があります。
また、リラックス作用がありますので、神経が高ぶっていると感じている時に使用するのがお勧めです。
ツボ押しで免疫力アップ
最後に、体質改善が期待できるツボをご紹介します。
風池
自律神経失調症に効果があるツボです。
風池は、首の付け根から斜め上2~3センチ、丁度首の付け根と耳の後ろの中間地点あたりにあります。
風池を押すときには、3秒間グーッと押し、指を離して3秒置く、を繰り返します。
大椎
血行を改善し、鼻づまりにも効果のあるツボが大椎です。
大椎は、首を前に倒したときに飛び出る首の付け根の骨の、すぐ上のくぼみにあります。
このつぼは、押すのではなく温めて刺激します。服の上からカイロを貼ったり、お灸などで刺激してください。
合谷
合谷は、体の様々な不調に効果的なつぼです。
体に痛みがある時には痛みを抑え、自律神経を整える作用もあります。
合谷は手のひら、親指と人差し指の付け根の合流地点からやや人差し指寄りにあります。
親指の付け根からなぞると、窪みがある部分がそうです。
合谷は少し強めに忍足、ぐりぐりと回すように刺激しましょう。
百会
精神的なストレスを緩和し、自律神経に働きかけるツボが百会です。
1回につき2分程度、一日数回刺激しましょう。
百会は頭頂部と左右の耳をつなぐ線が交わる部分にあります。
頭頂部を触った時に感じるくぼみ部分が百会です。
まとめ
花粉症の症状を緩和するための体質改善方法には様々なものがありましたが、一番気を付けたいポイントは「自律神経のバランスを整える」ということです。
自律神経の乱れは花粉症だけではなく様々な体調不良を呼び起こしてしまいますので、平素からストレスをためずにしっかり疲労回復させるように意識してみてくださいね。